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【読書感想】人類が200年以上解けなかった数学の超難問とそれに挑んだ数学者たち『笑わない数学』

数学の世界はこんなにも面白いのか..
学校で習った数学は答えがあるものです。そこに至るまで数学者たちが問題を証明しようとした挑戦があり、私たちはその結末しか今まで知らなかったのです。
そして、数学に魅せられて人生をかけて難問に挑んだ数学者たちがいたこともまた興味深かったです。

これから紹介する著書は、NHK「笑わない数学」制作班が編集したもので、番組を書籍化したものです。

ぼくは数学とは、高校生のときは受験のため、大学以降は科学や工学を扱うときのツール、としてしか認識していませんでした。難しくて苦労したイメージがあります。

この「笑わない数学」を読むことで、数学は苦手だ、難しいというイメージを持っていた人も数学のファンになってしまうかも?

こんな方はぜひこの本を手に取ってみてはいかがでしょうか。
・数学をある程度勉強してきたが、それほど好きではない。
あるいは、
・数学が大好き!
・好奇心のある人。数学が苦手だけど、好きになる人はどうして好きになるのか興味ある。
などなど

数学に人生をかけた数学者とは

僕のなかで、この本が興味深いと思った理由を書いていきたいと思います。

難問をみごと証明した数学者もいれば、難問を前に敗れ去った数学者もたくさんいたという事実。数学者が人生をかけて、超難問の数学の謎を解明(証明)しようとしました。
また、200年以上だれも解き明かせなかった理論を証明した人がいるというのも興味深い事実でした。
僕たちは数学の素人ですが、こういった事実から、数学にはそれほど魅力があるのかという驚きと同時に、その醍醐味を少しでも味わってみたいと思えてきます。

また、数学そのもののほか、数学者の生い立ち、数学の発達の歴史を知ることができ、それも面白いです。
二十歳で亡くなってしまい、その後数学界に大きな影響を与え、大きな功績だと認められたが、生前は認められなかった、ガロアという数学者など。

四色問題とは

この本でとりあげている数学のテーマで、僕が(へぇ~!)と思った一例を紹介します。
それが「四色問題」。身近でイメージできる地図についての問題(法則)で、境界を示した地図ならどんな地図でも必ず4色で色分けできるというもの。
世界各国の国境を示している世界地図、都道府県境を示した日本地図、市町村や区、などなんでもよいです。ルールは隣り合う地区を別の色で塗り分けなければなりません。
著書の例は東京の23区で、中央区、千代田区、、と塗り始めました。すると3色だと隣り合う区が同じになり、塗り分けできなくなってしまうのです。4色ではうまくいきました。
それがどんな地図であっても、最低4色あれば塗り分けられるというのです。
 そして、この本の本題ですが、この「四色問題」の証明に多くの数学者が挑んだのですが、挫折してしまい長らく未解決だったというのです。でもついにコンピュータを利用して証明を完遂した人物が現れました。
問題自体は理解できるのに、証明がこんなに難しいなんて興味深いと思いました。

構成が分かれていて式が苦手でも読みやすい

この本のおすすめポイントのひとつ。
本の構成がとても分かりやすくなっています。補足的な要素や、公式も使って詳しく説明した部分などがコラムのように構成が別になっています。
難しい式はうんざりという人やストーリーをメインに楽しみたいという人でも、不要な箇所を読み飛ばしたり、結論だけ知ることができたりします。
反対に、証明の中身をちゃんと知りたい人も満足できると思います。

まとめ

好奇心旺盛な方、数学の醍醐味を少しだけでも味わってみたい方におすすめです。
  数学者が人生をかけて、何十年も数学の超難問に挑んだ。
  百年以上も誰も解き明かせなかった難問がいくつもあった。
この事実に数学の素人でもいまだ体験したことのない魅力のある世界だと思います。その魅力の片鱗だけでも感じ取ってみましょう。

ちなみに「笑わない数学」というタイトルで、どうして「笑わない」なのか、という理由についてもなるほどと思うことが書かれていました。ぜひ本をとって読んでみてください。


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