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ポエム・エッセイ

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ポエムのまとめです。わたしの頭の中は、こんな感じです。
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#自由

空模様

空が包んでいるのか、空と一緒に浮かんでいるのか分からないけど、勝手に僕らはその中にいる。 そして、好きなうたを歌って、美味しいものを食べて、誰かを好きになった。 その日の空はとびきり良くて、自分とセットで一日が造られる気さえするんだ。 でも空はいつでも、誰かにとってはとびきり良くて、もっとも悪くて。 勝手に僕らはその中にいる。 雲が動いて、僕らが動いて。 誰かの空を、今は見てる。

いまは、とりあえず人差し指を唇にあてて〔詩〕

距離を取るために卵に入る 嫌なものから離れるためだろう そう決めつけたように囁かれた 別れが辛いのは その日が来るまでわからない 鈍感なボクだから 淋しいと誤魔化す あまりにも思い出が楽しすぎた 原因はそれだけの でもそれが問題で 転がるのが面白くて見ていたボールが 急に崖の下に消えていくときに 反射的に駆け寄ることは意味をなさず 消えてしまったボールは 世界から消える 世界から ボール遊びを楽しむ人達の 笑い声を無くそうなんて それこそ淋しいから 自分が卵に入れば済むこ

木の葉の音がしない。

 ギューギュー屋根を鳴らす強風が、目覚ましのアラームと一緒に朝を教えてくる。  あっという間に一週間が過ぎるくせに、カーテンを開けて雨が振っているのを見ると時間が少し止まる。  準備はいつも通り。  顔を洗って、適当になにかつまんで、ハミガキして、うんちして。スマホと財布とキーと、あまりワクワクしない気持ちを突っ込んで部屋を出る。  ラジオパーソナリティーがピックアップする曲が、地面を鳴らすのを楽しめと聞こえるのは、金曜まで我慢したから。  強風がボクの軽自動車を吹き飛ばすく

誰のものでもない

 夏と冬が行ったり来たりする空と、それを鬱陶しく感じ始めた4月の朝。「雪以外なら、なんでもいいよ」と言った日が、こんなにも恨めしくなるとは思ってもみなかった。今日は30℃、昨日は17℃。エアコンでも、そんな極端な設定にしない。  休日出勤を終えたら何をしよう。映画館に行きたいなと、朝から1日の終わりを楽しみにするのが習慣になってしまっている。もうすぐゴールデンウィークだけど、暦通りの飛び石連休。特に予定を入れることもない。ニュースで見る楽しそうな人間活動は、あくまでもテレビの

そういう関係

「誰のことも信じれない」と言った人がいた。結局、最後に信じれるのは自分自身だけだと。 たとえ嘘をつく人がいても他人を騙す人がいても、自分だけを信じていれば世界を信じているのと変わらないとも言った。 見えている世界は人それぞれで、傷付かないように心を守るか名誉や財産を守るか、そのバランスも人それぞれ。 傷は痛いから、悪いのか。 悪いこととは、良くないことすべてであって、悪いことすべてが禁じられ近寄るべきではない「悪」なのか。 そして、悪が傷つけたものが後に副産物をもたらしても

マス目のなかで過ごしてる

瞑った瞼の上に、揺れるまつ毛の影が見えた気がした。 いつも通りに眠い朝。 水を一口飲んでから、出かける準備をはじめる。 スマホとカギと。 一緒に、お気に入りの詩集をカバンに滑り込ませる。 なぜだか、朝に少し逆らった気がしてしまう。 それから、お気に入りのコートを羽織る。 コートの袖は、自由へ向かう扉。 コンコンと、扉をたたく。 今日も、自由にノックして入る。 休みの日なのに身体が覚えた時間に目が覚めるのはイヤだ。 自由に休日出勤しているような気がしてしまう。 自由が何

不審者とねこ。

狭い場所を通るふたりの違いはなんだろうか。 端の席が好きな人は多数いるけど、似たようなものじゃないか。 疑われるようなことはしない、そんな気遣いの一種。 自由でわがままな性格を嫉妬しているわけじゃないけど、疲れた顔を察知して静かにそばに座るのはなんで? それなのに、あんなに狭い棚のうしろに入ったり、柱のあいだを通る。そして、只じっとしてこちらを見てる。 しゃべりかけもしない。 なぜだか、たまに狭い方に魅力を感じて、そっちを通りたくなるボクはおかしいのかな。ちゃんと、ごみ

ピンスポットを意識して。

自分はとても冷たい人間なのだろうかと度々考える。この「冷たい」というのは、当然、世間一般と比べてだ。 これは不毛な悩みなのだろうとは何となく分かっているから、なおの事、しんどい気持ちがする。 度々訪れる。 この考えにいたる出来事が、定期的に訪れる。 年齢を重ねたから、しょうが無い。そう思い、何とか乗り越えていく人になりたい。けれど、今のわたしはそうではない。その悩みの輪郭が分かる程度に調べ物をし、「こんなことは自分がすることなのだろうか?」と、この瞬間も感じている。 もし

綺麗に丸が描ける人は、絵がうまいんだってさ。

これは単なるイメージ。 図書館で本を選ぶのは楽しい。無料でここにあるすべてのお話を最後まで楽しんでいい。 「体験版はここで終了。続きは有料版でお愉しみください」なんてことはなく、本当に隅々まで楽しんでいい。 たくさんの四角が列んでいる。 本が四角いのは、列べるのに便利だからなのか。置く。そこに置いておきたいものは、平らなものだ。たぶん、巻き物のように積み重ねていたけど、転げ落ちて、なくなったのだろうと思う。だから、動いてほしくないものは四角いのだ。 なんだか同じ形のほ