改正職業安定法勉強会実施の裏側〜準備期間1ヶ月・2名体制でやり切った理由〜
今回は9/26に厚生労働省の方をお招きして実施した、職業安定法改正の勉強会の裏側をご紹介します。勉強会の企画から実施まで1ヶ月2名体制でやり切った大変なイベントでしたが、ご参考になると幸いです。
こんにちは、LAPRAS PR担当の大西です。10月に入りすっかり秋めいてきましたね。
秋といえば、勉強の秋。法改正の秋。(←いや、違うかも)
10/1に改正職業安定法の施行が迫る中、LAPRASでは9/26に厚生労働省さまと共に「改正職業安定法」の勉強会を開催しました。 スタートアップ企業、業界団体などにもご協力をいただき無事に開催できたのですが、実際にはその裏側で開催まで、てんてこ舞い状態でした。
というのも、準備を始めたのが1ヶ月前。さらに、勉強会を企画・実行したのは法務のいいださんとPRの大西の2名だけの体制という、とてもベンチャー企業らしい事情があったためです。なかなかにハードな1ヶ月だったのですが、その分学びも多かったので、少しでもスタートアップの企業の方への役立つ内容になればと思いこの記事を書かせていただきます。「2名体制でも頑張ればできましたよ!」ということをお伝えしたいと思います。
勉強会を実施することになった背景や目的
そもそもなぜLAPRASが主体となり、この職業安定法改正の勉強会をやろうと思ったのか。それは、「エンドユーザーファースト」という弊社の理念がもとになっています。
LAPRASにとって「エンドユーザーファースト」というのは非常に重要な理念です。実際に、LAPRASでは迷ったら「エンドユーザーの利益になる方」を選ぶ文化があります。
そんな中で、法務担当の飯田さんに今回の改正について聞くと、今回の法改正は「業界全体で求職者保護を推進する」ためのものであり、弊社にとっては「エンドユーザーファースト」の方向性が正しいと確信できる、重要なものだと熱弁してくれました。
その話を聞き、業界全体が、求職者のことを考え尽くして、サービスを作っていく。そういった方向性で求人メディアや人材事業が発展していけば、自社だけにとどまらない「エンドユーザーファーストのその先」が見えてくるのでは?ということを考えると、非常にワクワクするものがありました。
一方で、人材系のスタートアップ界隈で話題に登ることがほとんどなく、法改正の事実を認識している企業が少ないがゆえに、法改正後もあまり業界全体に影響がないのでは?という懸念も感じました。
メディアでもあまり報じられておらず、法務界隈では知られているけど知る人ぞ知る状態でした。(後から知ったのですが、厚生労働省さんも認知・理解を広げて促進することに課題感を持たれていたとのことでした。)
※日経新聞では2021年12月に一度報道されるも、それ以降は報道はなし
スタートアップは攻めた事業を行うことが多いですが、当然法律を守る必要があります。あまりにルールを守らない企業が多いと、「HR系のスタートアップは行儀が悪い」等と一括りに言われたり、ユーザーが転職の機会を失ったり…と、弊社としても悲しい思いをすることになります。
一方で、法務担当がいない会社にとって、法改正のキャッチアップは非常に困難な作業になり「法律を知らないから、守れない」「法律を守るための調査コストが支払えない」という悲しい事態になってしまう場合があることも分かります。
そこで、PR担当として、勉強会を実施することで、法改正をHRのスタートアップ企業が簡単に把握できる機会作れないかと考えました。業界全体を巻き込むことで、「エンドユーザーファースト」のさらにその先を見据えることを目指し、法務にも相談した結果、実施に向けて2人で動くことになりました。
ただ、やろうと決めたのが8月31日。10月1日から施行されるので9月中には実施したい。1ヶ月弱で準備して実行しなければなりませんでした。
勉強会の企画内容
勉強会の企画の中でPRとして重視したポイントが2つあるので、それぞれ簡単にご紹介します。
1. 専門家から解説をしてもらうこと
解説をメインパートにする際に誰に話をしていただくかが一番重要でした。そこで、法律の改正に関わられた方が一番良いということで、厚生労働省さんへご相談することにしました。
法務担当の飯田さんにお願いして、所属している業界団体や法務のツテなどをフル活用していただき、企画趣旨をご説明しお願いしたところ、ありがたいことにご登壇いただけることになりました。
今回は、ベンチャー企業にとって法改正のキャッチアップは非常にコストがかかる作業であること、その一方で法令遵守は業界の発展を考えても重要な課題であることをお伝えしたことで、厚生労働省の方にも熱意が伝わって、ご登壇いただけたのではないかと思っています。
また、インキュベイトファンドさん、Groovesさんが同じ課題感を抱えているということで共催として名乗りをあげていただいたことで、一社だけでなく、ITベンチャー全体の課題感であることを伝えることができたのも、良かったポイントかと思います。(その節は、本当にありがとうございました!)
2. 法改正を身近に感じてもらえること
今回は法改正の勉強会なので、法務以外の方には馴染みがなく、割ととっつきづらい内容です。そこで、パネルディスカッションのパートを入れることにしました。実際に人材事業を経営している方や業界団体の有識者をお呼びし、リアルな事業をベースにした時に、この法改正がどういった影響があるのかを話していただくことにしました。
開催が決定した後、あと3週間程しか時間がないなか、知り合い、共催企業、お世話になっている業界団体やLAPRASに投資してくださっているVCの方など、法務とPRのあらゆるツテを頼りにパネリストを探しました。
結果、2名の素晴らしいパネリストの方から登壇の快諾をいただくことができました。この短期間の中で無理を言ってご登壇いただいた、公益社団法人 全国求人情報協会 兼 リクルートジョブズリサーチセンター センター長の宇佐川さん、株式会社キャスター 取締役 CROの石倉さん、本当にありがとうございました。
当日までの実行体制
今回は、企画から準備、当日運営、アフターフォローまでを法務とPRの2名で実行しました。法務担当者は法改正対応によるプロダクトの改修指示や利用規約改定を同時期に行っており、大西も他の業務と並行しながらこの企画や準備を進めており、正直、パツパツに忙しくなりました…。
登壇者の方用に説明資料を用意し、当日の投影スライドを用意し、勉強会の参加者募集ページを用意し、集客を行い、アンケートを作成し、パネルディスカッションの内容を固め、ある程度想定される質問を考え…PRが作ったものを全て法務でもレビューし、PRで書けない部分は法務に執筆から依頼し、本当に二人三脚で駆け抜けた1ヶ月でした。
反省としては、集客に充分な時間が充てられなかったことです。特にメディア向けの告知は足りませんでした。ただ、社員や知り合いの方のご協力の効果は大きく、最終的に49名の申し込み予約となりました。
途中2人して何度か心が折れかけたので、みなさんがやられる際は、2ヶ月前くらいから準備する方ことをオススメします!
当日の運営と結果
そんなこんなで直前までバタバタしてはいたものの、登壇者やパネリストの方々に助けられて、無事に大きなトラブルなく終了しました。参加者の方の反応が気になるところでしたが、アンケート結果では7割程度の方は満足していただけていたようですので少しホッとしました。
当日は法務は法改正対応が佳境だったため、PRの大西一人で運営したのですが、これが大変でした…。司会をしながら、zoomの操作や資料の投影をしなければならず、危うくアーカイブ配信のための録画ボタンを押し忘れるとこでした。また、自身でタイムキーパーもやる必要があったため、時間を見ることができず、後半時間が押してしまったことも反省点です。次実施する際には、社内のメンバーを巻き込んで、せめて当日運営は2名体制で実施するようにしたいと思います。
また、今回はメディアの方にも参加をしてもらいたかったのですが、残念ながら参加者は3名に留まりました。メディアの方へご案内する時期や方法が良くなかったことや、「今回の改正が誰にどんな影響を与え、それが社会の中でどれだけ必要なことなのか」が十分にお伝えできなかったことが原因かと思います。メディア誘致に関しては今後のPRの課題として次回に活かしたいと思いました。
振り返って
勉強会が終わった後、2人で反省会をしたのですが、かなり大変だった分、やり切った達成感は非常に大きいものでした。
今回大変な中で、最後まで走り抜けた理由としては、やはり「エンドユーザーファースト・候補者ファーストな世界でありたい」「ルールを守りつつ、面白いビジネスを、業界全体で協力して作って行きたい」という強い思いが、弊社の軸としてあったからだと思います。
テクノロジーの変化に合わせて人材ビジネスを取り巻く環境は変化していきます。プレイヤーも多種多様です。その中で、仕事を通して人々の幸せを作っていくことが業界全体でできていくとこんなに素晴らしいことはないと思います。
エンドユーザーファーストのその先へ。たった一回で何かが変わる訳ではないですが、今後も少しずつでも業界横断で学び合う機会を作っていき、個社だけでなく業界全体で良い方向に発展していきたいと改めて思う機会になりました。また、PRと法務という事業から少し離れた立場でも、エンドユーザーのためにできることがあると分かり、自信になりました。
最後になりますが、ご協力いただいた方々、ご参加いただいた方々に、この場をお借りして感謝をいたします。ありがとうございました。
次回はもっと早くから、今度は社内の他のメンバーも巻き込んで再挑戦したいと思っていますので、その際にはまたどうぞよろしくお願いいたします!
業界で良い方向に向かう動きづくりなどで共感いただける企業さんやご担当者さんはぜひ私たちへお声かけいただけると嬉しいです。
また、LAPRASに興味を持っていただけた方は、一緒に事業を進める仲間も絶賛募集中ですのでぜひご覧になってみてください。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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