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【R02 一級建築士製図試験⑪】10月本試験でのこと

ユニットタイプとかマジか。
周辺環境と斜線があやしい。
エスキスこねる。
あれ、なんか違うなぁ。
記述最短で挽回する。
作図量多い。
チェック時に色々直す。


 TAC、資格研究会の課題をこなしてきて、エスキス作図手順はかなり浸透してきたが、それでも面積計算やら書き漏れ等、小さいミスはまだまだあった。

※これまでの課題からみた本試験での目標
エスキス(チェック込み)   2:15
記述                                 1:00
作図                                 2:30
最終チェック                   0:30
アクシデント対応               0:15
合計           6:30


 本試験前は台風がまた不穏な動きをしており、2年連続延期は勘弁してと祈りつつ、試験前三日間は仕事休んでこれまでの課題の復習、記述の確認、エスキスにおける判断基準の整理を行った。

 前日は銭湯行こうとしたが、10月10日(銭湯の日)なのにホーム銭湯が休みのため、家風呂でよくあたたまってから、ストレッチをし、はやめに就寝した。

 試験当日、いつも通り4時に目が覚めた。朝型だと当日の朝を持て余し気味ではある。試験会場は専修大学、最寄駅は小田急線で駅からはけっこうな上り坂、前年は総合資格だしてるだれでも乗れる無料のバス(ただし受験番号と連絡先を書く)に乗っていったが、バスの中の雰囲気がどうも合わないので今年は田園都市線からバスで行くルートとした。道中、バスの中は受験者も少なくうまく気持ちをつくれたと思う。

 試験会場に着き、入り口で検温をすませ、入室の時間までみな廊下で待機していた。どうやら今年の教室は前年の階段教室ではなく、長机タイプのようだ。入室後、製図板やら筆箱やらをセッティングした。長机の端に1人、たがい違いに千鳥で座る感じ、奥行きは忘れたが滑り止めシートを敷いて枕(日建学院)を置いても、特段支障ない。動作確認として、準備しておいた短手方向の断面図をトレースした。

 しばらくすると試験官が入室、定刻になり注意事項を読み上げ、問題用紙に作図・記述用紙を配りはじめた。試験開始時間になり、最後の製図試験が始まった。

 用紙をめくり、受験番号と名前を書いて、製図用紙を貼り付け、記述用紙にさらっと目を通した。あー、まぁまぁ定型かぁ、って構造計算ルート⁉︎わからんから構造のテンプレ書くしかないなぁ。構造ならEさん得意なぁ。車寄せの構造計画かぁ、ありのまま書くしかないよなぁ。お、感染症対策とかTACでやりまくったから、めっちゃ換気したって書くか。ひと通り読み終えてから、記述用紙を製図板の下にしまった。

 さて、問題文をどうかなと緑マーカーを持って、敷地の数値やら周辺環境を塗りながらさらっと流し読みした。西側の道路とか確実に斜線でふるいかけにきてるぞ。斜線に気を付けるように資格研究会もめっちゃ言ってたな。南側住宅地とか採光気にしないといけないのか。え、なにユニットA.B.Cとかあるじゃん。ユニットタイプとかマジか。くぅー、日建学院一人勝ちかい!TCさんのお誘い断らなければよかったなぁ。既存建築物の埋め戻しとか過去問の地盤改良だ、資格研究会でもでてたから無難に浅層改良かな。

 青マーカーに持ち替え、除外部分をマーキンした。わざわざ医療法とかは考慮しないってあるな。面積不算入は定型か。

 次にビートルティップ(黄色ピンク)で課題条件をピンク、作図条件を黄色でマーキングした。うーむ、ユニットケアかぁ。ユニット玄関指定されてんのな。断面図、長手方向指定ってことは時短できそうにないなぁ。

 フリクション(オレンジ)で高さ・眺め・日照・動線を図示し、各室の面積を記入、見慣れないものに雲マークをした。個室17㎡以上ってことは18㎡狙っていけばいいかな。その他介護に必要な室は課題でTACの課題でやってきた洗濯室と汚物処理室かな。日建でごり押ししてたアラーム弁室でた!TACでもやってたから各階に設置と。福祉車両の高さ指定ってこれ記述の車寄せの構造計画にからめてか。廊下の有効幅員1.8m以上ってことは2.5mとらないとだな。

 課題文を読み終え、エスキス用紙へうつる。建蔽と容積検討して、高さの検討から西側道路からの必要ヘリアキを算出、諸々の課題条件を整理して、個室の検討にはいった。17㎡以上となるグリッドをいくつか検討した。 
 一番良くないところが右上、左側に地域交流スペース持ってくると二面道路で車の出入りは微妙だから、管理右上で車両の数も少ないから車の出入りは北側ですみそう。南側の採光距離かぁ、TACだと建物階数に即しての距離だったから、3階に居室がある場合、アキ寸法5mとかだったかな。ちょっと不安。

 バイコマでざっくり検討にはいる。ユニットタイプかぁ、TACでやった課題8のイメージでいくしかない。あとは流し見した実例とかしか印象にないし。個数も多めだし、南側全部つかってだとコア両端かな。ユニット玄関って、過去問の高齢者向け集合住宅みたいに1階に玄関ってことかな。利用者が2種類いるから、それぞれ専用のEV設けて、動線を分けとこ。共同生活室の採光は中庭からとるか。中庭採光はちょっと不安だけど、実例でもあるし、1グリッド程度アキがあれば中庭採光でもいいって井澤先生に質問した時、聞いたしな。そういえば、Kさんとの相互添削の時に光庭のファンタジスタとか言われてたな。基準階面積計算して、1階もだいたい入りそう。駐車場に必要なアキ寸法も大丈夫そうかな。

 1/200で部屋ぶちこんでいくか。あれ、いつもはエスキス用紙半分で3平面はいるのにちょっとはみ出してるなぁ。なんでだろ。個室と主要な部屋いれて、管理コアまわりにその他介護に必要な室をまとめておこう。浴室も中庭に向けてるから目隠しパネルでも描いとこか。それぞれ首尾よくはいりそうかな。さて中間チェックと、各室はあるし、条件も満たしてるね。面積ももう一回確認っと。って、あれ面積過大じゃん。なんでだ?えーと、なんだなんだ。え、バイコマの時は計算OKだったよね。なにが起きてんだ⁉︎

 あ、1/200が横に1スパン多いじゃん、頭で考えてるスパン割りと描いてるスパン割りが違ってるとか、やらかした!これか、さっきの違和感は‼︎そりゃいつも通りエスキスA3で収まらないわ。さて、この時点で2:25くらい、視界が歪み、一瞬の走馬灯の中、心が折れかけた。頭の中で、『できっこないをやらなくちゃ byサンボマスター』が鳴り響く。

あきらめないでどんな時も

 いやいや、この1/200で1スパン多く描くのとかたまにやらかしてたし、ビリケツくんさんの勉強会でグリッド検討の時、多かったら1スパン削ればいいだけって言ってたし、対処法はわかってる、まだまだまだまだ。急いで1スパン削って、各室を調整、再度中間チェックしてなんとかおさまった。時間は2:40、エスキスこねちゃったなぁ。最終チェックは死守だからどこかでまくらないと。作図は量多そうだから記述でまくるしかない。

 0.9mm プレスマンに持ち替えて、記述にとりかかる。計画の内容は定型文を簡潔に書き、耐震ルートは勘で3として、当たり障りのないことを書いた。車寄せの構造は車両の最大高さ2.8mに対し、有効高さ3mとし、吊り庇として躯体で支持するみたいなのを書いた。地盤改良は定型、感染症対策はめっちゃ換気、空調方式も定型で描いた。一心不乱に書いた。太さと簡潔さが功を奏し、35分くらいで書き上げた。いままで一番速かった。

 ここまでで3:15、作図と最終チェックの時間は確保できた。作図は手順に則って、ひたすら描いた。この時間になってくると部屋の熱量も上がり、少し息苦しさを感じる。買っておいたいつものお昼(サラダチキンスティックとバナナ)を食べる余裕もなく、終盤の室名あたりで酸欠なのか、少しクラっときた。頭の中で『できっこないをやらなくちゃ byサンボマスター(二回目)』が鳴り響く。北側の車寄せの庇を描いてて、あれ、吊り庇だとバルコニーとかち合っちゃうよって気付いて、鉄骨庇に変更した。記述は吊り庇で書いてたので、鉄骨柱で書き換えた。作図はたぶん2:50くらい。ちょっと作図量が多かったように思う。

 ここまでで6:05、最終チェックをする時間は確保した。左手の紫マーカーで課題文を指し、右手のシャーペンで図面と照合、確認できたら左手で課題文を塗っていった。共同訓練室にテラス又はバルコニーを設けなきゃだ、面積調整して、1.5m幅が精一杯か。廊下の有効幅1.8mのとこで、これって利用者廊下とかの指定がないけど、もしかして管理側もなの?安全側で管理者廊下も2.5mにしておこう。お、3階平面図に屋上設備機器の位置を点線で描けって指定ないよね、ほんとにない?うん、ないない。

 最終チェックで手直し加えつつ、残り5分。なぜか最後の最後でバナナ食べなから、名前とか受験番号とか確認してた。大きなやらかしはないはず。試験官が終了の合図を告げ、私の最後の図面は静かに回収されていった。

 食べ損ねたサラダチキンスティックをくわえながら、製図板を片付け、会場を後にした。何度目かの最寄駅までの下り坂はやり切った高揚感でも自分の不甲斐なさへの落胆でもなく、とりあえずいろいろかいくぐってさばき切ったからあとは全体の出来次第だし、もうどうにもできないというなんというか無に近い感じだった。

 大きな心配は南側の採光のためのアキ寸法が5mで大丈夫だったのかどうかだけど、おそらく大丈夫そうだった。心身ともに疲れ切っていたが、夕飯は食べてきてとかみさんに言われていたので、家の近くの町中華でと思ったら、法事の集まりで貸切だった。いま思うと相当縁起が悪い(笑)しかたなく、とって返しサイゼリヤにはいった。グラスビールを一気に飲み干した。その後はデカンタとドリンクバーでつくったワインスプリッツァーをガブ飲みしながら、採光距離計算して自分を安心させたり、Twitterを眺めながら一喜一憂、知り合いとやり取りして、慰労した。

当日のエスキスはこちら↓

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再現図と記述はこちら↓

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※赤字は複数名に復元図を説明する機会の折に追記した補足説明

※本試験でのタイムスケジュール(カッコ内は目標)
エスキス(チェック込み)   2:25(2:15)
アクシデント対応               0:15(0:15)
記述                                 0:35(1:00)
作図                                 2:45(2:30)
最終チェック                   0:20(0:30)
合計           6:30

 かみさんには今日までありがとうとLINEしたところ、おつかれさまとだけ返信があった。かみさんは私になにも期待していない。その分、落胆するからだ。私の試験に対するかみさんの気持ちは去年で切れている。それもこれも合格しない私のせいだ。だから私もあまり期待し過ぎない。なんとかいくぐってさばき切ったけど、いろいろミスがある。どうなるかは合否までわからない。

 最後の試験が終わった。ひとまず一段落だ。合格発表は2か月後の12月24日、全くとんでもない日にちにしてくれたもんだ。試験までキツかった。

 次回は『私の一級建築士製図試験のこと 最終話 』になります。長々とお付き合いいただきありがとうございます。

会社の規定により副業ができないので、今後有料になることはありません。もしよかったら、内容に対してなんらかの反応していただくと承認欲求が満たされて、次も惜しみ無く書こうという意欲ドバドバになるので是非お願いします!

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