日本の伝統工芸品と伝統文様「梅の花」
着物を着る日が近づいてきたので、梅の花の模様が施されている鏡と簪(かんざし)を出しました。
左は20年以上前になりますが、父が金沢を旅行した際、お土産物屋さんで買ってきてくれた鏡です。この鏡は金沢の伝統工芸である金箔を施してあります。右は、和装をする時のために購入した簪で、一点一点丁寧に作られているそうです。
梅文様の特徴
梅の花の文様にはいくつか種類がありますが、梅の花の特徴として「花びらが丸い」ことが挙げられます。現代のイラストで「梅・桃・桜」のそれぞれの花の特徴を描くと次のようになります。
伝統の文様としても同様で、花びらが丸く描かれているの文様が「梅」となります。しかし、一括りに「梅の花」と言っても、文様や描き方はさまざまです。
鏡と簪(かんざし)どちらも「梅の花」が描かれています。左の鏡に描かれている梅の花は、花のみが描かれていて、下の花は特にデザイン化されており、右の簪の梅の花はどちらかというと枝や葉が描かれていて写実的です。
もし、着物に梅の花が描かれている場合、右のような写実的かつ梅が単体で描かれていたり、冬の象徴「雪」が描かれていたら「冬(1月〜2月ごろ)」に着るのがおすすめで、デザイン化されていたり、他の模様と併せて描かれていると「通年」を通して着ることができるそうです。
縁起のよい梅の花
梅は「松竹梅」と聞くように、大変縁起のよい植物として日本文化に定着してきました。梅の花が開花する時期は、まだ寒さの厳しい2月。この2月に咲く梅の花は春の訪れをいち早く知らせてくれる花でもあります。
梅の花言葉
梅の花の花言葉は、まだ寒さの厳しい雪の中でも咲くことから
・高潔
・気品
・忠実
・忍耐
などがあります。また、中国では「逆境に耐える人生の理想」ともされています。また、日本の書物「万葉集」には梅を詠んだ歌が多く残っています。
工芸品と伝統の文様の美しさ
子供の頃は、この鏡が大人びていて似合わず、ずっと机の奥にしまっていましたが、大人になってから時々出して使っています。
20年も前の鏡なので、少し金箔が剥離している箇所もありますが、色褪せない美しさが金箔の魅力とも言えます。
簪(かんざし)は一点一点手作業で作られているそうです。簪(かんざし)を日常で使うことは滅多にありませんが、和装の時こそ日本の伝統的な文様や花文様の美しさを感じたいと思います。
「松竹梅」の「竹」についてはこちらの2記事でも綴っています。