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#64 仕事がうまく引継がれない本当の理由

以前、以下の記事で引継ぐ時のポイントについてお伝えしました。

自分が業務を引継ぐ時のポイントとして活用いたけますが、とはいえ、どこの企業も業務の引継ぎには頭を悩ませているようです。

実は、業務の引継ぎがスムーズに出来ている事例は多くありません。

逆に失敗事例ならばたくさん見てきましたし、私自身も体験しました。

業務の引継ぎがうまくいっているケースとそうでないケースとでは違いがあります。

今回は、業務の引継ぎがうまくいかない理由を掘り下げてお伝えします

1.引継ぎがうまくいかない原因は?

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引継ぎには「引継ぐ人」と「引継がれる人」がいます。

引継ぎがうまくいかない理由は、この2者のどちらか、または両者に問題があると思われがちですが、事はそんなにシンプルではありません

もしかしたら、その原因はマネージャーにあるかもしれませんし、経営陣にあるかもしれません。

場合によって、業務の引継ぎは担当者レベルでは解決出来ない問題である場合があります

担当者には担当者の、マネージャーにはマネージャーの言い分があり、それはそれぞれ納得感のあるものでしょう。

✓ そもそも時間がほとんどない中での引継ぎには無理がある
✓ この業務を引継げそうな人が誰もいない

実はこれが、引継ぎがうまくいかない問題だったりします。

だから、各々が自分なりに頑張っても、うまくいかないことがあるんです。

どれだけ引継ぎマニュアルをしっかり作っても、引継ぐ先がない…という話は現実問題としてありますよね。

本来、引継ぎとはせざるを得ない状況に追い込まれてから、急いでするものではありません。

複数名で担当したり、適度に担当を変更するなど育成自体を日常の中に組み込んで、長期的に取り組んでいく必要があります。

ですので、本来は業務の引継ぎの責任者であるマネージャーが平時から業務可視化に注力し、計画を立てて、遂行する責任があったりします。

2.引継ぎがうまくいかない理由

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現場レベルで引継ぎがうまくいかない理由は、前任者の立場になればよくわかります。

前任者が後任者に業務を引継ぐ時は、前任者の退職もしくは異動が間近になったときが一般的です。

極論、前任者は引継ぎをしなくても痛くも痒くもありません。
困るのは後任者たちのみです。

もちろん多くの人はしっかり引継ぎますが、パワーバランスは偏ります。

前任者の気持ちを考えてみてください。

特に自己流のやり方にこだわりをもって仕事をしてきた人は「自分のやり方を人に教えたくない」「自分がやってきた仕事はとても大変なものだから引継ぎが難しい」とアピールし、問題になります。

実際に他社にいた友人から、「○○さん(退職した人)が作ったマニュアルが全部消えていた」みたいな話を聞きました。

しかも実際に仕事を捌いていた人たちは発言権を持っていたりするので、色々と問題が拗れるケースがあります。

上司が引継ぎ用のマニュアル作成を指示しても、資料の精度はイマイチだったりするのはこのためです。

前任者の責任感を前提にした引継ぎが前提になっているとなかなかうまくいかないのが現状です。

3.引継ぎを円滑に行う方法

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というわけで、こんな事態になる前に手を打ちましょう。
マネージャーの方やリーダーの方は特に以下を意識してみてください。

✓ ジョブローテーション
✓ 複数人体制
✓ スタッフとの円滑な人間関係構築

(1) ジョブローテーション
計画的にジョブローテーションをしておけば、有事の際に別担当(以前担当していたスタッフ)にサポートをお願いできます。

特定の人に権限が集まりすぎることも回避出来ますね。

大変ではありますが、業務の可視化・標準化のためにもオススメです。

(2) 複数人体制
また、常時複数人体制にしておくことも有効です。

「そんなリソースなんてないよ」という声が聞こえてきますが、行き過ぎた効率化はかえって非効率になる可能性があります。

複数人体制を取らずに経費を削った結果、将来の引継ぎ問題となるくらいなら、常時が難しくても繁忙期だけ人数を増やす等工夫して日常的に知見を複数名で溜める必要があります

(3) スタッフとの円滑な人間関係構築
これは前提条件かもしれませんが、どんな理由で今の部門を去るのであれ、「この部門で働けてよかった」「この人達と一緒に働けてよかった」と思えるような人間関係構築は必須です。

仕事として、引継ぎはやるべき大事なものですし、人間関係を理由に手を抜くという考え自体がおかしいです。

しかし、人間は感情的な生き物です。

「この人達が後々も安心して働けるようにしておこう」と思ってもらえたほうが引継ぎは捗り、精度も上がりますよ。

4.まとめ

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いかがですか?

自分が相手に引継ぐ時は、できる限りのものを可視化し、伝え、残していけばいいですが、自分が引継ぎを受ける時もありますよね。

引継ぎは、前任者が圧倒的に優位な立場にあります。
(本来はこの考え方自体がおかしいですが)

もちろん、いじわるな前任者ばかりではないですし、後任者側に全く問題がないとも言いません。

ただ、このような立場性の違いがある中で、さらに時間がない中で引継ぎをやりきるという構造自体が結構無理のある事だと感じることがあります。

諸先輩方がとても苦労されている姿を目の当たりにしましたし、私自身もそれなりに苦労してきました。

だからこそ、最初から特定の人だけしかできない仕事を極力減らして、適度にコントロールできる様、マネージャーやリーダーが采配しておいたほうが組織として円滑に運営することができると私は考えます。

もしこの記事があなたにとってお役に立てたのであれば嬉しいです。

今回はこれで終わりにします。
ではまた。

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