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読書好きな人に100の質問 前編

読書好きな人に100の質問

1.年齢は?
他の記事でおおよそ想像はつくかと思いますが、非公開です。

2.性別は?
女性です。

3.読書歴は?
就寝前、親に絵本を読み聞かせてもらったのが最初のようです。一晩に25冊もせがむ子供で、寝かせるのにたいへん苦労したと聞いています。

4.初めて読んだ本を覚えてる?
『しろくまちゃんのほっとけーき』の記憶があります。グッズがあったら欲しいですね。

5.これまでに何冊くらい読んだ?
難しいですね。今まで食べたパンの枚数くらいでしょうか。

6.月の読書量は?
10冊↑~でしょうか。だいぶ読書スピードが落ちました。

7.1日に何時間くらい読書する?
平均一時間くらい。休日は三時間くらいとりたいですが、あまり集中力が続かないタイプなのが短所です。

8.どんなときに読書する?
暇を持て余したけれど、スマホにもPCにも向かいたくないとき。消極的です。

9.小学校ではどんな読書感想文を書いた?
一年生の頃にうっかり賞を取り、『葉っぱのフレディ』について教室で書かされた記憶があります。
今思うと、6~7歳の生や死に触れたことがない子どもがこの本についての「感想」をアウトプットするのはかなり難度が高く、ウルトラCな要求だったように思います。秋の残光の教室で先生が出してくれた麦茶が冷たくて美味しく、いささか背徳感があったことがむしろ記憶に残っています。


10.中学校ではどんな読書感想文を書いた?
三島由紀夫の『金閣寺』で書きました。好きな本だったわりに評価は芳しくなかったです。三島の耽美への嗅覚が育っていなかったのかもしれませんし、個人的に別に金閣寺を焼きたくはなかったのかもしれません。共感できない主人公について書くのは一ひねり必要ですね。


11.高校ではどんな読書感想文を書いた?
澁澤龍彦『高丘親王航海記』です。あまりに面白かったので勝手に書いて勝手に国語の先生に提出したところ、丁寧な添削をいただきました。あのときの添削は今の自分に活きていると強く感じます。

12.読書感想文を書くのは得意なほう?
嫌いではありませんし、書き方を教えていた立場でもありますが、やっぱり課題図書を押し付けられて「宿題として」出されるのは、大人になっても嫌なものですね。まして〆切などつけられた上、無給とあっては。

13.読書感想文の書き方は?
まずあらすじを紹介します。ここで要約の能力を見ることが可能ですし、同じ本でもあらすじの紹介の仕方で焦点の当て方が変わるので、案外個性が出ます。

「感想」は……登場人物に重ねた自身のエピソードトークを持ってくるのが鉄板ですが、そういうものの絶対数が少ない子どもの頃どうやっていたかは難しい問題です。登場人物の言動に対し、自分だったらこう行動する、考える、あるいはこんな終わり方がよかった、等でもいいかもしれませんが、ある程度理由付けが必要です。

まとめの部分はこの本が世に存在する意義や自分にとっての位置づけを書きますが、読書は基本的に娯楽なので、意義や意味がなくても構わないです。暇つぶしになった、でも十分な感想ですし。

14.読書感想文におすすめの本は?
憧れの人物、「推し」の自著があったらそれを薦めます。作家だったらエッセイ、それ以外だったら自伝や評伝などです。今の私だったら断然黒田博樹の自伝ですね。カープファン以外におすすめできるかは別として……。

15.どうしておすすめ?
人間、興味のないことを語るのは苦痛ですが、好きなものについてはいくらでも語れるからです。深い理由はありません。
そもそも、おすすめを聞く時点で能動的に「選んでいく」読書が苦手な可能性が高いので、無理に高尚な純文学を押し付けるより、好きなものベースで選ばせた方が良さそうですね。

16.読書感想文のパクリやコピペについてどう思う?
剽窃がよくないのは自明ですが、まず、当事者が読書感想文の何に困難を感じて他人に頼ったのか腑分けしなければなりません。

読書感想文は「読むこと・考えること・書くこと」の複数の言語能力を連関させる必要があるので、どの能力に困難を感じるのか、そしてどうすれば本人が本を読み解き、自分の言葉で書けるようになるかについて丁寧にサポートしていく必要があります。

パクリやコピペが多いのは「読書感想文の書き方を教えずに宿題を課す」ハードの問題かもしれませんし、もし剽窃だとわかる作文を受け取ったら、生徒からのヘルプサインだと捉えますね。

生成AI製は……プロンプトエンジニアリングがうまい生徒で、人間と遜色ないレベルで書けていたら普通に評価してしまうと思いますし、その手の悪知恵は嫌いではないです。

17.書評をよく読む?
最も好きな読書の分野のひとつです。いい書き手はいい読み手ですし、時間は有限なので。この辺りで紹介されている本は手あたり次第買いました。

18.本のランキングを参考にする?
ほぼないですね。

19.読書ブログを読む?
友人のブログは定期的に読んでいます。

20.いま読んでる本は?
ドン・ウィンズロウ『ザ・ボーダー』

21.どんな本?
初手で悪人の顔面の皮がサッカーボールに縫い付けられているタイプの本です。

22.面白い?
その手のクライムノベルが好きなら確実にお勧めできます(というか殿堂入り本です)が、繊細な人にはあまり……。

23.最近読んだ本は?
キム・ジヘ『差別はたいてい悪意のない人がする』

24.最近のおすすめの本は?
『蒸気駆動の男 朝鮮王朝スチームパンク年代記』

25.どんな本?
歴史ifもの朝鮮半島史アンソロジー。スチームパンクものは無条件に好きですが、東アジアにフォーカスしたものは伊藤計劃+円城塔『屍者の帝国』以来久々に読みました。

26.読書におすすめの本ランキング第1位!
加藤周一『読書術』

27.おすすめの理由は?
読書することに対して構えなくてよくなるからです。

28.読書におすすめの本ランキング第2位!
野村克也『野村ノート』

29.おすすめの理由は?
本の虫こそスポーツ本を読むべきだという個人的なテーゼからです。読書のみでは涵養できない「人間形成」を学びたいならこれ一択ではないでしょうか。
読書は孤独な営みですが、野球は一人では不可能です。
野球に明るければ小学生でも読めますが、そうでないと結構な難読書です。

30.読書におすすめの本ランキング第3位!
『古事記』池澤夏樹訳

31.おすすめの理由は?
2010年代でもっとも美しい日本語の文章を問われれば、私はこの本の前書きを挙げると思います。
日本語翻訳文学の精髄がすべて詰まっているといっても過言ではないでしょう。

32.読書におすすめの本ランキング第4位!
加藤周一『日本文学史序説』

33.おすすめの理由は?
「日本語で書かれたあらゆる書物のなかでもっともすぐれた作品群」はひとまずここに網羅されています。戦後最大の読書家かつ知の巨人が選りすぐった珠玉の文学たちを読み逃す道理はないでしょう。

34.読書におすすめの本ランキング第5位!
ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』

35.おすすめの理由は?
上記すべての本を「別に読む必要はない」ことがわかる点です。我々が読むべきはむしろこういった類の本です。

36.好きな作家1人目は?
佐藤究

37.主な著書は?
『テスカトリポカ』

38.どこが好き?
過剰さ、というかある種の血に塗れたところでしょうか。「鏡三部作」は一気読みしてしまいました。

39.好きな作家2人目は?
ガルシア=マルケス

40.主な著書は?
『百年の孤独』

41.どこが好き?
作家単位で読むことが最近ないので30分ほど悩みました。ガルシア=マルケスは読んだ本全部面白かったので。『百年の孤独』より『コレラの時代の愛』が好きです。

42.好きな作家3人目は?
服部まゆみ

43.主な著書は?
『この闇と光』

44.どこが好き?
偏愛の類に入る作家です。小学生の時に『この闇と光』を読まなければ今の人生はなかったでしょう。ゴシック・ロリィタ、あるいは美術の道に生きるきっかけです。

45.読書週間ってどう思う?
「神田の古本まつりの時期だな」と思い出しはします。
近年は読書の秋と呼べるほど快適な時期でもないですね。

46.読書週間には特に読書する?
あまり考えたことがないです。
誕生日が被っているので、ケーキを買ったりしてます。

47.読書日記書いてる?
紙に書く行為が好きではないので、ぜんぜん。

48.読書ブログ書いてる?
このnoteに可能な限り書いています。分散させる気はあまりないです。

49.子供の読書におすすめの本といえば?
子どもの頃児童書が面白かった記憶はさほどありませんが、黒柳徹子『窓際のトットちゃん』は当時夢中になりました。チャイルドシッターの方がくれたのですが、おそらく私の発達特性を見抜いていたのでしょう。

50.あなたが思う必読書とは?
無いです。

51.どうしてそう思う?
「必読書」という概念そのものが教養主義的なので、好きではないです。


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