転身・転職成功者たちへ聞く、自分らしく働くということ #5 ルーシー・グリーン
悩みも悲しみも、きっといつか『そんな事もあった』と笑える日が来る。そしてその壁を乗り越えた経験が、今悩んでいる誰かを手助けする事に繋がったりもする。
本企画では、転職・転身・独立を経験した女性にこれまでの歩みを伺い、自分らしい生き方を選択するためのヒントをお届けします。
第5回目のゲストは、OLから占い師へと転身したルーシー・グリーンさん。
Landerとは昨年、コンテンツ制作で一緒に仕事をしてからのお付き合い。多くのメディアで活躍する彼女の、占いとの最初の出会いとは?
◆Profile◆
ルーシー・グリーン(@lucygreenstaglam)/占い師
拠点:大阪
Q1:前職・現職について、それぞれの仕事内容を教えてください。
《前職》レストランスタッフ・営業事務。
《現職》個人鑑定・執筆・企画発案・製品プロデュース。
Q2:占い師に興味をもった理由は?
「20代の頃、恋愛で悩んでいたときに、書店で見た星占いの本が当たっていたことに驚いて、その本と小学生向けの西洋占星術の教則本を買ったことが占いの勉強を始めたきっかけです。最初は占い師になりたかったわけではなく、純粋に西洋占星術がおもしろく趣味の一環でした。私は誰かに教わって注意されたり叱られるのが億劫だったので、本やブログが充実していて独学で学べたのも勉強を続けられた要因だと思います。続けるプレッシャーが少なかったんですよね。自分に合った勉強方法を見つけた瞬間でもありました。」
Q3:就職せず最初から占い師を目指す選択肢はなかった?
「『学校を卒業したら企業に勤める』というルートしか知らなかったからだと思います。得意を活かし、自分に合った働き方ができるのは一部の限られた素晴らしい才能と強い運のある人たちだけのもので、ふつうの家庭でふつうに育った私には手の届かない『贅沢』だと思っていました。」
Q4:占い師への転身を考え始めたのはいつ?そのきっかけは?
「はじめは自分や友人・同僚を趣味として占っていましたが、徐々にお礼を頂くようになりました。仕事に出来るかもしれない!と思い、前職の契約終了のタイミングで『占いの館』の占い師として活動を始めました。どこかへ通勤したり、同僚と歩調を合わせて働くより『自宅でマイペースに仕事ができたらいいなぁ』と思っていたこともあり、占い師にはライター的なお仕事もあるのでピッタリでした。」
Q5:転身で最も不安だったことは?その不安はどのように解消された?
「好きなことだけど、それだけで食べていける保証はないということは不安でした。が、企業勤めが向いていないと痛感していたので背水の陣でした。好きを仕事にしていると言うと聞こえは良いですが、好きなことしか仕事にできなかったという表現が実情です。私が社会に出た頃は不景気でリストラや派遣切りがあった時代だったので『どうせなら好きなことで失敗したい』という気持ちもありました。今も不安は不安ですがどの仕事や働き方でもその不安はあると思っています。」
Q6:転身当初の不安と情熱を抱える自分へ声をかけるとしたら?
「みんなと同じような、収入が安定した社会的ステータスの高い仕事を目指さなくてもいいんだよ。あなたはあなたが嬉しい気持ちで働ける仕事を作れるんだよ。」
Q7:自信を失ったり転身したことを後悔したことは?
「占い師は人気商売でもあります。占いの館に入った頃、昼12時から夜22時までお客様がゼロ。一方で他の占い師たちにはひっきりなしにお客様が来ているという状況はつらかったです。よく一人で泣いていました。 でも、『この仕事は私の適職で、うまくいく』という根拠のない自信はずっとありました。他の仕事ができなすぎたことが逆に自信につながっていたんです(笑)。前職を惜しむ気持ちは全くありませんが、今でもレストランやカフェが大好きで、当時は楽しかったのでまた働きたいという気持ちはあります。なんでもそうですが、仕事はその道のプロに任せた方がいいと思います。」
Q8:連載や出版などメディア露出も多い印象ですが、最初のきっかけは?
「独立して約半年後、ファッション誌『CanCam』の占いページが最初の仕事でした。『読者が読んで明るい気持ちになるものを書いてほしい』という依頼がお受けする決め手でした。読者を一番大切にしていることが感じられ、一緒に仕事をしたいと思いました。 私は大阪に住んでいますが、取引先の多くは東京の会社です。そのため、担当者とお会いしないまま、メールのみで始まることがほとんどです。できるだけ依頼の主旨に賛同できる企画や、メールから感じ取れる担当者の人柄から、仕事を引き受けるようにしています。好きな人と仕事したいです。贅沢なようですが、その方が社会的にも健全な気がします。最近は好きなアロマオイルの調香の会社と『星占い×アロマオイル』のスプレーをノリノリで作っています。楽しいです。」
Q9:メディアを通して『発信する事』を大切にしている理由は?
「私、もともと歌手になりたかったんです!軽音楽サークルでライブをしたり、ボイトレに通って曲を作ったり…と活動していましたが歌がうまくなかった(笑)。 あの時の夢は叶いませんでした。でも歌手も占い師も『発信する』という共通点があります。仕事ができなかったり、夢見がちだったりした『小さな私自身』に向けて、歌詞を書いていた頃のように今も言葉を発信しています。そして以前の私と同様、恋愛や仕事の悩みを持っている人達の気持ちが楽になって、ご自身に合った道へ進めるきっかけになりたいと思っています。」
Q10:占い師として、これだけは絶対人に劣らない、譲れないという点は?
「ポップでキャッチー、だけどちょっぴり琴線に触れるキュートな占いテキストを書くこと。」
Q11:新しい環境に身を置き生活で最も変化したことは?また転身して良かったと思える一番の変化は?
「新しい環境に変わった後の生活はなにもかもが最高です。もちろん厚生年金がないとか、風邪を引いても自分の仕事を変わってくれる人がいないとかデメリットもありますが、私にとってはメリットの方が多いです。フリーランスになってから自由に時間を使えるので好きなだけ寝られるし(笑)、自分がいいと思う仕事ができます。でもこのメリット・デメリットのパーセンテージはその人の好みとか気質によると思うので、すべての人にとってフリーランスになるのが最高ということではないと思います。ただ私にとっては最高です。」
Q12:自分の道を築くのに必要な心構えとは?
「自分を愛すること。『光に集まる夏の虫のように愛のある場所』に人は集まります。愛は気持ちがいいから。だから愛のある場所は栄えるし、愛する人はなんだかんだで食いっぱぐれない。愛は神さまからのプレゼントで、誰しもの中にちゃんとあり、愛を発揮するよう意識するとおのずと自分の世界が築かれていくと思います。そして愛され、応援されていることにも意識的でいられるといいですね。仕事と言えど結局『すべては愛』だと思います。」
Q13:自分らしい働き方生き方を選択するために心がけていることは?
「『自分は幸せになってよい』と信じること。友人のことなら『幸せになっていいに決まってるじゃーん☆』と言える人でも、自分のこととなると苦行を積み重ねないと幸せになれないと思ってしまいがち。自分の幸せを信じることができたら、自分を幸せにする選択もしていけると思っています。」
Q14:転職やフリーランス転向を検討中の方に、ルーシーさんの経験を踏まえたアドバイスをお願いします!
「転職・フリーランスに限らずですが、どんな仕事でも結局は人として『いいヤツ』かどうかが大切じゃないでしょうか。それは『都合のいい人』って意味じゃなく、多少破天荒でコミュ障でも『この人といるとホッとするなあ』とか『元気をもらえるなあ』という人は仕事が途切れないように思います。『大きな人間』になるのを目指せば不安要素も減っていくと思います。あなたという生き方のファンを増やしてくださいね。」
Q15:Landerの働き方やチームつくりはどう思いますか?
「はじめてLanderからの仕事依頼をくださった方がパリ在住で、後日打ち合わせにいらっしゃった方がドバイ在住と聞いて面を食らいました!会社ってなんなんでしょうね。同じ職場に通勤しないといけないことはないですよね。みんな知らないだけで、もっと自由に働いていい時代が未来の話じゃなくて、今すでにあるんですね。合理的だと思いました。」
Q16:あなたのモットー(座右の銘のようなもの)は?
「『家内安全・健康第一』。仕事することはやり甲斐もありますし、楽しいのでついつい自分のことや身近な人のことをそっちのけで働いちゃいそうになりますが、安心できる場所があるからこそ、仕事をしていても楽しいと思います。いい仕事も、きっと人間的営みを大切にしている人たちが作っているものだと思います。」
《編集後記》
発信することを大切にしているルーシーさん。今回の言葉を読んでいると、不思議と前向きな気持ちになれるのは、間違いなくルーシーさんの魅力の1つ。彼女の言葉に勇気づけられ、一歩を踏み出す女性がこれからも増えていきますように!(by Sakiko from Tokyo)
クリエイティブプロデューサーMutsumiのロサンゼルスでの活動を辛酸なめ子さんがnoteとハフポストで連載中です。そちらもよろしくおねがいします。 https://note.mu/nameko_la