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短めのやつ

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コント台本 『脱獄』

こちらのコント台本を基にして書いた短編小説 ↓ A「ハァ…、ハァ…」 (ツルハシを振り、一心不乱に穴を掘り続けているA) A「ハァ…、ハァ…」 (やがて暗闇から一筋の光が漏れ、パラパラと周りの小石が崩れていく) A「ハァハァ…。やった! 脱出成功だ!」 (両手を空に突き上げて、『ショーシャンクの空に』バリの喜び方を表現するA) B「ーー待ちな。お前さん、一体どこへ向かうつもりだ?」 A「!? アンタは、一体…」 B「慌てるな、俺も収監者だ。こうやって脱獄をす

【黒歴詞#29】ネバーランド・クロニクル

僕は笛を吹いて生きている この狭い世界の中で 僕は必要なのかな? もっと上手い人は沢山いるし そもそも音なんてなくても僕たちは 世界は恣意的に動いている、ああ。 世界は廻っているんだ 噛み合った歯車のように 僕が寝てる時にあなたは働いていて あなたの幸せのために僕は笛を吹いている 僕はこの世界で生きている 皆、好きな事をして 生きていれたらいいのにな 心ではそんな事を思いながら 何も言わずに働いている あなたは良いわねってよく言われる、はあ。 君の視てる世界で 僕が生き

漫才台本 『秘宝Ⅱ』

※この内容は漫才台本 『秘宝』の続編となりますが、連続性は薄いためこちらからでも読むことが可能です。 A「私ね、オークション会場で自分が持っている秘宝を売りつけて荒稼ぎをしたいんだよね」 B「…何? またやるの? あのAが要らなくなったオタクグッズを売り捌くためだけに開く即売会をさ」 A「しょうがないじゃん。私のオタ活は推しが引退するまで永遠に続くんだからそれに伴って不要なグッズは溜まる一方なんだよ!」 B「それはAが気軽に推し変したりするからでしょ? 1人の推しをず

【黒歴詞#26】ロジック

視えない君の心臓を 捻り潰せないこの世界では 僕は僕で存在することができない 「壊してしまえ」なんて笑う君は 僕の世界を分かりはしない 人間を殺しても良い 罪にならない そんな世界を 君の心臓を掴んだまま 笑える そんなロジックを 僕にくれはしないだろうか 僕の世界では君の存在を受け入れることはできないんです 優しい世界で生きて 他の物全てを否定する君は 惨めで だけどそんな君の世界を彩る人を羨む僕は もっと哀れで 願えれば上一行の歌詞を破り溶かして君を殺したい 他人と関わ

【詩】友達の輪

一生内輪でグルグル褒め合っていろ。

【黒歴詞#3】心のナイフ

あなたはいつも僕らの上に立って「みんなは平等だ」といってる あなたの背中を見て僕らは大きくなりました 先生、あなたは、僕に「期待してる」と上辺だけの笑顔で、 いつもつっかかってる僕がうざいのはもう分かってるよ 友達が、あなたと話して、笑っているやつもいれば絶望に満ちた顔で帰ってくる奴がいるのですが「平等」って何ですか? あなたの名声によって従わなければいけない僕ら、僕らの意見を求めるくせに、あなたはいつも自分勝手だ いつまでその権力をふりかざして、僕らを操り続けるのですか?

【詩】秘鳴

僕にも打算を掛けてくれ

【詩】ナノドラマ

歴史の教科書を読んでいたらいつの間にか自分の中で人間の価値が低くなっていることに気づく。 そしてその人間のために命を賭している人たちの存在を知って、ひどく自分が惨めなものに思えてくる。

【短編小説】プリズン・ブレイキングダウンその後…。

「ハァ……、ハァ……」  男は、一心不乱にツルハシを振り下ろし続けていた。  やがて男の正面から一筋の光が差し込み、それと同時にパラパラと光の周りの小石が崩れていく。 「ハァハァ……。やった! 脱出成功だ!」  男は、両の拳を天に突き上げ喜んだ。数瞬遅れてカランカランとツルハシが地面に落ちた金属音が辺りに鳴り響く。  男は興奮しながら光の範囲を広げていく。そしてその光が人ひとり入ることができるほどの大きさになると、男は躊躇わず光に向かって右足を一歩踏み入れた。  ーー

【詩】総力戦線

いつだって世界は危ういバランスの上で成り立っていて、世界を救うまでとは言わないがここ日本でも誰かが同じ分野で世界の誰かと戦っていて、戦っていない人間もその戦っている人間をどこかの分野で支えている。

【詩/詞】私以外全員人生2周目。

「優しい世界」という言葉がキライ 成立しているのならそれでいいじゃん じゃあアナタはいったいどの世界の住人なの? その言葉も結局誰かのお下がりじゃん 幼い頃からハッピーエンドの義務教育を受けてきた私たち 「子供はこういうのが好きなんでしょ」なんてエゴが見え見えの物語 気付いてるんだからバカにしないで この世界の真実に気付いたきっかけはやけに単純だった 人が普通にできることが私には何一つできなかったんだ だからって私に病名なんて付けないでね 言い訳せずにアイツらを見下ろしてこ

【短編小説】トークン

「俺が実の息子を間違えるわけねーだろ!」  そう言って、息子に化けた変身能力を持ったモンスターを殺そうとして実の息子を自らの手で殺めてしまったあの日。あの日からもう十年になる。  息子の葬式は取り行わなかった。いや、行えなかったという方が正しい。何故なら、息子は今もこうして俺の目の前に生きているからだ。  俺の息子と同じ風貌をしたソイツは、十年前と変わらない、あの時のあどけない姿のままこちらを見てニコニコと微笑んでいる。  ソイツは、息子が死んで1週間が過ぎ、俺が酒に溺

【黒歴詞#27】メサイア・コンプレックス

劣等感の存在が僕を助けた事もあったよ 自分の存在がいつまでもちっぽけで 大きくならなきゃってただ藻搔いて 生きる事すら独りじゃ満足に出来ない僕にも ヒーローに憧れた事があったんだよなあ いつからだろうヒーローが あんなに憎く思えてきたのは いつからだろうそんな僕が こんなに醜く思えてきたのは 足掻いて藻搔いて媚諂って血反吐吐いて いつか僕だって前向けんだって 胸を張って 壊れちゃったんだよ あなたは言うんだろう「努力する事も知らないで」なんて 分かってんだよ 僕よりも何倍

【詩】ヒールターン

人は皆、自分が許されるための正義を持っている。 そして自分を守るため、いとも簡単にその正義を捨てる。