【R02 一級建築士製図試験⑬】私の一級建築士製図試験のこと
迎えた合格発表の日はよりによって12月24日だった。マジふざけんなとみんなが思ったことだろう。去年は仕事を休んだが、今年はおとなしく会社のパソコンで見ることにした。いま思えば1人で見るのが怖かったのかもしれない。いつも通りの時間に家を出て、自席で仕事しながら、発表を待った。
発表予定時刻、いつも通りアクセスが集中しているため、なかなか開かない。一つずつページを進んでいき、やっと都道府県別まで辿りついた。合格者一覧を開いて、一気にスクロールする。過年度なのでどうせ下の方だろうし、一列ずつ見てたら、動悸で心臓が保たない。
あった。自分の名前だ。間違いない番号も同じだ。受かってる。合格した!
よかった。本当によかった。やっと終わった。泣いたりするのかなと思ったけど、そうでもなかった。思ったよりあっさりした感情だった。なんというか、肩の荷が下りたというか、憑き物が取れた、そんな感想だった。
離席して、かみさんに電話して合格したことを伝えた。受話器越しに涙声で『いままでひどいことを言ってごめんなさい。』と返ってきた。
辛く苦しく長い戦いだった。不合格の私に対する周りの言葉や視線に耐え、よく走り抜けた、諦めずによくやった、自分。
私の5回目の製図試験が、そして最後の夏の一級建築士試験が幕を閉じた。
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