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からっぽは、難しい。

最近、夢中に一番近い状態になるために料理が有効だと気がつく。料理をするときは、からっぽで夢中に近いところから始まる。
野菜を切るときは、切ることだけに気がいっている。同じような大きさかどうか、ある程度切るスピードが早くなるようにテンポよくできているか、なるべくは無駄がなく処理できているか、そんなことを、料理に使う野菜についてのみ考えている。自然と。
多分、刃物を使っているし、自然と集中するのだろう。ながらでは行えないから、それがスッキリした気持ちになって良い。
そのあと鍋に移して煮たり、焼いたりするときは音楽を聞きたくなる。でも、料理の音も聞きたいときもあるからネックスピーカーが欲しいと最近は思う。からっぽに一番近いとは、こういう所だ。
完ぺきに料理を完結させるだけの熱量と集中力はないのだ。

まあ、お店を出すために修行中というわけではなく、自分の食事のためにする料理なのでそれでいいわけだが、野菜を切るときに黙々と頭を空にできる喜びは、最近気がついた副産物。とてもありがたい。
なかなか没入体験するのには時間がかかるの。だから、勝手にスイッチが切り替わるのが嬉しい。
「本当は手を動かして何かを作るのが好きなのか?」
なんて考えるけど、それがなにかわからない。

楽器は違った。
カラオケは好きなのに。残念。

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