魅惑のTaiwan 〜近くて遠い、小さな大国〜

きっとあなたも好きになる、台湾の魅力

最新(2019.5)の統計:アウトバウンド 日本人海外旅行動向でも、台湾に訪れた日本人観光客数は韓国に次いで第2位だった。

第三次韓流ブームが起こり、韓国は今めちゃくちゃアツい。日本にいても毎日のように韓国の文化に触れる機会があるし、ブームの中心はいわゆる「フッ軽」な若者だから、韓国への観光客数が増えるのも納得できる。

だけど台湾はというと、日本国内で台湾の文化に触れることってほとんどない。みんな台湾のことなんて何も知らないのだ。

なのになぜかみんな台湾に行く。しかも何度も。

どうして?台湾の何がそんなに私たち日本人を惹きつけるんだろう。どうして台湾リピーターの日本人がたくさんいるんだろう。

私が台湾に行って見出した、私なりの答えです。


"近くて"

台湾は地理的にとても日本から近い。東京からでも海を挟んで2000キロ、フライトタイムはほんの4時間。


だけどそれ以上に、台湾人と日本人は心の距離が近い。私が台湾に行って1番に感じたことだった。


台湾では英語はほとんど通じないに等しいけれど、通じる言語は台湾華語(中国語)80%と日本語20%という感じ。他の国とは違うのは「観光スポットだけでなく、地元の人が利用する市場なんかにも日本語で会話をできる人がいる」ということ。

朝市で出会った陽気でおしゃべりなおばちゃんは10年ほど前まで日本に住んでいたそうで、流暢な関西弁で「日本はエエ国や〜」と日本と私たちを褒めちぎりながら月餅をひとつおまけしてくれた。

九份にあったお店の奥のテレビでは侍者の時代劇が流れていたし、帰り道で乗り換えに困っていたら、母親が日本人だというお姉さんが彼女の帰宅ルートから逸れてまで私たちを正しいホームまで案内してくれた。


台湾には、私たち日本人が想像する以上に日本を好いてくれる人がたくさんいる。台湾の人と関わることで、暖かい気持ちにならないわけがない。

でも、それと同時に今まで台湾のことをよく知らなかった自分に申し訳なさを感じた。どうして日本国内にはこんなにも台湾に触れられる機会がないのだろう。

台湾は、実際に行くことで相思相愛になれる、そんな国なのかもしれない。一度現地に訪れた私は、もう台湾の虜。


"遠い"

あっという間に着く台湾だけれど、時間も空間もずっと離れた、どこか遠くの異世界にやってきたような感覚になる。

床に野菜を並べた八百屋、屠ったままの姿で吊るされた鶏、街中に漂う八角の匂い…

道観から響き渡るお経を聞き、薄暗い外科病院の窓に貼り出されたなかなかにグロテスクな治療例の写真を見れば、いよいよ数時間前まで日本にいたという事実さえ信じられなくなる。


台湾に来れば、時間旅行も出来るのかもしれない。
台湾にいると、色々な瞬間にノスタルジーを感じる。初めて訪れたはずの異国の地で、何度も何度もノスタルジックな、懐かしい光景に出会った。

山に囲まれた静かな十份の線路の上で、願い事を書いて火を灯した大きなランタンが、傾き始めた陽に照らされて高く高く上がっていくのを見上げてクラクラした。見知らぬ土地での初めての体験の中で、遠く懐かしい、恋しい感情に襲われた。

あの時何を懐かしんでいたのか自分でもわからない。だけど、たしかにあの瞬間の私は、いつか、どこかで、過ぎ去った何かを愛しんでいた。


"小さな"

台湾は狭い。とにかく狭い。台北だけなら4日もあれば有名な観光名所は全ておさえられると思う。台北の中なら移動は電車でできるし、遠くに行くにも日本とは比べものにならないほど良心的な価格のタクシーがある。

滞在中の移動手段は、海外旅行をするうえでとてつもなく大切。

現地でのちょっとした瞬間が快適であればあるほど思い出は美化されて、「また来たい」と思えるものだ。


"大国"

日本では、台湾は国として見なさないことになっている。中国(中華人民共和国)が台湾(中華民国)に代わって国連で主導権を持つようになってから、台湾を国として認める国はめっきり減ってしまった。

日本で勉強しただけだと単純に「台湾は国じゃなくて地域なのか」と思ってしまうけれど、そんな考えは実際に台湾に行ってすぐに揺らいだ。

台湾の人たち自身は「国としての台湾の誇り」を捨てていなかった。


桃園国際空港に降り立って、最初に印象に残ったのは「中華民国入国審査」の文字。パスポートに押されたスタンプにもはっきりと中華民国の文字があった。

台北で一番にぎわいのある台北駅の近くには、行政院や監察院の立派な建物が並ぶ。そこにあったのは立派な「国家機関」だった。

私たち日本を含め、周囲の国に翻弄された複雑な歴史を持つ台湾が自分たちの時代を作り始めたのはつい最近のことだ。

未だに解消されていないわだかまりもたくさんある。それでも私は、台湾は立派な大国だと思った。自国を愛する国民がいる、アイデンティティを持った国は何度訪れても楽しい。




「近くて遠い、小さな大国」これが私が台湾に魅了された理由です。
ちょっと情緒的すぎた?
次はいつ行こうかな。

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