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〜「机で勉強」はしなくていい!〜 言語の正しい勉強法

割引あり

 こんにちは。
 このnoteを開いていただいて、ありがとうございます。

 最初に、今回説明の文章を書く際に参考にさせていただいた本の紹介からさせていただきます。

 英語独習法 (岩波新書 新赤版 1860)という本です。
 本書の著者である今井むつみ先生は、認知科学の専門家です。特に、言語認知の発達や、子どもの言語習得、第二言語習得に関する研究をなさっている方です。

 ご興味がありましたら、ぜひ英語独習法 (岩波新書 新赤版 1860)は読まれると良いと思います。この記事に書いてあることをさらに細かく説明されてますし、とても読みやすい文体で、難しい言葉などもほとんど使われておりません。

 それに、縦書きではなく横書きで書いてあるので、普通の本が苦手な方でも手に取りやすいと思います。

注意:こちらはアフィリエイトリンクになってます。


自己紹介

  • 国公立大学の文系に現役で合格した新大学生

  • 言語学を専攻する予定

  • 英検は二級

  • 共通テストでは、リスニング85点、リーディング72点でした

  • ゲームをしながら、英語を使って話しています

 私は数日後、国公立大学に入学する新大学生です。
 なので「正しい勉強法」というと、あんまり説得力があるわけではないのですが、でも私は実際に高校の3年間で英語を話すことができるようになりました。

 また、受験勉強においても体調的に登校が厳しく、授業もあまり受けられていなかったという事情がありましたが、勉強法を工夫することで国公立大学に合格した実績があります。

 英語学習においてももちろん、たくさんの工夫や、勉強法の研究をしたりしました。なので、参考になる部分は多々あると思います。

「英語を話したい」と思ったきっかけ


 きっかけに関して他の記事にて紹介しようと思います。
現在は書いている途中です。
 書き終わったら、ここに貼り付けます。


 前置きが長くなりましたが、ここから実際に正しい勉強法について解説していこうと思います。

言語の正しい勉強法

 ここからは、私の経験をもとに、今井むつみ先生の「英語独習法」を引用しながら解説していきます。

 また、先に注意しておきますが、この記事は非常に長いです。
 ガチで勉強したい人以外にはあまり価値がないかもしれないことは、事前に知っておいてください。


事前に知っておいてほしいこと

<スキーマ>

 認知科学の特に心理学系の用語で、「スキーマ」というものがあります。もちろん、「隙間」じゃないですよ。笑


 真面目にいうと、スキーマとは、知識のシステムのことです。

 つまり、我々がもつ知識を構成している、システムそのものをスキーマと言います。これは別に、言語学に限りません。そもそも心理学用語ですしね。


 そして、このスキーマという知識システムには、我々は無意識的にアクセスしているものだと思ってください。このスキーマとは無意識的に形作られるもので、さらに今回の場合、言語のスキーマなので、言語ごとに、国ごとに、地域ごとにこのスキーマは微妙に異なるのだと理解していただけると、この先読みやすくなると思います。

 また、このスキーマは体系的にあるものではない、ということも同時に知っていていだけると助かります。
 これは分かりづらいので例を出そうと思います。


 たとえば、子供や外国人がする言い間違いなどを聞いたとき、「それは違う、間違ってるよ」と指摘しますよね。

(しない人もいると思いますが、ここはするもんだと思って聞いてください)

 でも、私たち日本語ネイティブであっても、「どこがどう違うのか」という詳しい説明は、言語学をやっている人間くらいじゃないとできません。
 つまり、体系的に学んでいる人間しか、何がどう違って、なぜそのような間違いをするのかということが説明できないのです。

 私たちは日本語ペラペラなのに、説明できないなんて不思議ですよね。

 このことから、つまりはスキーマは意識的に構築されたのではないし、さらには意識してスキーマにアクセスすることもできないのだ、ということがわかるのです。同様に、スキーマは体系的なものでもないのだ、ということもわかります。

 そして、外国人や子供がそのような間違いをしてしまうのは、彼らに「日本語の正しいスキーマ」が備わっていないからなのだ、という説明ができることも理解していただけますでしょうか。

 このスキーマという概念は頻繁に登場しますので、しっかりと理解した上でこの先へ進んでください。


<日本人が英語ペラペラになるのは大変困難>

 よくされている勘違いなんですが、「日本人が英語できないのは日本の教育のせいだ!」っていいますよね。

 それ、間違ってます。
 確かに、日本の英語教育に問題があることはその通りだと思います。でも、根底にある問題はそれではないんです。

 そもそも、日本語と英語って、言語的な距離がめちゃめちゃ離れているんです。それが、日本人が英語を話せない、最大の理由です。

 じゃあ逆に、距離が近い言語って何? というと、語族が同じ言語は大体近いです。
 具体的には、ラテン系で共通しているフランス語、スペイン語、イタリア語はとても似ています。

 また、少し距離は離れますが、インド=ヨーロッパ語族の言語は大体似ているので、インド=ヨーロッパ語族内の言語を母語として持っている人なら、同じ語族内の言語習得はそこまで難しいものではありません。

 しかし、聞いたことがあると思いますが、日本語、韓国語などはどの語族にも所属していません。正確には、どの語族に所属しているのかが明らかになっていません。

 このことから分かる通り、日本語は基本的にどの言語からも離れているのです。となると、私たち日本人が外国語を学ぶことがいかに難しいことなのか、理解していただけますでしょうか?

 さらにいうと、米国合衆国国務省(United States Department of State)が公表した、言語習得難易度ランク(Language Learning Difficulty for English Speakers)というものがあります。
 それは、英語話者から見た時の、習得が難しい言語のランキングみたいなものです。

 そのランキングにはカテゴリーがありまして、カテゴリー1〜5の数が小さいほど、英語話者にとって習得が簡単である、ということを表しています。

 それによると、日本語は唯一の「カテゴリー5+」として、最高難度に設定されています。
 これは別に、日本語は世界一難しい言語なんだ、というわけではありません。英語話者から見た時、日本語は習得するのに最も時間がかかる、ということを意味しているのです。

 そしてさらに、反対から見れば、日本語話者にとっては「英語が世界で難しい言語である」ということでもあるのです。
(もちろん、そんな単純に考えていいものでもないのかもしれませんが、一つの指標になるということは確かでしょう)

 だから、軽々しい気持ちで「英語ペラペラになろう!」などと言わないほうがいいですし、逆に「これさえやれば英語ペラペラ!」みたいな本を見かけた際には「そんなわけないだろ」と思ってください。
 そういう本は大抵誇張しています。


正しい勉強法とは?

 さらに前置きが長くなってしまいましたね。申し訳ありません。

 それでは、本題に入りたいと思います。
 私がしてきた勉強法は、赤ちゃんがする勉強法から着想を得ました。
厳密には少し異なる部分もあるのですが、今回の「言語の正しい勉強法」では赤ちゃんの勉強法を大人の私たちに応用する方法を紹介するのだと思っておいてください。

 そして、この赤ちゃん的勉強法というのがネイティブのように話せるようになるためにはとても効果的なのです。


赤ちゃんの言語を学習する過程(英語母語話者)

 先に、赤ちゃんがどういう学習の方法をとっているのか、と言うことから反したいと思います。

 まず第一に、耳から聞こえてくる単語を大量にインプットします。
それも、意味を推測しながら、です。

 推測するとは、つまりその単語が名詞(実際に存在する物)を意味するのか、動詞(その物に対する我々の動作)を意味するのか、形容詞(その物や人の状態)を意味するのかを見分け、さらに具体的にその言葉が何を意味するのかを考えると言うことです。

「つくえ」という言葉を聞いて、すぐにあのテーブル、「机」なのだと分かるわけではありません。

 様々なシチュエーションで用いられる「つくえ」という音を、文脈から判断して意味を推察するのです。とても高度なことやってますよね。


 第二に、たとえばその大量にインプットした語彙の中で、名詞に焦点を当てて考えてみると、大量の語彙を蓄えたのち、だいたい一歳半ほどでその名詞にはさまざまな種類の形が規則的に現れることに気が付きます。

 つまり、大量の語彙の中に、その文法規則が意味を持って表れていることを理解するのです。

 英語で言えば、‘dogs’なのか、’a dog’なのか。あるいは、ただの’dog’なのか。その現れる形の違いは、どのような意味の違いをもたらすのか、その法則性から意味を「推論」するのです。

 この場合は、「数えることができる場合とそうでない場合」で分けられていると理解することを、推論によって行うのです。
(もちろん、「数えることができる場合とそうでない場合」という分け方は厳密には正しくありません)

 これはすなわち、子供は自らの力のみで無意識にスキーマを構築しているということを意味します。


 そして、さらにそのスキーマを使うことで、たとえば”water”という言葉を聞いた時、その単語が実際に「コップ」を意味しているのか、それとも「水」を意味しているのかの判断などを行うのです。

 具体的に細かく説明しますね。

 たとえば、コップに水が入っているものを指して、"water"というと、学習者の子供にとってはそれが「水」なのか「コップ」なのか、はたまた「コップに水が入ったもの」を"water"と呼ぶのかがとても曖昧ですよね。

 しかし彼らは「可算・不可算」のスキーマを持っています。だから、無冠詞の”water”であるから、その単語は数えられない物であるということがほぼ確定できるのです。

 ならば、”water”とは中身の透明な液体のことを意味しているのだな、と推測することができるようになる。そして、さらにそれがスキーマとなって、言語システムを構築し、さらに難解な、抽象的概念を理解する際に用いられていくことに繋がるのです。


 他にも例を見てみましょう。

 先ほど言った「抽象的概念」とは、たとえば”jewelry”や”furniture”という単語です。

 いずれも日本人が「可算」だと勘違いしやすい単語として有名ですが、たとえば”jewelry”はネックレスという意味ではないのだ、とか、”furniture”は椅子や机そのものを意味するのではないのだ、ということが「可算・不可算」の概念から推察できるんです。

 つまり、もし仮に"a furniture"と言う場合、それは実際に存在する、数えられるものなんだということになります。
しかし、"furniture"は数えられない名詞です。

 そう。
 名詞として用いられているのに数えられないなんて、どういうことだ? と子供は考えるわけです。

 そして、なぜ数えられないかは、"furniture"は物自体を指すのではなくて、概念としての家具を意味しているからだ、と理解できた時、そういった抽象概念を理解したと言えるでしょう。
 すると、新たなスキーマが構成されます。

 こうして、無意識的にスキーマが構築され、意味の理解を修正することが繰り返されることでさらにそのスキーマが無意識に洗練されていきます。


 だから、「自由」とか、「幸福」といった実際に目で見れない概念を理解するのが大変なのです。
 その概念を理解するためのスキーマが構築されていないとそもそも理解ができませんからね。


 そして、「スキーマがないから理解できない」のと同じことが、我々が外国語を学ぶ際にも起こっているのです。
 次で詳しくみていきましょう。


日本語にあるスキーマは?

 ご存知の通り、日本語には「可算・不可算」のスキーマがありません。しかし、日本語特有のスキーマといえば、無数にありますけど、たとえばでわかりやすいものを挙げるならば「漢字の読み」でしょう。

 熟語として漢字を読む場合、我々は無意識的にそれを「音読み」しますよね。
(これも厳密には間違っています)

 たとえば、「道徳」という漢字で言えば、「道」だけで存在すればもちろん「みち」と読みます。しかし「道徳」をみた時、「熟語として存在する場合は音読み、すなわち「道を<どう>と読む」というスキーマ」を我々が持っているため、道徳を「どうとく」と読むことができるわけです。

 また、日本語のみならず、世界中でほとんど共通した形で見られるスキーマもあります。

 たとえば、「ボール」という単語に対して感じることは、

  • 丸い(球形)

  • サッカー、バスケ、野球などの際に使う

  • 中に空気が入っていて、軽い

  • 遊び道具

などのイメージですよね。
 なんなら、これらは定義であると言ってもいいかもしれません。つまり、「丸くて、サッカーなどの球技に使って、中に空気が入っていて、軽い遊び道具がボールである」と我々は認識しているわけです。

 もちろん、このボールの定義は恣意的なものですし、経験から構築されたスキーマであるため、今後新たな「ボール」が出てくれば、現在我々が持つボールに関するスキーマは修正されます。


 このような、日本人がもともと持つスキーマが他言語にそのまま適応できたら、その言語の習得は簡単だ、と言って良いでしょう。
しかし、現実にはそうではありません。

 「可算・不可算」の文法ルールは日本語にはありません。
もちろん、冠詞に関するルールも存在しません。

 あるいは、V, R, L, THなどの音は日本語にはありませんから、こうした発音に関するスキーマを我々は持っていない、と表現しても良いでしょう。


 今までみてきたように、日本語のスキーマと、英語のスキーマはこれでもかというほど異なっています。
 だからこそ、日本人が英語を学ぶのは難しいのです。


後天的にスキーマを構築する

 ここまで読んでいただけたら、私が言いたいことをわかっていただけるでしょうか。

 我々が行うべき言語学習とは、椅子に座って教科書を開くことではなく、「その言語特有のスキーマを構築すること」なのです。
 そして今まで言っていただことは、それが赤ちゃんが行う言語学習法でもある、ということでした。


 ということは、我々が英語を話せるようになるためには、英語特有のスキーマを構築していく必要があるのです。

 ということで、これから具体的に、その方法を解説していきますね…と言いたいところなんですが、もう少し! もう少し基礎的なことを書くので、お付き合いください。


知らないスキーマ

 赤ちゃんの頃から親しんでいる言語でないならば(我々にとっての英語など)、その言語のスキーマを習得することはとても難しいことは散々言ってきました。では、なぜ難しいのでしょう?

 その理由は、意識的に「知らないスキーマ」を学ばなくてはならないからです。

 そもそも、赤ちゃんは無意識に、すべてのことに対して注意を向けます。
 聞こえてくる音にも、目から得られる情報にも、触覚から得られる情報にでさえ、注意を向けています。

 だから、言語を習得できるのです。
 でも、私たちのような成熟し切った人間は、それを意識的に行わなくてはなりません。

 つまり、我々は「可算・不可算」にせよ、何にせよ、新しく触れるものには意識して、多くの注意を向ける必要があると言うことです。それも、「これは重要ではない」とか勝手に判断せずに、すべてです。

 「これは重要ではない」と言う判断も、わかりやすい言葉に置き換えるならば、「思い込み」によって判断されているかもしれないのです。
赤ちゃんには、その思い込みがありません。

 つまり、何もスキーマがない状態だからこそ、赤ちゃんはそもそも何が重要で何が重要でないかの判断をしません。
重要か否かの判断をするスキーマすらないのです。

 だから、すべてのことに注意を向け、すべてが重要なのだと認識します。


 と言うことで、我々の思い込みによって、重要な情報が見逃されてしまう危険性があることを我々は少なくとも認識しなくては、今後の学習に多大な悪影響を与えます。
 なので、わざわざこの話を入れました。


教科書で学ばないほうがいい

 言語習得関連の体系化され過ぎている教科書は、大人になっているからスキーマがすでに凝り固まっているのに、そのスキーマをさらに硬化させてしまい、結果として勉強したのに全く話せない状態というのを作り出してしまう危険性があります。

 これは、教科書で勉強するならしないほうがマシと言えるほど、のちに悪影響があり、元に戻すのが大変です。
 思い込みによって、多くの誤ったスキーマが構築されてしまっているからです。

 なので、もうやってしまった分は仕方がないので、これからは教科書を当てにしすぎないで学習していったほうがいいと思います。


 ちなみに、酷いことに、その教科書を書いている人でさえ理解できないスキーマは山ほど存在します。我々日本人が、自らの用いているスキーマを言語化して説明できないのと同じように、無意識によって作られたスキーマをわかりやすく、論理的に、言葉で説明することはとても困難なのです。だから、教科書も「大体のルール」を教えるしかない。

 その大体のルールさえ間違っていて、例外が山ほどあるのだから、どれだけ教科書で学ぶことが馬鹿らしいのか、理解していただけましたでしょうか。


具体的な学習方法

 さて、やっと。やっとここまできましたね。
 ここから、具体的な方法について触れていきます。

 上で述べた通り、いかに「自然で修正しやすいスキーマを作り上げることができるか」が最も気をつけるべきことなのはわかっていただけましたよね?

 と言うことで、我々の母語に帰依しないで第二言語を学ぶにはどうすればいいだろうか? という問題を解決した私の勉強法が次のとおりです。

  1. 基礎を覚える(基礎単語、基礎文法)

  2. 1と同時進行で、正しい発音を知る(聞くこと、実際に発音をすること)

  3. 発音を正しく行えるようにする

  4. 実際にネイティブの外国人と話す

  5. その際、知らない単語が出てきたらその単語の意味を「類推」する

  6. 類推をしたら、実際にその言葉を使ってみる

  7. そして、実際に作った文章をネイティブに頼んで「正しい文章」に修正してもらう

  8. 4〜7を繰り返す

 これが、今考え付く限りの最も自然に言語を習得する方法です。

 「遠回りじゃない?」とか、「めんどくさ!」と言う声が聞こえてきますが、はじめから柔軟なスキーマを少しずつ構成していった方が「正しい言語」を話せるようになるのです。

 急がば回れ精神で、頑張りましょう。


 これから、具体的に1〜8の項目を説明していこうと思います。
が! 「私もお金が欲しい」と言うことで、ここからは有料です。

 正直、今まで出してきた情報をしっかり吟味して、1〜8の方法を考えられる人であれば、この先を買う必要はありません。

 ただ、それはとても手間がかかりますし、時間もかかります。
 それに、もしその方法が間違っていたら、少し遠回りをすることになりますよね?
 なので、この先に書く「注意すべき点」は読んだほうがいいと思います!笑

 ぜひ、買ってください。よろしくおねがいします。笑

 一応買わない方用にヒントだけ出しておこうと思います。

  • 思い込みは捨てて

  • 勉強法の常識には全く当てはまらない

 と言うことだけ、言っておきます。
 気になる方は、ぜひ買ってくださいね!()

 ちなみに、ここから先には種本である「英語独習法」の引用が何回か出てきますので、「英語独習法ってどんなことが書いてあるんだろう?」と言う方も、この先買っていただけると試し読みみたいなことが少しだけできると思います。

 また、細かいことに関する質問は、ご購入された方のみに対応させていただこうと思っております。
 無料で読める内容についてのご質問は誰でも受け付けてますので、ここのコメント欄でも、XのDMでもお待ちしています。


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