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今年のnote書初めもVtuber雑談で ~にじホロ2強の2021年振り返りと2022年はこうなったらいいな的な話を~

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

今回は、私のVtuberまみれnoteを覗きに来られる奇特なフォロワーさんたち向けの、あまり考えて書かれてない内容の雑談になります。多少日頃は触れないようにしている中の人関連の話題にも触れますのでご了承ください。

またあくまでここで書いているのは全て私個人の感想です。なのでちゃんとした為になるタイプのVtuberの話題を見たい方はスルー推奨です。

あとだらだらと暇を見て複数日にわたって書いたせいで文章量が私のnoteでは過去最大ですが、読まれる方はそこもご容赦くださると嬉しいです。

年末年始の私とVtuber配信アーカイブ視聴の話

昨年末から10日ほど、Vtuberの話ばかり書いているこのnoteに触れていませんでした。

その理由は「現実世界のあれやこれやが単純に忙しかった」のもありましたが、一番の理由は「あまりに見ようと思ったVtuberの配信アーカイブが溜まりすぎた」ことにより「note読み書きする暇あるなら1本でも多く配信消化しよう」と思わされたからでした。

思い返せば昨年の年越しは、まだ年の瀬にnote書きながら配信見るぐらいの余裕はあったのですが、今年は配信の総提供量があまりに長時間かつ豊富すぎました。

結果として、私はいろんな配信を交互に覗き見るのに必死で、全くnoteを触る時間が取れませんでしたが、いちVtuber好きとしてはある意味、嬉しい話なのかもしれません。

ちなみに私はクリスマス以降の年末年始でたぶんそろそろ120~130時間ぐらいの配信アーカイブを再生、視聴したのではないかと思うのですが、それでもクリスマスぐらいから今日までのVtuber関連配信アーカイブでいまだ手つかずのものがまだ20~30本溜まっています。

そのくせ、アーカイブが1/6午前中頃まで非公開状態だった、にじさんじの年末配信『NJU歌謡祭2021』後半や、エルセとさめのぽきのライブ企画『深海フェス2021』などは、いろんな配信をザッピングしまくって、ちょっとずつながら見し、あげく「余裕がある時にゆっくり聞いたほうが楽しめそうだから後でアーカイブを確認しよう」などと油断した結果、今日に至るまで大半を未視聴、というなんとも残念な結果になっていたりします。

やはり「推しは推せるときに推せ」ではないですが、「Vtuberの配信は見逃したくない大事なものほどリアルタイム視聴にこだわるべき」というのは、Vtuberファンの心構えとしては大事ですね。

最近はこういうケースで割と失敗してなかったのですが、「Vtuberのオリジナルソングじゃない曲が大量にかかる企画は、何がきっかけでアーカイブが視聴不可能になるかわからない」程度の事を今回忘れていたのは完全に油断でしかありませんでした。

昨年や一昨年も『V紅白』や、『深海フェス』などの音楽企画で、さんざん同様の警戒はしたはずなのですが……。

2021年の最後に一つ学びなおしたような気がします。
来年は覚えていられると良いのですが。


「バーチャルYouTuber四天王」時代デビューのVtuberを振り返って思う事

仰々しくタイトルをつけてまで書くことでもないような気がしますが、せっかくの年始という機会ですし、このnoteでも2021年のVtuber関連の個人的振り返りをちょっとしてみようと思います。

まずは個人的な好みとして、私がVtuberを見る切っ掛けにもなった時期にデビューしたVtuber達の話題から触れてみようと思います。


2021年のVtuber界隈は恐らく誰が見ても「にじさんじ」と「ホロライブ」の2大企業が終始話題をさらった年でした。

そしてその反面、これまでVtuber界隈を牽引してきた企業勢Vtuber中小の事務所所属Vtuber、または個人勢Vtuberへは極端に日が当たらなくなった年でもあったように思います。

その苦境の様子について話題をひとつずつ振り返るのは大変なのでざっくりと書きますが。

その最も代表的な事例はやはり2016~2018年デビューのいわゆる「バーチャルYouTuber四天王」時代に活躍した、主に動画配信メインの3DのVtuber達のチャンネルの大半に数字的な伸びがほとんど見られなくなった事や、

先日のキズナアイの無期限スリープ発表のように、そこかしこで引退・活動休止といったワードが目につくようになった所なんかに如実に表れているように感じます。

例えば、私は過去記事にも書いた通り、キズナアイの「2022年2月26日ライブ後の無期限スリープ」を一時的な休止と見ていて、実質的な引退だとは思っていない派なのですが。

この見方は裏を返せば、「引退ではないにしても無期限の休止を入れてバージョンアップなり、活動体制の変更なりをしなければ、現在チャンネル登録者数が300万人のキズナアイですら現行のVtuber界隈でタレントとして生き残り続けることが難しいと企業が判断した」と見るべきなのかな、とも感じています。

もちろん演者・設備・スポンサー・資金繰り等、私たちの知る由もない部分に何らかのトラブルがあっての休止だった場合は、それはまた全く別の話になってしまうのですが……。

キズナアイという存在にはいつまでも「バーチャルYoutuber」という文化の旗頭として常に技術革新の先頭を行く存在であってほしい、と私は思っているので、休止がはじまる前からこんなこと書くのもなんですが、無期限スリープがなるべく短いものであってほしいなと、本当に心から思っています。


また、2021年の「バーチャルYouTuber四天王」に関しては、Vtuberのメジャーレーベル契約等の先駆けともなった輝夜月の2020年から続く活動休止からの復帰が、10月のファンクラブ休止発表でほぼ絶望的になる、などの話題もあり、その様子には一つの時代の終わりを感じるような思いがしました。

他にもセフィラ・スゥ引退、アメノセイ活動休止、燦鳥ノム定期動画更新停止などなど、今年の企業系Vtuberの相次ぐ活動終了の話題は個人的にもショックがとても大きいものばかりでした。

2021年はそんな出来事の数々からも、企業所属タレントVtuberを運営する難しさを痛感させた年、だったのではないかと思います。


いろんなVtuber事務所の動向が気になる話①

次に2021年のVtuber界隈を振り返るにあたって「にじさんじ」と「ホロライブ」以外のVtuber事務所について、ちょっと書いてみようと思います。

もっとも、この分野については私もつまみ食い程度でそんなに詳しくない上に、このnoteでも日頃ほとんど触れていないところなので、かなり内容を間違いそうな話題ではあるのですが、そこについてはご容赦いただけるとありがたいですし、ご指摘とかもいただけたら嬉しいところです。

さて本題ですが、2021年は前年同様、いろんなVtuber事務所が躍進したり消えたりした年だったような気がします。

中でも個人的に一番予想を超えて大きく伸びたなと感じた事務所は「次世代 Virtual eSports プロジェクト」と銘打った「ぶいすぽっ!」でしょうか。

もはや「社会人の社交ツールとしてのゴルフ」と同程度のレベルで、社交ツールとしてVtuberに頻繁にプレイされた感のあるここ数年のApex LegendsVALORANT等の各コンテンツですが。

その舞台で、Vtuberとしては高い実力と、いくつもの雰囲気の良い箱外コラボを構築して見せた「ぶいすぽっ!」の近年の爆伸びは、既存のストリーマー視聴者層の獲得と同時に、演者同士の関係性を楽しむをVtuber視聴者層なども上手に取り込んでいるようで、その顧客ターゲッティングは実にお見事でした。

急成長する企業ならではの問題も無くはなかったですが、その問題を抜きにしても、花芽姉妹2人から始まった前身組織の「Lupinus Virtual Games」の結成から数えて3年で事務所全体のチャンネル登録者数が220万人以上に成長という「ぶいすぽっ!」には、現在もかなりの勢いがまだ感じられます。

少なくともUser Local社Vtuberランキングでは、「ぶいすぽっ!」よりチャンネル登録者数の多いVtuber事務所は、もう「ホロライブプロダクションにじさんじVshojo774inc.」の4つしかないところまで来ました。

今の勢いがこの先もずっと続くかどうかは判りませんが、このストリーマー特化型のVtuber事務所という特定層を狙い撃ちしたコンセプトには、ゲームの流行さえ合致すればひょっとすると現行Vtuber業界の「にじさんじ」と「ホロライブ」の二強状態をも覆す可能性すらあるかもしれません。

そういう意味では今後始動予定の、渋谷ハル白雪レイドなどのストリーマータイプのVtuberが関わる事務所『merise(ミライズ)』なんかの動向は、2022年は結構気になるところです。

また、ストリーマー特化事務所以外にも、 RIOT MUSICKAMITSUBAKI STUDIOなど、ライブやオリジナルソング・歌ってみた動画を主軸に活動しているグループは、個人的な印象ではありますが全体的にチャンネル登録者数と比較すると動画総再生回数が伸びている感があり、一定数の顧客の獲得に成功しているような印象が私にはあります。

他にも個人勢かしこまりの加入が今年話題になったRe:Actなども、かねてより音楽方面への特化が目立つVtuber事務所なので、上記グループなどと同様の好調な印象を持っていましたが、こちらは2022年1月から事務所のエース、花鋏キョウが活動休止するなどの発表もあり、今後が少々気になっているところです。

いろんなVtuber事務所の動向が気になる話②

さて、そんな状況の中。
逆にここ数年多かった「にじさんじ」と「ホロライブ」以外の「主に流行のゲームを追って幅広く配信を行っていたタイプ」のVtuber事務所はどうかというと。

ザッと見た感じの印象で喋りますが、どんな配信が行われているのかコンセプトのあまりはっきりしていない事務所やプロジェクトは、どうもバズる切っ掛けが見いだせないまま苦戦していた感が2021年は強かったです。

また既存の事務所でも、774inc.LIVEのりプロなどの以前からある「にじさんじ」「ホロライブ」に次ぐ規模のグループですら、チャンネル登録者数という指標で見ると、その数字の伸びは増えてこそいるものの鈍化の傾向が見られ、また各グループの追加人員の伸びもそれほど突出してはいません。

このことから2021年のVtuber新規視聴者層は単純に「Vtuberを見たい!」ではなく、「こういう事やってるVtuberが居たら見たい!」「にじさんじってとこが面白いらしいから見たい!」「ホロライブが……以下略」みたいな形で流入してくるケースが特に多かったのかも、と感じます。

その苦戦の代表的な例として適切かどうかはわかりませんが、その鈍化の結果として現れた出来事で私が最も衝撃を受けたのは、過去に記事でも紹介しましたルカポルカの所属していたVGenerationの2021年末の解散でした。

VGenerationについては正直に言ってしまえば、前身の事務所VGamingの畳み方のイメージの悪さを引きずったスタートから、2020年末のルカポルカ一人のバズりで雰囲気を良化し、よくもここまで伸びたなと個人的には思っていて、日頃紹介はしないまでも私は割と配信視聴はしていたのですが。

そのVGenerationがその後も堅実に少しずつ数字を伸ばしていた状況から一転して、2021年末に解散という流れに至った事は正直な所、予想外でした。

公式発表を見るに、今年夏にルカポルカが声帯ポリープ治療で休止したあたりでグループとしても限界を迎えたのかと思うと、何ともやるせない気持ちになります。

少なくともこのVGenerationの事例を見るに、今のVtuber業界の運営企業側は、所属Vtuber単体が一度バズったところでどうにかなるような状況ではないし、他に手の打ちようもないのかもしれません。

やはりグループ全体で、何かしら世界観なりコンセプトなりを大きく打ち出してヒットさせる必要が今のVtuber界隈では、特に新規参入グループや少人数グループほど必要になってくるのかなと感じます。

ずいぶんと難しい話ではありますが。


そういう意味では、直近で言えばソニー・ミュージックレーベルズが手掛ける VTuber プロジェクトとして、大々的に宣伝が行われたVtuberグループ『VERSEⁿ(ヴァース)』なんかも、その宣伝量や独特な世界感の設定等もあり、いったいどんな事をやってくるのかと期待していました。

しかし、11月に始まって今のところ6チャンネル合計で登録者数は3万と、その宣伝量の割にはあまり話題になっていない印象です。

宣伝時にはキャラデザインやスタッフなどに豪華制作陣を揃えた話題が先行していましたが、生配信勢と歌勢が混在した初期デビュー5名は更新頻度もまばらで、そもそもあまりグループとして統一感が無いような気がします。

個々の配信はそんなに悪くないですし、個人的にも、CMが打たれていたアルバ・セラのオリジナル曲「Bloom」とかは割と曲や歌声が好きなんで、今後の展開での巻き返しにはちょっと期待をしていますが、さてどうなるでしょうか。

ただ、ここまでグループとしてのコンセプトについて色々と言っておいて何なのですが、コンセプトがハッキリしていればなんでもいいかと言われればそれもちょっと違うのかなとも思っています。

特に先日デビューがいくつかのWebメディアで報じられた、某ゴシップ系女性Vtuberグループについては、あまりに挑発的なコンセプトと、その設立に関わる噂などから、さすがにそれはいかがなものかと眉を顰めたりもしました。

(なお、このグループについては、話題になれば何でもいいという姿勢に問題があると感じましたので、名前も紹介しませんしリンクも貼らないことにしました。)

以前からとかくゴシップ系の話題が掲示板等で注目を集めやすいVtuber業界ですが、このグループのように2022年もそのあたりの注目のされように目をつける層が湧いて出てくる、といった未来を想像するとちょっとげんなりします。

そういった意味では年末に話題になったばかりの朝日新聞デジタルの記事「Vチューバーが提訴」などの流れや結果にも、今年は注目を寄せたいなと思っています。

今後のVtuber業界の判例ともなるような良い結果が出るといいのですが。

VtuberのMCNの行く末が気になる話

あとは、2021年8月にミライアカリ天開司からVshojoまでもが加入し、メンバー総数100名超え、総チャンネル登録者数800万人を突破した日テレ系のMCN(マルチチャンネルネットワーク)『V-Clan』の動向が、私は去年に引き続き今年も気になっています。

2020年から行われているバラエティ企画込みの音楽ライブ「VILLS」に加え、2021年夏からは地上波レギュラー番組「プロジェクトV」を放映するなど、いかにもテレビ局をバックボーンとしたMCNらしい展開を見せていますので、2022年の展開にも期待をしたいところです。

UUUM等、YouTuberでは成功例の多いMCNの「契約した所属タレントにノウハウの提供や、案件の斡旋、グッズ販売手配の中間手数料で収益を得る」モデル。

いまだVtuber業界では、過去にもupd8ENTUMという解散事例しかなく、2021年も「ミナボックス」が3月に活動発表し、6月に解散という結果を迎えるなど、今一つ定着しきれないモデルなのですが。

このMCNというモデルについては、ノウハウのない新規デビューのVtuber個人勢等の受け皿として、どうにかVtuber界隈にも定着して欲しいものだなぁと個人的には思っていたりします。

しかし、正直な所現在の「にじさんじ」「ホロライブ」2強状態のVtuber界隈で、MCNが2強に対抗して案件を獲得できるほどの影響力を持って定着するようになるのは、現状では非常に難しいと言わざるを得ない状況です。

実際、先ほど触れた『V-Clan』の主催するイベント「VILLS」の2021年の出演者のおよそ半数は、.LIVE774inc.、のりプロホロライブにじさんじ所属と、いずれも『V-Clan』には加入していないVtuber達でした。

この状況下で、いかに大手TV局の後押しがあるとはいえ『V-Clan』がどこまでその存在感を伸ばせるのか?については、2022年の大きな課題のような気がします。

個人的には今年個人勢Vtuber歌衣メイカが開催しなかったことでついに行われなかった「V紅白」や、2022年4月の解散が決まったホロライブプロダクションの音楽レーベルイノナカミュージックAZKiがやっていたことで来年の開催があるかどうかわからない「音楽を止めるな」のような所属を超えた多人数参加大型音楽企画『V-Clan』などのMCN運営が手を挙げてやったりすれば、個人勢にも光が当たる機会が増えてちょっと面白いのではないかな、とは思うのですが、さてどうでしょうか?

2021年のにじさんじについての感想①~豊富なイベントが支えたお祭り騒ぎの箱と客層の変化~

で、ここからは2021年の2強「にじさんじ」と「ホロライブ」について触れていこうかなと思うのですが。

私にとって2021年のにじさんじは「公式企画やイベントばかりをやたら見た事務所」になったような印象があります。

新春麻雀杯花鳥風月戦パワプロ甲子園ポケモンユナイトスプラマリカなど練習配信も多かった大々的な大会から、ARKガスバグレースボンバーマンポカチェウイイレ海賊王ゴッフィーローションパチンコなわとびNIJINYANJI歌謡祭などの事務所内で行われた数々の名企画はもちろん。

公式番組としても「レバガチャダイパン」「にじヌーン」「B級バラエティ」「にじクイ」「ろふまお塾」などを実施。

さらに、対外的に最協決定戦CRカップ参加、マイクラ肝試しVTuber最強運動会など各種豊富なイベントに参加する一方で、自社でも「にじさんじ Anniversary Festival 2021」「LIGHT UP TONES」「NIJIROCK NEXT BEAT」「initial step in NIJISANJI」を始めとする多数のライブ・イベントを展開。

とにかくイベント・企画の視聴には事欠かない1年でした。
質量ともにクオリティも高く、1年を通して非常に見ごたえがあるグループだったと思います。

しかしながらその一方で「ライバー一人一人に注目する機会」というのは明らかに少なくなったなと感じたのもまた、私にとっての2021年のにじさんじでした。

あくまで私の、なので、他の人には他の感想があると思うのですが。


私の2020年の視聴状況との対比で言えば、ライバー個人の配信を視聴する回数は明らかに減りました。その反面、何らかの大会の練習コラボ配信の視聴割合なんかはだいぶ増えたように感じます。

その他、単発コラボや、少人数コラボ、マイクラのような突発コラボを見る機会も減ったかもしれません。

今覚えている大会以外のコラボと言えば、いろんなグウェル企画や、でびでび・でびるのたまにある謎コラボ不破湊のラジオ体操イブラヒム&勇気ちひろのマイクラお城建築、あとは各3Dユニットライブやコラボ3Dお披露目ぐらいでしょうか。

もちろんそれはそれで楽しいですし、量も非常に多いし、何ら問題ない話ではあるのですが。

ただ、かつてのように、とりあえず暇な時間に誰かのマイクラやARKの配信をテキトーにリアルタイムで再生しておいて、不意に突発コラボが起こったらニヤッとするみたいな楽しみ方を、2021年は全くと言って良いぐらいしなくなったような気がします。

逆に「面白そうな切り抜きを見たからそこからそのアーカイブを再生する」みたいな視聴スタイルは、とても増えたかもしれません。

恐らくそうなった原因は、「各ライバーの配信総提供量がかつてとはケタ違いなこと」と、私が「単推し、のように特定のライバーの配信を全部追いかけるような楽しみ方をしていないこと」などから来るのだろうと思います。

そう言ったところから考えると、2021年のにじさんじは、私のように「誰か面白いことやってないかな」とフラフラして見に来る、TV風に言うと「この放送局の番組割と好きだな」的な視聴者層よりも、「このライバーが推しだから、推しの配信を全部追う」みたいな使命感のあるタイプの、特定タレントファン的視聴者層向きのグループになっているのかもしれないなと、このnoteを書いていてなんとなく思いました。

かつて箱推しの代名詞であった事務所の一つ「にじさんじ」が、もはや箱推しが存在できないレベルで大きくなっていることは、単純に嬉しいことではありますが、同時にもう過去と同じ楽しみ方は難しいということでもあるので、少し寂しいことのような気もしなくもないです。


ただし、その箱推しが難しくなった環境下で2021年のにじさんじは特に無策だった訳ではなく、グッズ販売やイベント等で箱推しに変わる概念としてのコラボユニット推し同期ユニット推し音楽ユニット推し等を強烈に推し進めています。

それが特に目立つのは、NIJISANJI_ENの各ユニットや、JPの新ユニット「エデン組」など新人のデビュー形式で、ここについては2020年以前とは比較にならないほどのかなり手厚いプレスリリースや宣伝、ユニットごとの紹介企画番組、グッズ企画と販売を行うなどしていて、そういった部分に特に業界最大手ならではの巧みさを感じました。

実際、「エデン組」のデビューとその後に展開については、対費用効果はどうなのかわかりませんが、チャンネル登録者数だけの判断で言えば5人の合計で110万人超えとなっており、かなり成功の部類だと思います。

また直近でも「ROF-MAO」など新たなユニットでチャンネル設立と楽曲販売をにじさんじは行ったりしていますので、2022年もこのユニット推しのプッシュはいろんな形であるのかもしれないな、と感じるところです。

あとは2021年に限った話でもないですが、にじさんじ関連のライブは例えばホロライブのライブなどより、1回あたりの出演者数が多い編成のものが多くて、私みたいなフラフラしてる人間には「見ない」と決めにくいライブが多く、結果としてライブばかり見たせいで出費が2021年はすごかったなとかも、単純に思わないでもないです。

2021年のにじさんじについての感想②~男性Vtuberの躍進について~

また、2021年のにじさんじは良くも悪くも男性Vtuber、特にApex Legendsの大会参加関連と、それに付随してストリーマー的な配信をした男性Vtuber達に注目が集まった年でした。

その最たる例が葛葉ChroNoiRの2人組で、彼らのチャンネル登録者数は2022年1月頭の時点で葛葉115万人叶91万人にじさんじ1位と2位を独占しているだけでなく、2人のユニット「ChroNoiR」のチャンネルも、にじさんじライバーでは上位30%の位置にあたる39.9万人に達しています。

彼らがにじさんじや外部の大会に登場するだけで、その大会の配信のチャット欄が主に女性ファンと思われる黄色い声援で埋め尽くされ、そのあまりの勢いに同時に出演している女性ライバーを応援するおそらく男性ファンの存在がかき消される様子は、2020年頃から見られるようになった光景ではありましたが。

それでも、例えば2020年の11月末時点で葛葉のチャンネル登録者数は50万人突破を祝っていた状況などから考えると、やはり2021年の葛葉の、そして一部のにじさんじ男性ライバー達のチャンネル登録者数の伸び、というものには目を見張る勢いがあったと言えるでしょう。

もちろんそれは、2020年2月のZepp福岡での男性ライバーのみでのライブ開催、同年4月の男性のみのユニット「VΔLZ」デビューあたりから始まり、

直近では非ストリーマー的な男性ライバーをセットで売り出したROF-MAOや、NIJISANJI ENから男性VTuberグループ『Luxiem』デビュー、

さらには2022年1月末に男女を分けて開催されるライブイベントの『にじさんじ 4th Anniversary LIVE「FANTASIA」』などに至るまでの、ANYCOLOR株式会社の徹底したプロモーションの結実した成果であったと言えます。

2022年も「男性Vtuberと言えばにじさんじ」という、一強の状態はよほどのことがない限り覆りそうにないなと思います。

但し、女性顧客層の獲得という一点に関してだけ言えば、たとえば近年「天月」などに代表される歌い手層や、アニメ声優、ニコ生出身者などで既に実績を持つ著名人が、従来から使っている名前はそのままでLive2Dや3Dアバターを使用してVtuber同様にゲーム配信を行うケースが見られたり、

他にも、チャンネル登録者数164万人の「すとぷり」のように「顔出しを行わない半実写」と「完全にアニメーションの動画」を両方出すなどの活動で人気を獲得している、完全に男性Vtuberと言って良いかどうかはわからないが非常に類似した存在が、既に一定数いるだけでなく、今後も増加傾向が見込まれる状況ではあるので、

その中でにじさんじ男性ライバー勢がどこまで戦っていけるのか、という点は2022年に限らず、今後の大きな課題になり続けるのかもしれません。

にじホロ話番外編~VtuberとYouTuberの違いを見たいという話~

他に2021年ににじさんじ関連で個人的に特に気になったのは、御伽原江良・鈴原るるの卒業とその後、でしょうか。

この件については、ホロライブ桐生ココの卒業もそうなのですが、その全員がとても人気が高く、固定ファンも多く、独自路線色の強いVtuberであったこともそうですし、彼女たちの卒業から一定期間後に、とても似た声で似た活動を開始したYouTuber、Vtuberの方がデビューしたことも、あえてお名前は出しませんが多くの方が知るところではないかな?と思います。


私はVtuberと、YouTuberの違いについて、以前からとても気になることが一つありまして。

その気になったきっかけは、私のnoteでも4月ごろに一度ご紹介させていただいた、2021年3月号の日経エンタテインメント!掲載の、犬山たまきというVtuberの生みの親、佃煮のりお先生のインタビュー記事がきっかけだったのですが、そこにはこんな一文がありました。

「たまきには基本、毎日生放送をさせていますが、生放送の文化はニコニコ動画の時代からありました。しかし、なぜ当時、オタク層の視聴者に刺さらなかったか。そこには『実写が怖い』という背景があったのではないかなと私は思っています。現在もやっている内容は当時と同じですが、2次元のキャラがしゃべることで、その恐怖感が不思議と軽減される。今のVTuberの生放送を見て、多くの人が『こんなに面白いんだ』とリアクションをくれるけど、生放送ってニコ生の時からもともと面白いんですよ。つまり、リアルな3次元になじめなかった人の気づきがあったのではないかなと思います

上記のようにこの記事で佃煮のりお先生は「同じことをやっていてもVtuberの方が実写よりもオタクには怖がられにくい」というような分析をされていて、私はそれをとても面白い気付きだなと感じたのです。

では翻って、前述のVtuber3名によく似た声の方々の配信はどうかというと、ケースとしては佃煮のりお先生の気づきとは完全に逆のパターンになるのですが、お一人は完全に実写YouTuber、お一人は実写とイラストで半々のYouTuber、そしてお一人は以前はともかく今はほぼ完全にVtuber個人勢となっているように見えます。

なのでこれについては、一度人気が出たVtuberと同じことを、似た声の人が続けてやっていくにはどういったスタイルが適しているのか?というテストケースとして、非常に今後の経過を見つめていきたい事例だな、と考えて見ています。

佃煮のりお先生風の表現で言うなら、果たして一度推してくれたオタク達に最も怖がられずに継続して応援してもらう方法は、いったいどれになるのでしょうか。


ここ最近の企業所属Vtuberという業態の問題点の一つは、イラストやアバターという運営側が手掛ける外見要素は、あくまで視聴のきっかけやとっかかりであって、結局のところ人気の出る要素は、初期の台本があった動画勢Vtuberを除けば、中の人の才能やセンスに依存する割合が非常に大きい、という状態であるにもかかわらず、収益構造はグッズ物販やボイス、スーパーチャットの折版といった形の、運営側への依存度が高いところにあると私は思っていて。

その結果おそらく将来的に、企業Vtuberという存在の一部で、ある程度人気が出た時点で自分を推してくれるファンを引き連れて独立し、自分で事務所やグッズ製作等をして、自分で利益を独占するような、芸能人同様の流れが増えるのではないかとも思っているのですが。

今回の3人のケースはその時のプロトタイプとして見るべきVtuberの将来の生き残り方の姿なのかもしれないなぁ、などと考えたりしています。

そしてそれが、たとえばどこかの大きい事務所が不祥事か何かで運営がガタついたりしたときに、そこに所属している自分の応援しているVtuberが、形をかえて独立してでも配信者として生き残ってくれる方法、みたいな形で結実してくれればいいなあ、とも思います。


あとは余談になりますが。
にじさんじ鈴原るるのチャンネルにあったアーカイブについて。

引退時に「半年は残る」という話は確かに聞いていた話でしたが、実際に半年が経過した2022年の1月1日深夜0時からジワジワとアーカイブが消されていき、最終的に現在は最後の配信アーカイブを残すのみ、となってしまいました。

アーカイブが少しずつ消える様が某掲示板で実況されている様子には、年始から若干の寂しさを感じました。

2021年のホロプロについての感想①~消えた男女コラボと舞スバとホロスターズ~

だいぶ横道にそれましたが、続いてホロライブ、というかホロライブプロダクション関連の話を。

2021年のホロライブプロダクションは、タレントのアイドル化、という点においてホロライブホロスターズで一見真逆ともいえるようなブランディング活動を行って、それぞれに一定の成功を収めたように感じています。

まずホロライブに関しては、Vtuber界隈全体を通して男性Vtuberに光が当たり始めた2021年の中、あえて徹底してその男性Vtuberとのコラボを排した鎖国的なブランディングを行うことで、その男性Vtuberの輝きとそれに付随する女性ファンの増加に伴う女性Vtuberの注目度合いの減少、という世論の変化に埋没することを防ぎ、結果として所属女性タレントのアイドル性の維持に成功した印象があります。

もっともそのブランディングは、ホロスターズがデビューした2019年頃から継続して行われているもので、今に始まった話では全くないのですが。

それにしても2021年のホロライブがここまで極端に男性Vtuberとの関わりを絶ってくるとは、当初は思っていませんでした。

なんなら2020年の年末ぐらいには、ホロスターズ夕刻ロベルの2020年12月のクリスマス凸待ち企画にときのそらが登場した流れなどから、2021年は男女間のコラボに融和が進むのか?ぐらいの事を考えていた気がします。

それがふたを開けてみれば、2021年のホロライブはこれまでにない徹底した男女間コラボの排除を行う結果になった事は、皆さんもご承知の通りかと思います。

その代表的な例が、デビューから続いていた大空スバルと、にじさんじ舞元啓介のコラボ「舞スバ」が、2021年には皆無だったことなんかにも見られるような気がします。

私はこの「舞スバ」や、そこにイラストレーター兼個人勢しぐれういを含めた「大空家」というコラボについては、こんな記事を過去にも単体で書くぐらい、それこそ2人のデビュー時期ぐらいから見ていたぐらいに好きなコンテンツでしたし、また彼ら自身にも欠かせない人気コンテンツだと思っていました。

また、過去には当時の「にじさんじ」運営の旧いちから株式会社と、「ホロライブ」運営のカバー株式会社が共同でグッズを製作販売した実績などもあった事から、他のコラボが無くなっても流石に「舞スバ」までは、数が大きく減ったとしても全く無くすことはないだろう、と2020年末ぐらいの時期には思っていたように思います。

しかし、現実として2020年11月以降「舞スバ」や「大空家」という名を冠した企画は無くなり。

舞元啓介は、自箱の様々なユニットを盛り上げる傍らで、対外的にはかつての大空スバルの立ち位置に神楽めあ北小路ヒスイや、たまに西園チグサを据えて、犬山たまき因幡はねるのところでしぐれういとたまに絡む、女性Vtuber側の個性を消さないことの巧みさで、女性Vtuber中心のコラボに引っ張りだこのおじさんになり。

一方の大空スバルも、かつての無鉄砲な子供のような立ち位置から一変して、他事務所では男性Vtuberがやりそうなポジションの、同僚女性アイドルのフワフワしたボケを一刀両断する、圧が強めのツッコミアイドルとして生まれ変わる結果になりました。

そこについては若干の寂しさを覚えますが、お互いがお互いの新たな立ち位置を構築している現状もそれはそれで悪くないと思います。

そしてなにより私のような古参が望むほど、多分2020年以降爆発的に増えたホロライブの主要ファン層には「舞スバ」のような男女間コンテンツはそれほど望まれていないとは、間違いなく私も感じます。

その理由はザッと上げるだけでも、「スパチャ読みなどによって得た特定層の顧客満足度の高さが男女間コラボでは得られない」ことや、「ボケとツッコミといったメンバー間の記号的キャラクター付けの明確化が箱内で完結していて外部要因をあまり必要としない」こと、「既に頻繁なコラボとバリエーションの豊富な配信内容が箱内に存在する」こと、「日常系アニメを見るような微妙に非現実感のあるロールプレイと生々しいエピソードの意図的な排除などから生まれる独特の空気感等々を壊したくない視聴者層が増えた」こと、など色々考えられる上に、その気になればどんなへ理屈でも理由にできそうな気もするので、あまり深くは掘り下げないでおきますが。

今年の「大空スバル3周年ライブ」で、YAGOOことカバーの谷郷社長が2021年末の特番でイチオシの配信に選ぶ程のアイドル性を見せつけた大空スバルの姿を見て、かつての盟友舞元啓介はどんな感想を持ったのか。

おそらくもうそれを彼が口にする機会は、きっと決して訪れないとは思いますが、どこかで聞いてみたい話だと個人的にはとても思います。

話を男女間コラボに戻します。

ホロライブが徹底して男性Vtuberを排除するその一方で、この男女間コラボというよりは対外コラボ全般にホロスターズは一見非常に熱心に見えます。

最も対外コラボで代表的に登場するのは前述をちょっとした夕刻ロベルですが、彼の2021年の立ち回りは、それこそ舞元啓介同様の女性Vtuber側の個性を消さないことの巧みさが光る稀有な男性Vtuberとして、主にあにまーれやのりプロ系の女性Vtuberのコラボ相手に頻繁に登場するようになりました。

また、同様の立ち回りで言えば先日にじさんじアンジュ・カトリーナとのコラボが一部で話題になったアルランディスなどもいますし、ストリーマー路線のVtuber達との交流にはアステル・レダの姿を今年は頻繁に見たような気がします。

しかし、それ以外のメンバーに関して言えば、一部がホロライブIDENのメンバーや、白上フブキ夏色まつりといったホロライブでも比較的昔から外交要員である鎖国の例外的メンバーと数回コラボを行っている様子が見られるだけで、実はそれほど全体で見れば対外的に社交的というわけでもありません。

そういう所から2022年のホロスターズを考えると、これからカバー株式会社が自社男性Vtuberにどんなプロモーションを行っていくのかは非常に見ものだな、と思ったりもします。

前述のにじさんじの男性Vtuberの話題でも触れましたが、「アイドル売りする男性Vtuberがライバルとするべき相手は、他事務所の男性Vtuberばかりではなく、もっといろんなジャンルの著名人と最終的には女性顧客層を取り合わないといけない」状況下である以上、これからのプロモーション戦略もなかなかのイバラの道になることが予想されます。

何とか頑張って欲しいところです。

まあ、少なくとも先日のホロスターズ初のライブ「JOURNEY to FIND STARS!!」で発表があったように、2022年には4期生のデビューが行われるなど、カバー社ホロスターズへさらなる注力を行わうことだけは確定していると思われますので、その動向がどうなるか、そしてどんな結果を生むのか、については今後も注目していきたいなと思います。

可能であれば、2021年は全員3Dになったので、2022年はそれを生かして全員がホロライブ同様に3Dで周年ライブとかをしてくれると、見ごたえがありそうで嬉しいのですが、どうなるでしょうか。

2021年のホロプロについての感想②~桐生ココ卒業とカバーの情報飽和戦術~

それとやはり、2021年のホロライブを語る上で「桐生ココの卒業」はどうしても外せない出来事かなと思います。

48万人超同時接続者数の中、総額で3千万円以上のスーパーチャットが飛び交った卒業ライブは、やはりいろんな意味で桁違いの出来事でした。

桐生ココの卒業はホロライブ、そしてカバー株式会社にとってこれまでのマイナスの出来事の中でも最大級の、まさに正念場でした。

卒業にまで至った理由や判断は色々あったのでしょうが、そこについてはもはやどう触れても誰も納得を得られないと思うので置いておくとしても、「彼女の卒業後のホロライブはいったいどうなってしまうんだろう」という思いは恐らく大半のファンに共通する不安だったことでしょう。

その大きな山場にカバー株式会社がとった対応が「約1か月前に卒業告知と当日にプレスリリースを出し、SNS等で積極的に会社をあげて宣伝を行い、卒業イベントすらもお祭り騒ぎにしてしまう」だったのは、今にして思えば物凄い戦術だったなと、2021年を振り返った際に改めて感心させられたものがありました。

上記の件に限らず、2021年のホロライブはおそらく意図的なのではないかと思うぐらいの膨大な量のプレスリリースを行いました。

その「最大でも8日以内に1件、最小だと1日に3件以上、必ず新しい自社発信のプレスリリースを発表して、常に新しいお祭り騒ぎが起こっていることを演出する戦術」は文字通り『とまらないホロライブ』の名にふさわしい印象を視聴者層にアピールするモノだったように感じています。

(ちなみに2020年のプレスリリース間隔は最大17日空いています)

その為に、2020年では複数人をひとまとめにして発表していた「新衣装お披露目」「100万人到達記念」などの、告知することが企業としての売り上げに直結しにくいタイプのプレスリリースを、2021年はメンバー一人一人にわざわざ分割して発表したり、ライブや新メンバーデビュー、アバター変更等の大きいイベントの後には必ず別の大きい話題の発表を持ってきたりと、2021年のカバー社の広報には、非常に緻密な工夫がなされているように見えます。

直近だと3期生ライブの翌日に唐突に6期生のデビュー発表告知と初配信がいきなり始まったのなんかがその例で、他グループであれば3期生ライブの最後に6期生のデビュー告知を合わせて行い、一気にその後のSNS等での情報拡散を狙いそうなところを、カバー社はあえてその告知を別日にすることで、意図的に3期生ライブの話題6期生デビューの話題がSNSや各掲示板などで連動して語られにくい形になるよう工夫して、新しい出来事が次々に起こっている風に見えやすいような配慮をしている点に、その広告戦略の一端が見えるような気がします。

また大量に発表されるプレスリリースの内容についても、他社の物と比較すると、実は意外なことに物販広告の比率が低く、その分の物販宣伝を各イベントや記念配信内で行うというちょっと独特なスタイルを徹底しているのも、カバー社の最近の宣伝戦術の大きな特徴のような気がします。

そしてここまで書いといてなんですが、公式Twitterはこれらプレスリリースの数倍の件数について案件や番宣他、各種宣伝投稿を行っているのも、また驚異的です。

また、この大量の新しい出来事が次々と視聴者に押し寄せる情報戦術の前では、各イベントごとの不満を語る声は、次の新イベントへ期待を寄せる声に次々と上書きされて消されてしまう、という効果を生んでいる点も、個人的には秀逸な戦術だなと思わざるを得ないところです。

2021年のホロプロについての感想③~6期生襲来と気になったので切り抜き文化を調べてみる~

あと、2021年のホロライブで語っておくべきは何かなと考えて、頭をよぎったのは11月末デビューの6期生「holoX」の存在でしたので、そのことについてもちょっと殴り書きしてみたいと思います。

ものすごいスタートダッシュを決めた驚異の新人「holoX」
一言で言っても「すさまじい」としか形容しようのない、この勢いは流石に何なんでしょうか。

数字的な話をすると、デビューから1カ月時点で5人合わせてチャンネル登録者数が250万人弱と、現時点でEN、ID含む過去のどのホロ新人グループよりも好調な出だしを見せていますし。

細かく見ていくと、最も登録者数の低い面々ですら、前回のホロライブEN2期「Council(議会)」のデビュー期のトップ層より高いチャンネル登録者数の伸びを見せている上に。

登録者数トップの沙花叉クロエに至っては、初配信から39日目で既に登録者数が70万人を突破しており、その様子は同じく初配信から39日目で100万人を突破したホロライブEN1期「myth(神話)」Gawr Gura(がうる・ぐら)の2020年時点の異次元の勢いにだけは及ばないものの、かなり異常なペースです。

ここまで読むと、もうあまりに数字が大きくてピンとこないよ、って方も多いと思うのですが。

私からすれば、3期生「ホロライブファンタジー」が2019年にデビューした頃なんかに、全員がデビューから1カ月経過した時点で5人合わせたチャンネル登録者数がたしか15万人をちょっと超えるかどうかぐらいの時に「ホロライブ新人すげえ伸びたなぁ……」とか言ってた覚えすらあるので、もう「holoX」に関してはただただ開いた口がふさがらないし、他のVtuber事務所と見比べてよい対象なのかどうかもよくわからない、という印象です。

さて、そんな「holoX」ですが、実は私、ほとんどのメンバーのチャンネル登録をまだしていません。

しかし、彼女たちの動向を追うことに関してはもはやチャンネル登録を必要としないレベルで、彼女たちの活動を切り抜いた動画がすごい量でYouTubeのホーム画面に入れ代わり立ち代わり現れるので、彼女たちの各配信で何があったかは大体把握できています。

これってよく考えると、けっこう凄いことです。

もはやVtuberになくてはならない切り抜き文化ですが、そもそもホロライブに関して言えば、他のいくつかの事務所で行われている「公式での切り抜き」や「Vtuber個人が発信する自身のアーカイブの切り抜き」があまり存在しません。特にホロの公式切り抜き「ホロろぐ」に至っては2020年7月以降の「No.007」を最後に全く更新されなくなっています。

しかし、それでもホロライブの切り抜き動画量は他を大きく圧倒しているように見えます。

そこで試しに本日(1/8)時点で「#ホロライブ切り抜き」のハッシュタグでYouTubeで検索をかけてみたところ、なんと「5.7万 本の動画 • 1911 件のチャンネル」という驚きの数字が出てきました。

この動画数はホロライブJPの全メンバーのこれまでの投稿アーカイブ数の(現在非公開分含む)およそ2倍に相当する量です。
(2022/01/08 HoloToolsにて集計)

つまり物凄く雑に言えば、ホロライブメンバーが1回配信する毎に「#ホロライブ切り抜き」とハッシュタグが付いた切り抜き動画は2本投稿されている計算になります。あくまでこのタグが付いた動画だけで、です。

他にも、「#ホロライブ」というタグだけが付いた切り抜き、メンバー個人の名前のタグが付いた切り抜きなど、タグのパターンを考えればまだまだ無数のパターンが考えられるだけに、果たしてホロライブの動画切り抜きの総数は何本あるのかという疑問の答えは容易に出ませんが。

もしかすると、私がこの記事を書いているこの瞬間も、そしてあなたがこの記事を読んでいるこの瞬間にも、新しいホロの切り抜き動画がYouTubeには生まれている、ぐらいの大風呂敷を広げても、あながち間違いではない状況なのかもしれません。

終わりに~2022年はこうだったらいいな話~

さて、なんだか文章量がえらいことになってきたので、この日頃は書く機会が無かったあんな雑感やこんな無駄集計を詰め込んだこのnoteも、そろそろ締めに向かいたいところです。

なのでここではその最後として、年末年始に書かれたいろんな記事を見ながら、「2021年はこうだったから、2022年はこうだったらいいな」みたいなことを書いて終わろうと思います。

上記のKAI-YOU.netの記事では「Playboard」で集計されていた2021年度のVtuberに投げられたスーパーチャット額が、2020年よりも金額が底上げされていることに触れています。

上位は昨年同様ほとんどホロライブですが、その中ににじさんじの男性ライバーが何人も食い込んでいることにも注目出来る記事です。

ここについては2022年もこの調子で、Vtuberシーンが盛り上がってくれるといいなと思います。金額ばかりが注目されることはあまり良いことではないのかもしれませんが、新規参入なんかを考えると夢がないよりはある業界であって欲しいです。

ただ、この件について強いて言うならば、上記の記事でも語られているように、「投げ銭文化と未成年」「投げ銭の機能を利用した悪意ある書き込み」「配信者が過激な行動によって投げ銭を募ったりする行為」などの数々の問題には、いずれ何らかの大きな問題が発生する前に、規制なり対応なりが取られる未来がくればいいなと考えたりはします。

Vtuberと投げ銭問題は恐らく今後も切り離せない話題になるでしょう。

上記の2記事はそれぞれ2021年の「視聴者投票でVtuberオリジナル楽曲の大賞を決めた企画」「VtuberのYouTube投稿動画再生数ランキング」をまとめたWeb記事になっています。

こちらも上位はほとんどにじさんじホロライブですが、「Vtuber楽曲大賞」のランキング上位者については、その投票時期に「今こんな投票があってるんだって」とtwitterで触れたにじさんじライバーの関連楽曲に票がやたらと集まっていたりするのはまだしも、中には(現在は確認できないのですが)twitterにツールのようなものをUPしてここを押すと「この人への投票が自動でできるよ」的な投票促進活動をした人がいたとか居ないとか、という話もあって、必ずしも現状の人気とイコールの結果かどうかは自信が持てない部分があります。

なので例年のように特に個人勢の楽曲に光が当たる機会として見た場合の、「Vtuber楽曲大賞2021」は必ずしも万人が喜ぶ結果ではなかったかもしれません。

ただ、ファンの熱意と応援が集まった投票結果であったこと、投票された楽曲は総じて高いクオリティであったこと、は疑う余地が無いことなので、こういうファンメイドのローカルな企画に関しては2022年も何らかの形で是非やって欲しいなと思います。

逆に「ユーザーローカル提供のVtuber再生ランキングトップ100」は、もうどこを疑う余地もないYouTube自身の数字(もっとも最近ちょっといろんな数字に疑惑の話もありますが)ですから、これはこれで分かり切った結果に……、等と思って覗いてみると、色々予想外な動画が入っていて面白い結果でした。

こちらもホロライブにじさんじが多いのはそうなのですが、2021年の始めからの集計であることから、見ていて「あれって2021年だったか!」となることもそこそこあり、結構色々と意外なものがランクインしています。

ちなみにこちらの集計結果から抽出して2021年のオリジナル楽曲再生回数ランキングをつけると、以下のようになります。

1位:ホロライブ言えるかな? Beyond the Stage ver.【STAGE1+2 edit】
2位: Red /Calliope Mori 
3位:REDHEART/赤井はあと
4位:もぐもぐYUMMY!/猫又おかゆ
5位:Unison/宝鐘マリン
6位:海に化ける/花譜
7位:Palette/常闇トワ
8位:キセキ結び /ホロライブ4期生
9位:ぺこらんだむぶれいん!/兎田ぺこら
10位:VIOLET/ Ninomae Ina'nis

なんと、というかある意味、総提供量から見れば妥当ではあるのかもですが、6位以外が全部ホロライブです。

また、同様に2021年歌ってみた動画再生数上位を抽出してランキングをつけるとこうなります。

1位:グッバイ宣言 / 百鬼あやめ
2位:KING / Gawr Gura x Calliope Mori
3位:GETCHA! / calliope × suisei(星街すいせい)
4位:フォニイ- ツミキ / 町田ちま
5位:怪物 / 不破湊×三枝明那
6位:グッバイ宣言/湊あくあ
7位:エンヴィーベイビー /尾丸ポルカ
8位:ヴァンパイア / アンジュ・カトリーナ
9位:ヴァンパイア/葛葉
10位:空色デイズ / 夏色まつり&Gawr Gura

こちらは割と意外な曲が意外な順位に収まっている印象ではないでしょうか?パッと見た感じコラボでリリースした歌ってみたの強さが光ります。

個人的には4位ににじさんじのトップで町田ちまが入っているのが何だか妙に腑に落ちる感じでした。

あと、百鬼あやめのなんだかとんでもない謎の強さが目立ちますね。
ちょっと調べてみた感じだと「グッバイ宣言」の本家とセルフカバー版を除いた歌ってみた動画の中では、多くの歌い手さんのCOVERを抑えて、なんと再生回数第1位でした。リリース時期も早くない方なのにこの結果というのは、はたして何が起こっているのやら。ちょっと驚きました。

こういうランキングはやっぱり楽しいので、2022年もいろんな物を見てみたいなと思います。

こちらは2021年の振り返りと、2022年の展望について触れた最近の記事。
Vtuberの関連記事ではよくお名前をお見かけする浅田カズラさん、古月さんの記事ですね。

越境」「混沌」という表現で、YouTuberとVtuberの垣根がなくなったり、「これまであった技術を応用してこんなことを始めた人がいる」といった2021年の様子やその他さまざまな事象を表現していて、どれも興味深い記事です。

ただ、私がこれらの記事を見ていてちょっと気になったのは、2020年頃までのVtuberの話題の総括を見ていると「今度は3Dで新しくこんなことが出来るようになった」的な技術の進歩に関することが書かれているケースというのが結構あったようなイメージだったんですが、2021年の記事にはあまりそれが見当たらなかったな、といった事でした。

もちろん日頃から斜め読みが酷い私なので、実際は単にすごい技術革新の記事を私が見逃してるだけかもしれませんが。


反面、いろんな人が新しくVtuberに関わった話と、いろんなVtuberが新しい形でいろんな人に自分を発信した話は、2021年には非常に多かったような気がします。

そこにはやはり、某感染症下で外出できないいろんな人達が何かしらの対人コンテンツを求めた結果、Vtuberというコンテンツにたどり着く、という流れがあったのではないかと思います。

しかしながら、例えば2021年にVtuberになった!とHIKAKINが言ったからといって、その後のHIKAKINの活動が定期的にVtuberの姿で行われたかと言えば特にそんなこともなく。

その他の事例も「Vtuberというものが流行っているらしいから、とりあえず一回触れておくか」といった継続性に欠ける部分がけっこうあるのも、2021年のVtuberの注目の浴び方の特徴だったような気がします。

そしておそらくそれは、「Vtuberが話題だから一回見てみるか」みたいなテイストで2021年に大きく増えた視聴者層についても、同じことが言えそうな気が私にはするのですが、どうでしょうか?

なので、2022年はより多くの人にずっと推してもらえる存在にVtuberがなってくれたらいいなと、私としては思います。


それとあと、もう1個余計なことを言うとしたら、古月さんの記事中でも少し触れられていますが、2021年は体調を崩して休止するVtuberの数が大手から個人に至るまでものすごく多かったイメージがあるので、

外部から来た新規顧客に「なんでこいつらこんなに頻繁に病んでるの?」と思われない程度には、体に気を使って貰ったり、配信頻度を調節してもらったり、Vtuberが配信を数日行わなくなった度にVtuber側が「ごめんなさい」とかわざわざ言わなくてもいいような、ファン側もファン側で配信見ながら「体大丈夫?」みたいな心配をしなくても済むような。

そんな環境づくりを2022年のVtuber事務所、特に大手さんにはお願いしたいなと思うところですが……。こういう意見はどういう声のあげ方をすればVtuberと運営には声が届くのでしょうね。


とまあ、長々とどうでもいい話を書いたところで、この年始のご挨拶noteになるはずだったものを終わりたいと思います。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
2022年もお互いに楽しいVtuber視聴ライフを満喫できたらいいですね。

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