介護業界に転職した私。
理由は至ってシンプルだった。
私が介護業界に入ったのは13年前
母方の祖母が認知症になり、孫である私の事を分からなくなった。
久々に祖母に会いに行くと
「あんた、誰やったかいな?」
と頭にハテナマークを浮かべた祖母の顔がそこにあった。
すぐに母が自分の息子である事、あなたの孫にあたる事を説明したが、イマイチ理解していない様な表情であったのを今でも覚えている。
そんなよくある世間の1ページが私には、初めてで、間近に【認知症】を見た初体験となった。
これは衝撃的であった。
その後、しばらくして祖母は体調を悪くし亡くなった。
あの日以来、祖母に会いに行かなくなっていた私は、祖母が亡くなった時とても後悔した。
私の事を覚えていない祖母が怖くなり、会いに行かなくなった。
そして、祖母は亡くなった。
もっと自分が理解をしていれば、いや知っていれば何か違ったのかも知れない。
そう思い、私は介護業界に足を踏み入れたのだ。
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