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デザイナーと自称デザイナーの違い

今、世界的にデザイナーの需要は高まっており、アフターコロナの世界でその価値は不動のものとなっています。

日本におけるデザイナーの現状

デザイナーになるための資格が不要なこともあり、デザイナーでない人もデザイナーを名乗っている場合があるのが現状です。

特にこの10年ほどはWebデザイナーからキャリアをスタートする人が増えていますが、その多くが自称デザイナーに陥っている可能性があります。

デザイナーは何をする人?

結論から言うと「最も優れた、課題の解決方法を考える人」です。

綺麗なポスターやWebサイトを作る行為を「デザインする」と言ったり、プロダクトの色や形を指して「このデザインが好き」と言うこともありますが、これはデザインのごく一部にしか過ぎません。

デザイナーが持つべき視点

例えば、制服の着方などで校則違反をする生徒が多い高校があります。
校長は「校則を守るようにポスターを作って欲しい」とデザイナーに依頼しました。

デザイナーLv.1
「生徒の皆さん、校則を守りましょう」と書いたポスターを作ります。
デザイナーLv.2
「校則を守ってもらう為に、ポスターより効果的な方法がないか」を考え、具体的なアプローチとして「校則を守るメリットをわかりやすく説明した動画を作りましょう」と提案します。
デザイナーLv.3
「なぜ校則を守ってもらいたいのか?」を再考し、校長に話を聞いたところ「校則を守らない生徒が増えるにつれ、志願者が減っている」という課題が見えてきたので「生徒に校則を守ってもらうだけでなく、志願者に校風以外の魅力を広報しましょう」と提案します。
デザイナーLv.4
志願者を増やす方法として「高校偏差値アップが一番効果的である」という仮説を立て、学生にリサーチしたところ「高偏差値な人ほど大学生進学率を重視する」という結果が出た為「授業の分かりやすさや、テスト内容、進路指導方法を見直しましょう」と提案します。

これらの例のように、デザイナーはレベルが上がるほど、課題解決の為にさまざまなことに目を向けていることが分かります。

残念なことに日本ではLv.1を指してデザイナーと呼んでいる人がほとんどです。依頼主を含む多くのビジネスマンが、デザイナーに対してそのような理解を持っています。

今、デザイナーが求められている

経済産業省・特許庁によるデザイン経営宣言によれば、デザインを企業の経営戦略の中心と考え「事業戦略構築の最上流からデザインが関与すること」を必要条件としています。

日本ではここ数年、大手企業がデザインスタジオを買収したり、クリエイティブチームを立ち上げるなどが活発でした。この流れはゆるやかに続くと予想されます。

デザイナーになるために

誰が見ても綺麗なグラフィックのものを作る能力は、無くてはならないです。そしてそのプロセスに喜びを覚えたり、追求するのは素晴らしいことです。
その上で、先ほどの例のような「校則を守るようにポスターを作って欲しい」などの依頼に対して、依頼の背景にある本質的な課題を見つけて、解決の為にさまざまなことに目を向けて「最も優れた、課題の解決方法を考える」のがデザイナーであると、私は考えます。


2020/02/21 追記
この熱い気持ちを、より多くの人に伝えるために動画も用意しました!



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