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縄文ワープレ 焼く火焔土器! 重要 コマ数 加減どき!『UMATAKA』のご紹介。(寄稿:ぬん)

みなさんキャッチーですか。ぬんです。


つってね! 他人様のnoteからこんにちは! お邪魔してますどうも!

私、ぬん(X:@be_catchy)と申す者でして!
普段は海外ボードゲームの日本語版を出版したり、ボードゲームのルールライトをしたりして生計を立てています。


公私ともに円安に頭を悩まされていた(今もですが)2023年夏、私のiPhone 13 mini ブルーの通知音を、新潟が誇るサンダーファイヤーボードゲーマー・ナポポラさんからのDMが鳴らします。

「今度、銅鐸舎って名前のサークルで、新潟の縄文時代をテーマにした『UMATAKA』ってゲームを出すんですが、ぬんさん紹介記事を書いていただけませんか?」

高校時代は地理B選択で、日本史はちんぷんかんぷんの私。
「銅鐸で……縄文で……UMATAKA……?」と情報量にやや圧倒されながらも、なんだか面白そうということでお引き受けすることに。


というわけで張り切って参りましょう、SNSでも注目を集めている90分級ゲーム『UMATAKA』について、

・ざっくりどんなゲームなのか

・ざっくりどんなところが面白いのか

について書いていきたいと思います。
よろしくどうぞ!



まずはね、『UMATAKA』、その箱絵を見ていただきましょう。


ど、土器だ…!
一昔前のゲームならおじさんが、最近のゲームなら動物やらが描いてありそうな位置に、デカデカと土器だ…!
ちゃんと振り切っていくぞという、銅鐸舎さんの決意が感じられます。

「UMATAKA」は「馬高」なんですね。
火焔型土器が初めて出土した、新潟県にある縄文時代中期の遺跡のお名前とのこと。
日本史マジで門外漢なので適当書いてたらごめん。

その下に踊る「A Life of Jomon Era」の文字。
一族の長として家族や犬を率いて、採集狩りをしたり、住居を構えたり、土器を焼いたりと、良い感じに縄文生活を営んでいきましょう、といったフレイバーのゲームです。



ではいよいよゲーム内容に入っていくぞ!


ゲーム開始時、手元には家族コマが5個! そして犬コマが2個
イッヌかわいい!


これらの駒を丸印が1~4個連なったアクションスペースに配置していき、最終的には勝利点の獲得に結び付けていく、ワーカープレイスメントが主軸のゲームです。

ワーカープレイスメント
ボードゲームの仕組みのひとつ。手元にあるコマをボード上のスペースに配置して、さまざまなアクションを実行するものです。


手番が来たらばアクションスペースを1ヶ所選び、その丸印と同じ個数のコマを置きます。
そして描かれているアクションを実行。


アクションの内容は全然複雑じゃないです。
描かれている資源を得るとか、セットコレクション用の動物チップを取るとか、このラウンド限りの臨時イッヌを得るとか、まあそんな感じだ。臨時イッヌってなんだよ。


アクションスペースには限りがあるので、もちろん早い者勝ち。
あの人はコマ1個で狩りをしてるのに! なんでワイは4個も要るんや!



ここまでの情報だけだと、「ふーん、駒数が多くて、1アクションで数個とか使っちゃう感じの変則ワーカープレイスメントね。でもまあありがちな感じじゃない?」とお思いになる方もいるかも知れません。

ところがどっこい早まるな! 歴史に学べ!(決め台詞)
『UMATAKA』を非凡なスーパーナイスゲームへと引き上げているキャッチーポイント3つ
ご紹介していきたい!



キャッチーポイントその①!
犬駒周りのルールが完璧!

先述のとおり、プレイヤーはコマを2種類持っています。家族コマと犬コマ。
家族コマは特に制限なく配置できるのですが、犬コマの配置には2つのルールがあります。



①犬コマだけでは配置できない

そりゃそうよな!
ワンちゃんが1匹でクマを狩って来たら「え、縄文ってそうなの!?」ってなっちゃう。
家族コマといっしょに置きましょう。


これは実際に手を動かしてみると分かりやすいのですが、犬コマだけでは置けないということは、ラウンドで取れるアクションの最大回数が、家族コマの個数に依存するということです。
犬コマがたくさんあっても、奴らは単独では動けない。
それらを監督する家族コマが例えば1個しかなければ、できるアクションは残り1回っちゅうこっちゃね。

っていうのを踏まえて…



②置く犬コマの個数は、同時に置く家族コマの個数を上回ってはならない

確かにそうよな!
人間1人でワンちゃん101匹の面倒を見るのは無理だ!


というわけで、コマを3個置こうというときに「家族+犬+犬」の組み合わせは許されません
「家族+家族+犬」ならOK。

ラウンドで取れるアクション数は家族コマの数に依存するのに!
1アクションで家族コマ2個とか使わされるんですけど!
縄文ってそうなの!?



「ほーん、じゃあ犬コマそんなに強くないんかな?」という思考に陥りがちですが、ラウンドが進み、丸印が少ないアクションスペースがバシバシ埋まり始めると、お犬様のありがたみを実感します
物理的に置ける/置けないの壁を越えていくイッヌの跳躍力!
縄文は君無しでは乗り切れないぜ!

っていうところまで踏まえて、次の衝撃のキャッチーポイント、しっかりと受け止めていただきたいです。



キャッチーポイントその②!
アクション後、今回置いたコマの個数ぶんだけ激アツトラックを進む!

……はい?


実はですね、さっきからコマを置いているアクションスペースが描かれている場所、実はゲームボードの左半分に過ぎません。


じゃあ右半分はどうなっているかと言えば、様々なボーナスが示された探索トラックがあるわけですよ。マジか!


コマを置いてアクションをしたら、トラック上の自分の探索コマを、今回置いたコマの個数に等しいマス数ぶん、時計回りに進めます。
そして、止まったマスに示されたボーナスを得ると。


ちなみに、同じマスには1人しか入れない仕組み。
埋まっているマスは歩数に数えず、飛ばして先に進みます。



さて皆さん、お気づきでしょうか。

お、コマ1個で木材取れんじゃーん!
でも、トラックの1マス先、別にボーナスおいしくないな…
今なら前に2人いるから、3歩進めば5マス先のあのめちゃ強ボーナスに届く!
うかうかしてると他の人に踏まれて、次の自分の手番ではあのボーナスが得られないかも…
もっと言えば、ラウンド終了時、トラックで先頭取れてるとご褒美まであるんだよな…


そう!
丸印が少ないアクションスペースが空いていても!
歩数を稼ぐためにあえてコマをたくさん置きたい場面がめちゃくちゃあるんすよ!
てかイッヌ超頼もしいな! 臨時イッヌください!


このアクションと歩数を噛み合わせていく感覚がね~~たまりません。脳みそやられます。
ワーカープレイスメントではスペースを奪い合い、トラックでは良いマスを踏み合うって、なんかもうインタラクションかくあるべしって感じがする。


しかもしかも! しかもですよ!
この探索トラックの役割、これだけじゃ終わらないわけ!



キャッチーポイントその③!
探索トラック、実質時限装置!

……はい?


探索トラックをよく見てみると、5~6マスごとに1回、オレンジ色の背景の製作アイコンが挟まりますね。


自分の探索コマがここを跨ぐたびに、その手番中、建物を1段階建てるまたは土器を1個焼く機会を得ます。


建物は、様々なゲームで見かけるような、能力や即時効果付きトラックだ。
家族コマが増えたり、選ばれし者だけが使えるアクションスペースが開放されたり、人間が1人でも101匹ワンちゃんを制御できるようになったりと、どれもしっかり強いです。


指定の資源を支払って、いずれかのジャンルを1マス右に進めます。


土器は、資源を払って勝利点に! 的な分かりやすいアレ。
早く取れば取るほど得られる勝利点が大きい他、ゲーム中に得られる小さな資源・木の実を得点化するためのスペースも付いてきます。
木の実は土器を作っていないと完全に腐っちゃう資源なので、計画的にスペースも確保していきたいところ!



これ結局、コマを5~6個使うごとに資源を消費する機会が来るから、毎回しっかり準備しときなさいよって言われてるんですよね。
アクションと歩数を噛み合わせていくのみならず、資源の消費ミニタイムリミットまで毎回考慮に入れながら、コマを節約したり一気に置いたりする……
最高じゃないですか? やばすぎ。



ちなみにですね、やや入手がしんどめな「霊感」という資源があります。
高いレベルの建物を建てようとしたり、高得点の土器を焼こうとしたりするときに必要になるやつ。
製作アイコンをまたいだときに、建物も土器も作らなければ(または作れなければ)、霊感を1個もらっていいというルールがあります。


これがまた憎いんだよな~~普通にゲームボードのアクションからも取れるはずなのに、何故か全然持ってないのよ霊感。でも要るし。
結果、資源はあるっちゃあるけど、今回の製作アイコンでは建物も土器もあえてスルーして霊感をもらうみたいなことをし始めるわけ! 嫌すぎる!



いや~~どうですか『UMATAKA』!

コマ数多めのワーカープレイスメント!
置いた個数だけ別トラックを進み!
ボーナスの取り合い!
資源消費タイミングの調整!
いい塩梅のスパイスなイッヌ。

言っていることがあまりにもユーロで、日本からこういうゲームが出てくるの、お金をいただいて書いている記事だからどうこうとか抜きにして、本当に嬉しいなってなっちゃった。

それでいて全然古臭くなく、アイディアがあり、発明があり、なんかもう大手海外メーカーの新作みたいな堅牢さがあるんだよな。
「エッセンで買ってきたんだよね~~」って言われてこれ遊ばされても、「え、海外発なのに縄文と馬高と土器に対する解像度高くない!?」って方に違和感覚えちゃうと思う。

ユーロゲーム
ユーロゲームもしくはドイツゲームとは、1990年代中盤から現在までに発売され、世界的な人気を獲得した独特のテーブルゲーム群。狭義にはドイツを中心とするユーロ圏で作られるボードゲームを指すが、2010年代以降その枠にはとどまらなくなりつつある。

Wikipedia

ディベロップの方向もめちゃくちゃ好印象で、このスーパーナイスユーロなアイディアをちゃんと信じて、チャラチャラ感やごちゃごちゃ感をまったく持ち込んでいないというか。
セットコレクションとか能力トラックとか、枝葉の部分で奇を衒ったことはせずに、馴染みの深いものをそっと添える。
複雑でない。華美でない。


って言うのを踏まえてこの箱絵見ると、めちゃくちゃアツくないですか
私だったら、縄文の暮らしの様子を背景に、元気に駆け回るイッヌとか描きたくなっちゃうと思うよ。
でも土器だけなんだよ。泣ける。


超硬派でイケてるゲームですが、弱点を挙げるとすれば、長考派の人と遊ぶとしんどいデザインかも知れません(それはもう韻じゃなくて駄洒落や)
手番が来るまで盤面が確定せず、結び付けなければならない要素も多いので、考えようと思えばずっと考えられちゃうという。

ある程度のサクサクプレイを心がけるか、最初は4人じゃなくて3人プレイで、とかの方が、このゲームの衝撃に純粋に浸れて良いかも知れません。



そんな『UMATAKA』、11月にCAMPFIREにてクラウドファンディングを実施とのこと!
国産60分オーバーゲームの流れを変える1作だと思うので、少しでもピンと来るものがある方は是非注目していただきたいです!

最新情報は、銅鐸舎さんのXアカウントをチェックだ!https://twitter.com/dotakusha


というわけで、日本が誇るおもしろ縄文ユーロ『UMATAKA』、ご紹介させていただきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!




当紹介記事は、PRを目的に有償で作成されました。
使用されている写真はサンプル版のものです。実際の製品とは仕様が異なります。
ページ中の脚注については、銅鐸舎側で追記したものとなります。

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