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甘辛すごろく 表裏一体! 一気に進むの もうビビんない! 『ウィムムーン』のご紹介。(寄稿:ぬん)
みなさんキャッチーですか。ぬんです。
つってね! 他人様のnoteからこんにちは! お邪魔してますどうも!
私、ぬん(X:@be_catchy)と申す者でして!
普段は海外ボードゲームの日本語版を出版したり、ボードゲーム関連の文章を書いたりして生計を立てています。
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お仕事の一環として、昨年『UMATAKA』(制作:銅鐸舎様)というゲームの紹介記事を書きました。
新潟の縄文時代をテーマにしたジャパニーズユーロ!
渋くてクールな出来で、強く印象に残っています。
そんな『UMATAKA』のゲームデザイナーである無界さんから、ある日DMが。
「新しく『ウィムムーン』というゲームをデザインしたので、紹介記事を書いていただけませんか!」
『UMATAKA』デザイナーさんの! 新作!
先行で遊ばせてもらえるなんて、そんなん最高の役得じゃないですか!
迫りくる数々の締め切りに目を瞑り(嘘です)、一も二もなくお引き受けすることに。
というわけで張り切って参りましょう、SNSでも注目を集め始めている90分級ゲーム『ウィムムーン』について、
・ざっくりどんなゲームなのか
・ざっくりどんなところが面白いのか
について書いていきたいと思います。
よろしくどうぞ!
まずはね、『ウィムムーン』の箱絵を見ていただこうかなと。
いや、無界さんからお話をいただいたときに、やっぱりなんとなく、あの土器がどーんと表紙を飾っていた『UMATAKA』の激渋イメージがあったわけですよ。
今回は別サークルのラフゲームズさんでの案件だとは承知していたのですが、まあ言うても硬派寄りなのかなって。
それで、届いたサンプルを見てみたらさ。
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MECHAKAWA(めっちゃ可愛い)
あまりに良すぎる~~なんかさあ、ゲームボーイアドバンスのソフトっぽいワクワク感ありません?(伝われ)
中~重量級ゲームでこの雰囲気のアートワークって、ありそうで全然なかった感じだ。
とてもとてもとても好き。
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ストーリー行きますか!
動物たちが暮らす宇宙で人気を博す、月出身の人気アイドル「カグヤ」!
かわいい! 歌うま! わがまま! 気まぐれ!
付いたあだ名はウィムムーン!(=whim moon=気まぐれな月)
いや~~めちゃくちゃいいですね。アニメ化はまだですか。
そんなカグヤが突然引退を発表!
曰く、「私の好みの宝物を持ってきてくれた人と結婚しまーす!」とのこと。ウィムってんねえ!
ということで、動物である皆さんは宇宙中を駆け回り、カグヤのお眼鏡に適う宝物を集めることに。
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ゲーム的に言えば、プレイヤーたちは宝物タイルを集めていき、最も多くのVP(勝利点)を得ることを目指す、ということになります。
さて、いよいよゲーム内容ということで、まずはメインボードを見てもらいましょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1716734452083-QcGqA5kv0z.jpg?width=800)
はい、MECHAKAWA(めっちゃ可愛い)
もう最高プロダクトじゃん!
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ボードの外周に沿って、カードやタイルがずらずらと並べられているのがお分かりいただけるでしょうか。
そして左上の月エリアにはプレイヤーの駒。
そう! この『ウィムムーン』は!
ボード外周のカードやタイルをマスに見立てて自分の駒を進めていく、いわゆる「ダイスを振らないすごろく」なんだね!
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というわけで、自分の手番が来たら駒を進めましょう。
時計回りにしか進めないというルールはありますが、本当に何マス進めてもOKよ。
で、止まったマスがカードであれば、それに応じた処理を行います。
カードは大きく2種類!
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①サポートカード!
即時効果や永続効果をもたらしてくれるやつ! 踏みてえ~~
即時効果はササっと解決してカードは箱へ。
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永続効果のカードは、自分の個人ボード上に置いておきます。3枚まで保持できるぞい。
![](https://assets.st-note.com/img/1716735148513-J4I0IwLYRW.jpg?width=800)
②探索カード!
宇宙にはまだ知らないことがいっぱい! レッツ探索や!
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というわけで、探索タイルをめくってガチャ的に資源をゲット。
![](https://assets.st-note.com/img/1716736539436-erbLkLq5ag.jpg?width=800)
止まったカードの数字が大きいとたくさんタイルが引けるかもしれないし、運が良ければボーナスももらえちゃうかもしれない!
思ったよりちゃんとガチャだ。良いワクワク感。
処理が終わった探索カードは箱に戻しましょうね。
![](https://assets.st-note.com/img/1716735232963-ay4e2R9Aip.jpg?width=800)
押さえておきたいポイントは、①だろうが②だろうが、踏まれたカードはメインボードから取り除かれるってとこ。
これちょっと覚えておいてくださいね。
![](https://assets.st-note.com/img/1716735300531-QwdvVlCeaK.jpg?width=800)
そういえばすごろく上には、カードだけじゃなくてタイルもありました。
これが噂の宝物タイルってやつよ! 集めたらVPになるやつ!
![](https://assets.st-note.com/img/1716735379874-Hn5HxBs4ZH.jpg?width=800)
数枚が並んでいますが、それぞれが1つのマスではなくて、この数枚セットで1つのマスです。
イメージ的には、「並んでいるタイルのうちどれか1枚が買えるお店」ですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1716735344364-sK65wpLNVH.jpg?width=800)
というわけで、お店に止まったら資源を支払って1組をゲット。
同じお店で2組以上は買えません。
移動とマスの処理を終えたら手番終了。
これを時計回りにぐるぐる繰り返していき……
![](https://assets.st-note.com/img/1716735420372-Qpz7YWs1qJ.jpg?width=800)
1周して月まで戻ってきたらゴール!
他のプレイヤーのゴールを待ちましょうね。
![](https://assets.st-note.com/img/1716736071047-eBJ1hpnqmE.jpg?width=800)
全員がゴールしたら1ラウンド終了!
カードやタイルの入れ替えや補充を行い、再びすごろくをスタート。
これをあと2周、計3ラウンド行うとゲームが終わります。なるほどシンプルじゃん。
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さて、ここまでの情報だけだと、「ちょっとありきたりじゃない?」「なんかめちゃくちゃライトそう」という印象を抱かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ところがどっこい早まりなさんな! これまだ半月ぐらいだから!(?)
『ウィムムーン』を最高国産ゲーム界のフルムーンたらしめる面白さのツボ!
少しずつ紐解いていきたい!
まず押さえておきたいのは、この『ウィムムーン』、見た目に反して根っこの部分は結構シビアな造りをしているという点です。
![](https://assets.st-note.com/img/1716735717835-vCaDjzRZp3.jpg?width=800)
例えば、先ほど紹介した宝物タイル屋さん、
これ実はゲームごとに10回しか通る機会がありません。宝物タイルはメインの得点源なのに!
![](https://assets.st-note.com/img/1716735821551-foYlDvg6Dl.jpg?width=800)
ということで、周回ごとに3~4個ある宝物タイル屋さんが実質チェックポイントとして機能します。
欲しいタイルにたどり着いちゃうまでにどのマスを踏むかを考え、必要な資源をちまちま集めていく。
週1回の小テストに向けて毎日ちょいちょい勉強しなきゃ、的なそもそもの辛さがあるわね。
えーそんなの焦っちゃうよ~~ってところで思い出して欲しいのですが、『ウィムムーン』は「ダイスを振らないすごろく」です。
そう、何歩進むかは自分で決めていい!
![](https://assets.st-note.com/img/1716736122635-brISvThCHq.jpg?width=800)
OK、じゃあいわゆる牛歩戦術を試してみましょう。
皆がどんどん歩みを進めるのを横目に、手番が来るたびに一番近いマスをのんびりのんびり踏んでいく。
資源をたんまり集めて、狙ってたタイルに到達や!
はい、ダメ~~!
覚えてますか、マスはボードに印刷されておらず、ボード上に置かれるカードをマスとして扱います。
そして、
押さえておきたいポイントは、①だろうが②だろうが、踏まれたカードはメインボードから取り除かれるってとこ。
これちょっと覚えておいてくださいね。
![](https://assets.st-note.com/img/1716736209594-seHBxrkaCF.jpg?width=800)
そう、他の人にじゃんじゃん先に進まれちゃうと、踏むマス=カードなんてろくに残らないわけですよ!
そもそも宝物タイル屋さんに並べられているタイルは早いもの勝ちですしね。
のんびりしてたら普通に売り切れますがな。
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他にも、最後の1人だけボーナスカードが取れないマスを始め、牛歩戦術を良しとしない仕組みが複数用意されています。
「精神と時の部屋」で時間をかさ増しして小テスト対策みたいなズルい真似は、大きなデメリットを負うってワケ。
そんな戦闘民族おらんのよ。
もう1個おもしろ睨み合い要素いいすか!
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メインボードの真ん中にどーんと用意されているウィムアクション!
特殊リソースを消費することで、フリーアクションとして様々な恩恵が受けられるというもの。
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じゃんじゃん使っていくか~~と思いきや、各ウィムアクションはいずれか1人が使うと、そのラウンド中はもう使用不可になってしまいます。
そうだね、『テラミスティカ』のパワーアクションだね!
「ウィム(気まぐれな)アクション」なんて名前はついてますが、全員血眼で取りに行きますからね。強ぇんだもん。
さて、ここまでガッチガチの要素を見てきたわけですけれども、ところが実際に『ウィムムーン』を遊んでみると、後味はそこはかとなくポップです。
「血眼」と「ポップ」って単語、共存し得るんだ。
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やっぱり一番印象的なのは「思ったよりちゃんとガチャ」でお馴染み、探索カード&探索タイルの仕組みでしょうか。
止まったカードの数字が大きいとたくさんタイルが引けるかもしれないし、運が良ければボーナスももらえちゃうかもしれない!
資源を得るメインの手段となるので絶対に止まらなきゃいけないマスではあるのですが、そういうマスがワクワク感的にも絶対に止まりたいマスになってるの、素敵なデザインじゃん。
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永続サポートカードとかぐやカード、2種類の飛び道具も良い感じにポップ!
いわゆる個人能力カードと個人目標カードだね。どちらも割とむちゃくちゃ言ってて好き。
嚙み合うカードをうまく調達できるか否かが程よい揺らぎになって、舌触りをだいぶマイルドにしてくれています。
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手番順の決定方法も好き。
ラウンド開始時、ゴール地点には裏向きの手番順決定カードが人数+1枚置かれます。
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で、ゴールしたのが早い順に、残っているものから1枚を選んでこっそり取っていく。
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このカードには1~22の数字とボーナスが書かれているぞ。
数字が大きいほどボーナスも強くなる感じ。
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で、ラウンド終了時、全員持ってる手番順決定カードをオープン!
ボーナスを適用すると共に、小さい数字のカードを持っているプレイヤーほど、次ラウンドの手番順が早くなります。
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要するに強ボーナスと手番順のトレードオフになっててなかなかに悩ましいわけですが、「フッフッフ、2番のカード……ボーナスは弱いけどこれで先手番は私のもの……!」からの「いやお前1番持っとるんかい!」の流れ、あまりに楽しすぎます。
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そして最高なのがカグヤの好き嫌い!
思い出していただきたい冒頭のストーリー、アイドル・カグヤはなんて言ってましたか!
「私の好みの宝物を持ってきてくれた人と結婚しまーす!」
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じゃあカグヤの好みってなんやねんってなるのですが、メインボードの「好きな宝物スペース」に置かれている宝物が好きな宝物、「嫌いな宝物スペース」に置かれている宝物が嫌いな宝物です。
ウィムが過ぎるよカグヤちゃん。
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もうちょい詳しく。ゲームには10種類の宝物が登場します。
で、それぞれが描かれたおねだりタイルが1枚ずつある。
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まずはゲーム開始時、各プレイヤーに1枚ずつこっそり配られるぞ。
これは自分が注力したい宝物。自分にのみボーナス点をもたらします。
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で、好きな宝物スペースと嫌いな宝物スペースに裏向きで1枚ずつ置いておく。
好きな宝物は全員にとってボーナス点、嫌いな宝物は全員にとってマイナス点ね。
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あとはラウンドごとに最も早くゴールした1人が、ランダムに引いたおねだりタイル1枚を見て、好きスペースか嫌いスペースに裏向きで追加していきます。
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「あの人、さっきから剣の宝物タイルばっかり集めてるな……ってことは……?」とか色々勘ぐってみるのですが、結局自分の目で見たもの以外は何も確定しない感じ、めちゃくちゃ良いんだよな。
好きなブラフ感と疑心暗鬼感の使い方です。
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いや~~どうですか『ウィムムーン』!
ガッチガチの睨み合いゲームに突っ込まれる、ポップでキャッチーな要素の数々!
甘いしょっぱいで無限お菓子とか、サウナ水風呂で無限整いとか、そういう感じのアレだ。
バランス感覚が完璧すぎて、ちゃんと歯ごたえがあるのに全然嫌な感じになっていないのがとても素敵です。
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作者の無界さん曰く、「ダイスを振らないすごろく」の先行作である『エジツィア』や『ヘブンアンドエール』の間口を広くすることを目指したとのこと。
アートワークも含めてもう大成功だよ! センスすごい。
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そんな『ウィムムーン』、6月8日(土)からクラウドファンディングを実施予定とのこと!
体験会もちょいちょい開催されているようなので、皆さんもぜひウィムなカグヤに振り回されてみてくださいね!
最新情報は、ラフゲームズさんのXアカウントをチェックだ!https://x.com/laugh_games2525
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というわけで、月に代わって気まぐれすごろく『ウィムムーン』、ご紹介させていただきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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ウィムムーン/Whim Moon(2024)
プレイ人数:2~5人用
プレイ時間:60~90分
対象年齢:10歳以上
リリース:ラフゲームズ
当紹介記事は、PRを目的に有償で作成されました。
使用されている写真はサンプル版のものです。実際の製品とは仕様が異なります。
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