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080_ボクはこの日を忘れない~part.1~

3月27日(金)
先ほど日付が変わり、
今は深夜1時

ボクからのLINEが、
全く既読にならないから、
理由はわからないけど、
ブロックされてるのもしれないと思い、
ボクは、
ネットで調べて、
ブロックをされているかどうかの
検証を行った。

どうやら、
彼女がもっていないスタンプを
プレゼントすることができたら、
ブロックはされていないようだ。
スタンプが被っていたり、
ブロックされていたら、
プレゼントできないらしい。

これを信じて、
絶対に彼女が持っていないだろう、
ボクの友人が作ったスタンプを
送ってみた。

結果は、
プレゼントすることができた。

ということは、
LINEはブロックはされていない。
彼女が意図的に、
ボクのメッセージを読んでいないだけ。

このことがわかったとき、
なぜかボクは、
彼女への怒りがこみあげてきて、
怒りと不満をぶつけるLINEを、
畳みかけるように7通も送った。

そして、
力尽きて、眠った。


朝目覚めて、
LINEを見ても、
当たり前に、
7通は未読のままだった。


この日は、
21時近くまで仕事をして、
部下と一緒に
22時半まで飲んでいた。

連日の寝不足と、
金曜日ということもあり、
ビール3杯で、
ボクは結構酔っ払っていた。

いつもの駅に着いたのは、
23時半を過ぎていた。
酔っ払っていたからか、
今日は、電話することなく、
ボクの足はお店に向かっていた。

店の前のボーイが、
「お久しぶりです」
と元気よく挨拶してくる。

「どうも。今日さやかちゃんいる?」
当然ボクは、
ボーイの返事はわかっていた。
だから、
質問した瞬間に、
家に帰ろうと思った。

その時、
「いますよー!」

「えっ!!!いるの??」
予想外の返事に、
酔いが一気に醒める。

「はい、今、空いていると思いますよ!」
「確認してきます?」

「うん、よろしく!」
ボクの心臓が急速に走り出す
自分でもわかるくらい、
ドキドキしている。

(え、どういうこと?)
(今日店にきてるの?)

ボクは、
今、起きている現実を
整理するのに、必死だった。


ボーイが店から出てきた
「今、誰にもついてないですね」
「じゃ、行こう!」

ボクは、
これから冒険にでも行く勇者のように、
大きな声で言っていた。