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まだ救っていないが、ハイラルの冒険を振り返る。

 一瞬秋めいて、また夏が戻ってきて、今度こそ秋が顔を覗かせてきた。30度に到達する日も少なくなって、朝方は20度を下回る日が天気予報にずらりと並び始めた。お店のコスメのコーナーには金木犀の香りがただよっていた。そこらじゅうにまだ早いだろと思うハロウィンの飾りが並んでいる。
 私がゼルダの伝説ティアーズオブザキングダムを始めたのは5月12日の発売日。初夏の緑が美しい季節だった。

このnoteは、「ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダム」のストーリー、ゲーム全体のネタバレを画像付きで含みます。クリア済の方、ネタバレを気にしない方のみお読み下さい。








 世界中の勇者リンクは、一体どのようにこのティアーズオブザキングダムの世界を冒険したのだろうか。おそらく任天堂の思い描いた進み方は、はじまりの空島から飛び降り、監視砦から出発し、四地方を巡り、各地の異変を解決し賢者を目覚めさせる。ハイラル城に姿を現したゼルダ姫のもとへ行き、ファントムガノンと戦い、監視砦に戻ってくる。その後の会議でもう一人の賢者の存在に気付き、ミネルを探し出す。その後、ミネルとゼルダの約束を知り、禁じられた術である龍化の法を使い白龍と姿を変えて永劫の時を手にし、マスターソードを聖なる力で癒し、ガノンドロフの瘴気に打ち勝つ剣と変えようと試みたゼルダ姫の遺志を受け継ぐ。そしてハイラル城の地底にて復活するガノンドロフを討伐する。この一連の流れが、任天堂の用意したなんとも模範的な冒険だったのでは無いだろうか。多くの人はこの通りに進むことが出来たのだと思う。実況者の牛沢さんもサムネを見る限りではこんな感じで進めていた(ネタバレを危惧して見てませんすみません)。

 私の進み方はというと。

まずは言われた通りにリトの村へ。天へと続く島を凄いという興奮と恐怖でビビりながらも進んで行く。風の神殿、アマノトリフネに感動して、フリザゲイラ戦では大興奮していた(モルドゲイラのこと忘れてた)。

すげぇぇぇぇ‼️ってなって撮ったスクショ。


 次はプルアの言う通りにゴロンシティへ行ったが、他のゾーラの里、ゲルドの街にも無理矢理行って軽く冒険してからゴロンシティの異変を進めた。ラリってるゴロン族とグレたユン坊にめちゃくちゃ悲しい気持ちになったのを覚えている。操られていたユン坊を助け出し、デスマウンテンに巣食うイルバジアに「ヴァルバジア⁉️」となり、ボルドゴーマにも「ゴーマ⁉️」となった。炎の神殿がダルニア湖の真下にあることに気付き感嘆した。

良…と思ってスクショした。



 問題はその次に向かった場所。

 私は、興味本位で天高く飛ぶ白龍に近づいてしまったのだった……。そこにたどり着くまでに、龍の泪のクエストでは「ミネルの助言」は既に見ており、ゼルダならやりかねないと分かっていた。ウツシエでハイラル図鑑を作ったら「どこか懐かしい」とか書いてあるし。だって、厄災を鎮めるために一人で100年も起きるか分からない勇者を信じて人柱になり続けられる子だ。過去作でもその魂は数千年封印の助力のために眠りについたりしていた。しかし、白龍の頭にマスターソードが刺さっていたのを見た時は驚いた。絶対抜けないだろと思ったら抜けてしまった。何も彼女の遺志を受け継がずに抜いてしまった。その罪悪感から急いで地上絵を巡り、最後の記憶で大号泣した。これは過去のnote「繋げる。」にも細かく書いている。ハプニング的に抜けるマスターソードが1番怖いと思った。地上絵を巡った後はマキューズ半島からゲルド砂漠前まで白龍から、ゼルダから離れたくなくて降りられなかった。

リンクで見えないが、マスターソードが刺さっている状態の白龍。地上絵を全部回っていなかったのでマスターソードが刺さってるのが意味不明だった。
この時「やってしまった」とめちゃくちゃ思った。



 その後に頑張って怖がりながらも地底へ行き、コーガ様の生存確認に大喜びした。通常の進み方だと、まず最初にコーガ様に行くらしい。あれェ…。

アルバム見返してたらマスターソードの後にコーガ様居てびっくりした。チューリの後に行ったと思ってた。

 その次はゾーラの里へ向かった。知らねぇ女がシドの許嫁になっていて最初は本当は悪いやつ的なポジションかと思っていたが普通にいい嫁だった。ミファー公園とそのBGMに泣きそうになった。大切な人のために悩むシド、支えるヨナ。ブレワイの時はリンクの手をガッと掴み握手をしていたシドがリンクの手を待てるようになったのを見て泣けてきた。オクタコス戦では苦戦しまくりまる一日かけて倒した。そこらじゅうにゾナウの槍が落ちてる理由に気付いた時感動したのを覚えている。マスターソードで何度水を振るっても当たりゃしない。しかし、槍に変えた途端ヌルゲーになった。ゾーラといえば槍!!!!!!

シドとヨナ

 その後向かった場所も大問題だった。

 興味本位でフィローネの空に浮かぶ曇った場所へ行った。何があるんだろう!しか考えてなかった。雷鳴の島にたどり着き、前が全く見えない中で、風に任せてパラセールで飛んでいると、音楽の雰囲気が違う場所にたどり着いた。「龍頭島」と表示され、大きな、はじまりの空島で見た扉と似た扉がそこにはあった。どうやら開けられそうだったので開けたら、ミネルの声がする。そのままミネルの言われた通りにクエストをこなした。ゴーレムの操作に慣れず、奪われしゴーレム戦で3回ゲームオーバーになった。あれ以降1回もゲームオーバーになっていない…。あれめちゃくちゃ大仁田厚じゃない?電流デスマッチじゃない?4回目のコーガ様でも思ったんだけど私だけ?
 ガノンドロフと、ラウルと賢者たちの封印戦争。ミネルとゼルダの約束。その記憶を見てまた目頭が熱くなった。そしてめちゃくちゃガノンドロフが許せなかった。力に驕ってるのブーメランやんけ。必ずゼルダを救ってみせる。そう思わされたのだった。

白龍

 そして遂に7月末にゲルド砂漠に行き、ルージュのもとへたどり着いた。少し前に探索した際に少し進んでしまっていたルージュのクエスト。その時に「ギブド」を見てめちゃくちゃ嬉しかったのを覚えている。クィンギブド戦は正直ゴリ押しだった。クィンギブドよりもうようよ出てくるギブドが鬱陶しくてバクダンバナでボコボコにした。てけてけみたいな動き早いギブドキモすぎ!巣壊すのムズすぎ!
 ゲルド砂漠を救った後は、監視砦へ直行。ハイラル城にゼルダ姫を発見。もうハイラル城!?え!い、行きたくない!!!!!!!と、なった私は7月30日から9月25日あたりまで、ハイラル城に行かなかった。その間に英傑武器を揃え、祠を152箇所無理矢理巡り、地底探索をハイラル城地下と北ローメイ以外終わらせた。だいぶ序盤でたどり着いてしまった水上の闘技場。ライネル5体にめちゃくちゃ疲れたのを覚えている(4体まではなんとか持ちこたえたが、5体目の途中で一度ゲームオーバーになった。またやり直しかぁと思ったら途中からだったので運良くムジュラの仮面をゲットした。当時はこんだけやってムジュラの仮面……!?と、攻略無しでやったので唖然とした)。その他の闘技場もライネルが出てくると思い覚悟していったらボコブリンが出てきて拍子抜けした。闘技場も巡り、フリザゲイラとボルドゴーマは簡単なので3匹とも倒した。もう、本当にガノンドロフ倒すしかやることが無い!と、探索にも飽きたので9月25日にハイラル城に英傑武器を携えて突撃した。

久しぶりに時間が取れてプレイしたらこれだったのでドッと疲れてしまった。

 ファントムガノンとの戦いはびっくりした。ムービー中に「ちょっと〜私ここに来るまで何体瘴気魔倒して何体ファントムガノンくんボコボコにしたと思ってるんですか〜」と思っていたが、戦いが始まった瞬間「え⁉️ご、5人居てますやん⁉️きっしょ‼️え⁉️」となった。しかし、いつもファントムガノン相手だと上手いこと決まらないラッシュ攻撃がスルスルと決まっていく。ボコボコにマスターソードで切りつけられるファントムガノン。HPの削れる早さは異常だった。第2ラウンドの時、階段をのぼって上からバクダンバナをお見舞いしようとしたら後ろに一匹生えてきてビビったのを思い出す。それからは逃げ切りバクダンバナをお見舞し、最後の一撃では一旦賢者たちをオフにしてマスターソードで切りつけた。

 そこからのムービーは、感動のあまり目と口をあんぐり見開いてSwitchの画面を見ていた。助けに駆けつけたシド、ルージュ、チューリ、ユン坊に、リンクを殺そうとする瘴気から護られた。共に戦っている。あぁ、あの言葉は本当だったんだ。発売前にトレーラーを見た時、「しかし、そなたは一人ではない」というミネルの言葉に涙した。あれはミネルからラウルに告げられた言葉だった。しかし、リンクも1人ではなかった。

 監視砦に戻ってからは、任天堂の凄さに圧倒された。もう一人賢者がいるじゃないか!という件に、私のリンクは飄々とミネルの存在を喋り、マスターソードももう持っているという。プルアに「もう見つけてる!?魂の賢者!?ミネル!?」
「マスターソードももう持ってるって、アンタ、なんでそれを、先に言わないのよ!!!!」と、怒られた。ここで、前述した任天堂が用意した模範的な冒険が紐解かれた。自分がめちゃくちゃな冒険をしていたことに気付かされた。そんなめちゃくちゃな勇者わたくしのためにも、任天堂は専用の台詞を用意していたのだった。とある動画投稿者の方が、まだ何も進めていないのにマスターソードを抜いてネタバレを食らってしまう事件を投稿していた。そのコメント欄に「好奇心だけでマスターソードを手に入れるなんて勇者すぎる」というコメントがあった。私もほぼ同じ境遇だったので「私勇者すぎる!」と喜んでいた。すると、それまでの賢者たちとプルアとの会話に現れたルージュの「さすがだな」の言葉が、「私勇者すぎる!」を本当にしてくれた。凄く嬉しくてスクショした。

マジごめん。
最高の言葉。



 思えば、ここまでくるのに私は4ヶ月ほどかけたのだった。前を歩くゼルダに喜んでキモすぎる歩き方で後ろを付きまとった。何度も何度も行くなと思っても、ゼルダは前を進んでいく。目の前にゼルダが居ることに喜んだ矢先、彼女はまたどこかへ消えてしまう。それから、目を覚まし、朽ちたマスターソードを手に走る。ブレワイとは全く異なるラウルの手の機能たち。ブレワイではシーカーアイテムが十字ボタンの上だったので、ティアキンではそこが持っているアイテムが出るボタンになっていて、その操作の違いに慣れなくてはじまりの空島を出るのに6時間くらいかかった。
 前述しためちゃくちゃな冒険の中で、沢山の雑魚を狩り、ライネルを何体も倒し、イワロックとヒノックスを瞬殺し、久しく会ったモルドラジークをボコボコにした。地底を歩いていたら見つけてしまったデグガーマ。矢でちょっかいを掛けたら全然通じておらず、逃げ続けた。しかし、攻略法を見つけた私は、ノーマル、黒曜、白蒼全部をボコボコにした。グリオークは、初めて見たのはオルディン地方の飛んでいるアイツ。一旦無視し、初戦は馬宿近くの氷雪グリオークとなった。案外簡単に倒せて拍子抜けしたのを覚えている。キモイのが、私は氷雪→瘴気キング→雷電→キング→火炎の順番で戦ったところ。初めての瘴気の手は、ラネール山の麓。気付いたら画面が真っ赤で、リンクが手に掴まれていた。私はリンクの背中を見つめる視点で遊んでいたので何が何だか分からなかった。掴まれた状態から逃げ出し後ろを振り返ると、既にそこには闇の塊しか無かった。その後コモロ池で同じものを発見し、牛沢さんの動画でファントムガノンであることを確認してから戦いに挑んだ(流石に怖すぎて倒し方以外調べてしまった)。私はハイラル城にたどり着く前に全大型魔物を倒していた。だからか知らないがハイリアの盾が効果付きで入手出来てめちゃくちゃ嬉しかった。

瘴気の手と戦うのはダルいので消えてもらった。

 ゼルダを助けたい。と同時に、物語を終わらせたくない。と思う自分がいる。ゼルダは、私の冒険のゼルダは既に「私に出来ること、私にしかできないこと」を成し遂げている。そして今も尚、永劫の時の中でさまよい続けている。ゼルダを人に戻す方法は必ずある。ゼルダは、リンクは、必ずハイラルを救うことが出来る。

遠い過去、建国神話とも言える時代から紡がれた憎悪と怨念と、それに抗う神ともいえる光たちの物語。厄災は何度も復活した。そして封印後も尚、その現況である魔王は復活した。それを、ゼルダはまたたった一人で背負い込み、希望をリンクに繋ぐのだった。

 なんて、ここまで5000字近く書いているが、私は未だにクリアしていない。物語が終わるのが嫌で嫌で仕方ない。でもゼルダは助けたい。
 北ローメイの破魔の根を灯したら、ハイラル城の深穴に潜り、最後の破魔の根を灯そうと思う。最後の戦いの場には、英傑武器とマスターソード、ハイリアの盾を携えて、入れるか分からないが地底の正面玄関から入ろうと思っている。ファントムガノンが居るのは知っているが、出来ればだるいので無視したい。

 ゼルダ未プレイの友達に、「え?ゼルダの伝説なのにゼルダパーティーにいないの?」「え?こっちがゼルダなの?」「リンクの冒険じゃね?」「マリオと一緒じゃないの?」と言われた。これはもうやれば分かるとしか言えない。やれば、ゼルダの伝説が分かる。ゼルダの遺志をリンクは繋ぐのだ。ゼルダは囚われの姫では無い。強い、あまりにも強い姫である。

 ゼルダ、あともう少し待っていて欲しい。



 キヨさんの実況するブレワイでゼルダの伝説にハマり、自分でもブレワイをプレイし、全ての過去作品のプレイ動画を見た。一番くじをやったり、amiiboを買ったりと、めちゃくちゃゼルダオタクをした。あまりにも最高なこのゲームシリーズを超えるものに会えるのか少々不安もある。クリアしたらまた5000字くらい簡単に書いてしまうのだろうか。

 さて、クリアはどれだけ先の未来にあるのだろうか。


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