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#4 子どもと絵本

子どもと絵本

 生まれてから一緒に絵本を読んでいた子どもが、次第に絵本を読まなくなったとき、寂しさを感じました。
 3段階ぐらいのステップを踏んで、子どもは「親子の読み聞かせ」から離れていった気がします。

 まず1段階目は、子どもが字を読むようになったころ、子どもの好みがはっきりしてきて、だんだん読みたい絵本が親子で違ってきました。すると子どもは一人で好きな絵本を読むようになりました。
 2段階目は、子どもの読むスピードが格段に速くなってくると、子どもは図書館や学校で次から次へ絵本を読んでました。そのうち私が「この絵本面白いよ」と子どもに言うと、ほぼ「もう読んだ」と言われ、逆に「この絵本のここが面白いよ」とか「この絵本いいよ」と勧められるようになってきました。
 最後の3段階目で、子どもは完全に絵本から卒業しました。青い鳥文庫系から、ハリーポッターなどの長編本、そして小説に移行していきました。

 子どもが絵本から離れた時、私もこれで2回目の絵本卒業かな‥と思いました。(1回目の絵本卒業は、私が子どもの頃のこと)
 でも、仕事がらみもありましたが、何より絵本が私の一部になっていたというか、絵本からパワーを貰っている自分に気が付きました。
 そのうち、柳田邦男さんの本などを読み、これからも一人でも絵本を読もうと決めました。 
 


一人で読んで気付いたこと①

 子どもと一緒に絵本を読んでいた頃は、子どもが好きそうだな~、面白そうだな~と思う絵本ばかり選んで読んでいました。子どもの好みがはっきりし始めると、私が勧めてもほぼ読まなくなりました。
 私一人で絵本を読むようになってからは、子どもの事は気にせず、私が好きだなと思う絵本、良いな~と思う絵本を選んで図書館で借りて読んでます。すると、絵本の新たな一面に気づくことができました。

 一つ目は、絵本は短い文章の中で、大人にとっても大事なことを端的に伝えてくれ、気づかせてくれること。そして、二つ目はART性が強く、芸術に触れることと同じぐらいの価値があるという、この2点です。
 毎日時間に追われて、小説が好きでもなかなか最後まで読み切ることができなかったり、美術館や展示会に行きたいなーと思っても都合がつかず行けないことが多い日々がありました。その点絵本は身近にあって、いつでもその隙間を埋める十分な力がありました。
 今までは子ども中心に考えすぎて見逃していた絵本の一面に、大きな意義を見出すことができました。

一人で読んで気付いたこと②

 子どもと一緒に絵本を読まなくなって、もう一つ気づいたことがあります。それは、子どもの絵本に対する目の付け所です。
 子どもが絵本から離れるころ、私が絵本を読んでも気づかなかったのことを、子どもから説明してもらう機会が多くなりました。。やっぱり子どもには敵わないと感じました。
 きっと大人になってしまった私には、子どもの目で絵本を読むのは難しいのかもと感じました。であれば、これからは大人の目で絵本を読んでいこうと思いました。
 

子どもと読む絵本タイム

 思えば、子どもと過ごした読み聞かせタイムは、続けていくには大変なことも多かったけど、貴重な時間でした。
 仕事で疲れて帰った日は、寝る前の読み聞かせで何度も私が寝落ちしたこともありました。子どもに言われて数えきれないほど同じ絵本を読んだこともあったし、長い長いお話では行を飛ばして読んだこともありました。
 けど、絵本を通して子どもと同じ時間を共有できたのは、思いのほか短くてあっという間だったと、今思います。

 






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