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外見への執着を手放す
自分の外見に執着すると、
人生は苦しみに満ちたものになります。
理想の外見を手に入れられなければ、
自分に自信を持てません。
「なんて醜いのだろう…」
「こんな自分、大嫌い!」
と自分自身を嫌悪して、怒りのエネルギーを溜め込みます。
怒りには、その人自身の心を苦しめる性質があるので、人生は瞬く間に悪い方へ、暗い方へと回転していきます。
外見への執着が度を越し、怒りを溜めすぎると、摂食障害にかかったり、身体醜形障害にかかったりしてしまうのでしょう。
また外見に執着すると、心や生活に余裕がなくなります。
外見を良くするために多大な労力と時間、お金を使ったり、外見の調子が悪い日に一日中気分が落ち込んだり、外出したときも、自分の外見や他者の目が気になってそわそわしたり…
人によっては、
「もっとかっこよくなりたいたい」
「もっとかわいくなりたい」
という欲がでてくるでしょう。
しかし欲には、どんなに頑張っても満たされることがないという性質があるので、心はいつも渇望状態です。
「もっとかっこよくなりたい」
「もっとかわいくなりたい」
という欲をこじらせてしまったとき、
人は整形から抜け出せなくなってしまうのかもしれません。
仮に理想の外見を手に入れられたとしても、
それをいつまでも維持することはできません。
どんな人も必ず年を取るので、今この瞬間も、
外見は老いの方へと変化しているからです。
どんなに食事や運動に気を遣っても、
アンチエイジングを実践しても、
老いを止めることはできません。
外見に執着し、老いから目を背けていると、
年を取ることにひどく怯えてしまうでしょう。
またどんなにお金と時間、労力をかけて理想の外見を手に入れたとしても、最終的には自らの死とともに手放さなければなりません。
死後も継続するのは、自らの心、言葉、体による行為だけです。仏教ではこれを、カルマ(業)の法則と言います。(後述)
だからこそ僕は、
外見への執着はさっさと手放して、
代わりに仏道を実践し、善い心を育て、善い言葉を話し、善い行動をとることにエネルギーを注ぎたいと思います。
瞑想したり、自分や生きとし生けるもに対する慈悲喜捨を育てたり、自分と自然とのつながりを深く見つめ、感謝したり、他者に優しい言葉をかけたり、優しく微笑んだり…
仏道を忍耐強く実践すると、
少しずつ心の性質が変わり、言葉と行動が変わり、何も特別なものがなくとも、内側の心だけで幸せを感じられるようになります。
一杯のコーヒーの中に、無数の生命と自然が見えてきて幸せを感じたり、
お風呂に入ったとき、自然の温かさに包まれて幸せを感じたり。
息を吸って吐けるだけで幸せを感じたり、
大地の上を歩けるだけで幸せを感じたり、
生きてるだけで幸せを感じたり…
内側の心だけで幸せを感じられれば、
外側の外見に執着する必要はなくなります。
実際に僕も、少しずつ自分の心だけで満たされるようになってきたからか、あまり外見に執着しなくなりました。
昔は整髪料を使わなければ仕事に行けませんでしたが、今は使わずとも仕事に行けます。
外見を整えるためにマッサージをしたり、何度も鏡を気にしたりすることもなくなりました。
「どうせ老いるし最後には手放さなければいけないのに、なんて無駄な努力をしてたんだろう」といった感じです。
ただし、心は放っておくと悪い方に悪い方に回転するので、油断して昔の自分に逆戻りしないように、引き続き精進したいと思います。
カルマ(業)の法則
仏教では、自らの心、体、言葉による行為の結果を、自ら引き受けなければならないと言われています。これをカルマ(業)の法則と言います。
カルマの法則によると、
今世の悪い行いが原因となって、
今世の自分や来世の自分に悪い結果が訪れます。
今世の善い行いが原因となって、
今世の自分や来世の自分に善い結果が訪れます。
ですので自分の心、体、言葉による行為に、
十分注意をしなければなりません。
外見への執着は心による悪い行為に当たるので、それが原因となって、今世の人生にたくさんの苦しみが返ってきます。
カルマの法則については、
スマナサーラ長老の『Power Up Your Life』
がわかりやすいです。
僕はこの本を読んで、
「もっともっと気づきを保たなければ」
「戒を守るぞ」
「もっともっと慈悲の瞑想をしなければ」
「自分の力で人生を変えてやるぞ」
といった感じで、仏道実践のやる気が湧いてきました。
興味のある方はぜひご一読ください。
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