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バーチャル空間に経済!流入する社会!対立でなく融合のため私は怪文書を書き続ける! - VRChat収益化

 バーチャル空間に経済がやって来る。現在、多くの日本人ユーザーが利用するVRSNS、VRChatで活動するクリエイターたちが、近いうちに収益化できるようになるのだ。創作や表現、バーチャル空間においては「空間」「存在」そのものが価値を生み出せるようになることは、ユーザーに「自分で決めた存在で、自分の世界を生きる」選択肢を具体的に提示する。

 経済活動が発生するということは、ユーザーが今まで「ごっこ遊び」としてきた行動を、「仕事」にできるということだ。「仕事」が可能になるということは、バーチャル空間が現実社会の一部に取り込まれ、倫理観や法制度の規制の対象となることを意味する。財の行き来が実際に行われ、人間の人生や生活に直結するため、なるべく理不尽な結果を生まないようにするためだ。

 しかし、倫理観や法制度には、旧態依然としていて、非合理的に人間の自由を奪うものも少なくはない。特にバーチャル空間での文化、行動様式は、肉体に準拠した家族観やジェンダー観、伝統的価値観からすると非常に奇妙で挑戦的なものだ。しかも旧来の価値観を持つ者たちが、いまだに社会の中枢を占めている。これは我々の文化が、実社会により自由を奪われ、破壊されることになりかねない。

 我々は、自らの文化・行動様式を守るために、体験してきた営みの意義と過程と結果を、さまざまな価値観を持つ人たちが理解できるように説明する必要がある。無理解が故に敵視され、破壊されてきた文化が地球上には数多くあるからだ。理解できるように明文化し、表現していくことは、得体が知れないことに対して怖がっている人間の解像度を高め、その価値観と適合させ、理解者を増やす可能性がある。そこまでいかなくても、「そういう価値観のもとに生きている人たちがいる」と受け入れる土壌を作る。

 我々の文化・行動様式は、創造的で、自由と尊重を目的としており、他者を侵害することを目指すものではない。堂々と、理解を促そうと説明を続けていこう。幸い、我が国には明文化された自由と権利がある。また、バーチャル空間という人工的で普遍的な新大陸での人間の交流は、さまざまな産業を生み出し、経済的な価値を生む可能性がある。我々がバーチャル空間で生み出した価値観を、人間の自由と尊厳のための挑戦という形で明文化し、具体的な経済活動と合わせることは、我々の自由と存在を、文化的、経済的両面から確固たるものにする。

 実社会と地続きになることは、バーチャル空間で生まれた文化様式や価値観が、経済活動という実体を伴って広く普及することにもつながる。実社会には、ジェンダー、性的少数者、家族、地域、コミュニティ、格差、孤立などに関する問題が山積している。それらが原因で苦しんでいる人たちがいる。バーチャル空間でいち早く、似たような問題を創造的に解決することを目指した活動もあり、新たな価値観に基づいた行動が現実の問題を解決し、人間の苦しみを解消する可能性がある。

 そもそも没入型VRは、現実空間での行動の訓練やシミュレーションのために産み出された技術という側面がある。バーチャル空間で生まれた文化様式や価値観も、「人間が空間、肉体から解放された状態」を実質的に実現していると言って良く、これからの自由な社会を創造する上で重要の指標となる「現実のシミュレーション」だ。

 現実にバーチャル空間に生きる我々が、実体験や発想の意義と過程と結果をきちんと表現として記し続けることは、今後の自由で生きやすい世界を作るための材料となる実験結果を残すことである。我々がさまざまな経験を書けば書くほど人類の選択肢は明文化され、広がっていく。実社会とバーチャル空間の融合を創造的なものにするために、私は表現を守る表現として、怪文書を書き続けていきたい。

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