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赤井はあと「RED HEART」がようやくリリースされたので、ついでにその紆余曲折っぷりを雑に振り返ってみる

ついに、というべきか。
それとも、ようやく、というべきなのかもしれませんが。

ホロライブ1期生、赤井はあとの1stオリジナルソング「RED HEART」が、なんと発表から2年8カ月もの時を経て、ついにリリースされました。

ホロライブのオリジナル楽曲では珍しい歌詞が全部英語の曲で、個人的にも以前から結構好きな方の楽曲だったので、それだけにこの楽曲が、これまで「大人の事情で販売ができなくなった(詳細不明)」という扱いをされていた事は、非常に勿体ないなと感じていたのですが。

その一度ややこしいことになった楽曲が、リマスター化され今回「3週連続リリース」という形で販売されることになったことは、単純に嬉しくもありますし。

また、視聴者側もリリースは半ば諦めていた楽曲の、いわゆる「大人の事情」にキッチリ向き合って、この楽曲「RED HEART」を時間をかけて今回のリリースまで持ってきたのであろう配信者・運営サイドの取り組み姿勢についても、そこになんとなくカバーという推しのいる企業の醸成を感じられるような気がして、個人的にはそこも嬉しく思っています。

是非いろんな人の耳に届いて欲しい曲です。



さて、そんな「RED HEART」ですが。
この曲はリリースまでに長い時間がかかっただけに、これまでのホロライブ史でも特に珍しい、いろんな場面での紆余曲折を経ているので、今回はそれについてもちょっとご紹介してみようかなと思います。

RED HEART」の初お披露目は2020年6月6日の歌枠(現在非公開)にまでさかのぼります。

当時の赤井はあとは、ホロライブ全体の勢いが加速した影響もあって、自身のチャンネル登録者数も急な増加で30万人を超えた頃。
デビュー直後のツンデレキャラクターに変化が生まれ、配信開始前の挨拶が「こんるーじゅ」では無くなって約2か月と、徐々に現在の「はあちゃま」的な破天荒化が進行していた頃で。

配信で言うと、桐生ココと英語対決をして敗北したり、足でホロライブメンバーの絵を描いたり、と方向性を一変させた配信で様々なインパクトを残している時期ではありましたが、同時に、某感染症の影響で留学先のオーストラリアから日本に帰省したくても、仮に帰国すると今度は渡航規制でオーストラリアに戻れなくなるために、一時帰国しての活動などは満足に出来ない時期でした。

そういう視点から見るとこの「RED HEART」はちょうど、ツンデレキャラクターと破天荒なキャラクターの狭間に生まれた、初期設定の残り香的な要素の詰まった曲で、かつ、きっちり日本で収録を行うなどの取り扱いも難しいという、いろいろな意味で複雑な事情を抱えた曲だったのかもしれません。

実際、この時にお披露目された「RED HEART」はそれらの状況による影響もあったのか、約1分半の宣伝バージョンでの公開でした。
(以下はその時の公開動画になります)

そして、この宣伝バージョンの動画概要欄には『完全版は7月に公開予定!!!💓』という記載がありましたが、実際にフルコーラスの「RED HEART」動画が公開されるまでには、現在まで続く某感染症や、その直後に発生した企業全体を巻き込んだ騒動(ホロ中華騒動ゲーム著作権許諾問題等)なども影響があったのか、当初の予定より遥かに長い時間がかかることになります。


さて、そんな「RED HEART」動画ですが、フルコーラス版が完成を見たのは年が明けて2021年1月11日のこと。

MVは公開を急いだ為、なんとナシ。
歌う彼女の一枚絵のみで構成された歌動画になっていました。

フルコーラス歌動画が公開された当時の状況はというと、2020年12月初旬に高校卒業を迎えた赤井はあとが日本に帰国し、チャンネル登録者数も80~90万人を突破しようとしていた頃で。

同年12/29にはホロライブの2回目となる全体ライブ『hololive 2nd fes. Beyond the Stage』が開催。翌2021年の1/3には、4期生が同時期に行っていた周年記念の各3D配信に混ざって、延び延びになっていた自身の3D LIVE配信を行うなど、彼女の活動が非常に活発になっていた時期のことでした。

もっとも「RED HEART」という楽曲自体は、確認できる範囲では帰国前の2020年10月以降に歌枠等で歌われてはいたようです。(ホロライブ歌まとめ-推しのセトリ-調べ)

また、前述の 2nd fes.3D LIVE配信でも「RED HEART」は彼女のソロやLIVEの締めの曲として、既に動画発表前に何度も歌われていました。

このように、彼女の代表曲として一見順調に認知されつつあるように見えたこの楽曲「RED HEART」でしたが、この後日、このフルコーラスの「RED HEART」動画には、とある問題が記載されることになります。


当初、このフルコーラス動画の概要欄には以下の記載がありました。

MV:募集中 MV製作はまだ出来てないんだけどフルバージョンを早くUPしたかったので投稿したよ!

1st Single 【 REDHEART 】概要欄より

ところが、のちに概要欄には以下の記載が追加されることになりました。

【悲報】大人の事情でオリジナル曲の販売ができなくなったよ!ごめんね!とてもかなしい。MVを悩みに悩んだ結果、悩みすぎて頭がはあちゃまっちゃまになったのでMVは募集する!(あとはまかせた!)

1st Single 【 REDHEART 】概要欄より

自身を代表曲するオリジナル楽曲がまさかの販売不可。

Vtuber界隈全体で見ても前代未聞のこの出来事は、いまだにその詳細がハッキリしていませんが、ホロライブの他メンバーが次々とオリジナル楽曲を発表・リリースしていく中での唐突なこの告知は、ファンから見ても明らかに異常事態でした。

しかし、この販売不可告知と同時に行われた「ファンメイドのMV募集」という企画については、他のメンバーには無い独特の盛り上がりもあり、この後に数千から数十万再生されるに至るMVが複数作成されるという、ちょっと珍しいオリジナル楽曲の展開を見せることになります。

そしてその後も「RED HEART」は、ホロライブ1期生5人でのライブ、hololive 1st Generation 3rd Anniversary LIVE from 1st」で歌われたり、「Cinderella switch ~みんなでつくるホロライブ~」ではなんとさくらみこが赤井はあとの前で「RED HEART」をカバーして歌う(どちらも現在視聴期間終了)などといった形で引き続き彼女の代表曲として扱われ続け、そして現在に至ることとなります。

発表から2年8カ月。後にも先にもこれほどいろいろ起こった楽曲は、多数あるホロライブのオリジナルソングでもこの曲だけではないでしょうか。その唯一無二感は、何となく赤井はあと本人にも似ているような、そんな気すら個人的にはしています。

あとは余談ですが、全編英語詞ということで、この楽曲をカバーするホロライブメンバーが他のメンバーの曲と比較すると少な目、というのもこの楽曲の特徴なのかな?とは思います。
なおこれについては、ホロライブENのがうる・ぐら(Gawr Gura)が、自身のチャンネル登録者数200万人記念配信などで歌っていたりする例外もあるので、興味がある方には併せておススメしておきます。


さてそんなわけで今回は、楽曲「RED HEART」のリリースを記念して、その独特な紆余曲折っぷりをまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。

これまでに聞いたことがある方も、そうでない方も、このちょっと不遇で、ちょっと不思議な顛末を辿ったこの曲を、この機会に是非、聞いていただければと思います。


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