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「バ美肉」「お砂糖」ばかりメディアに出るのはおかしい? - 誰でもできる!プレスリリースの書き方

 「『バ美肉』『お砂糖』など偏ったメタバース文化ばかりがメディアに出るのはおかしい!」という話題がメタバース原住民のTwitterで定期的に話題になる。おそらくテレビ出演激しい美少女VTuberの印象が強いのだろう。しかし、手順さえ踏んでおけば誰でもメディアで発信できるようになるかもしれない。元地方紙記者の蘭茶みすみが解説する。

 「メタバース進化論」を執筆し、NHKなどメディア露出も多いバーチャル美少女ねむ氏は、早い時期から活動の度に「プレスリリース」を発表している。プレスリリースはメディア向けの発表のことで、PRTIMESやVALUE PRESSなどプレスリリースサイトからメディアへ送付される。ねむ氏の場合はVALUE PRESSに所属するVNOSという企業から発表している。

 個人でも送れる

 プレスリリースサイトの多くは企業や団体しか利用できないものの、メールや問い合わせ窓口を使って手動で送付する方法なら個人でもできる。ニュースサイトの多くはお問い合わせ窓口がWEBページの下の方に小さくリンクが貼ってあり、メールアドレスや問い合わせフォームに繋がっている。一度送ってメールアドレスを控えておけば、あとは一斉に送信できる。

 プレスリリースを書いてみよう!

 ニュース性を見つけよう

 メディアは公器だ。「ニュース性」を求めている。ニュース性とは、その出来事が社会にどれだけ大きな影響があるかということだ。例えば「メタバース」がブームならば、「メタバース」そのものがニュース性を持つ。「ウクライナ侵攻」が大問題ならば、ウクライナとの交流や支援、「孤独死」が問題ならば、いかにして孤立を防ぐのか?というテーマの活動がニュース性を帯びる。その分野でニュース性があれば専門のネットメディア、社会的にニュース性が大きければ、新聞やテレビなど大きなメディアが取り上げる。まずは自分の活動がどれだけ社会的に重要か、社会問題やニュースと共通点を探してみよう。そこには必ず「なぜ?」という問いがある。

 「バ美肉」も「性の自己決定権」のようにホットな話題で、「VR飲み会」も人とリアルで会えないコロナ禍では重要なニュースだ。

記事の構成。最初に概要、次にニュース性、だんだんと細かい説明になる

 書き方は新聞記事と同じ

 プレスリリースは、自分の伝えたいことをニュース記事にしてメディア向けに発信して、それをもとに記者がニュース性を判断して記事化するという仕組みだ。最初に「いつ(日時)、誰が(主語)、どこで(場所、プラットホーム)、何を(述語)、なぜ(理由)、どうやってしたか(方法)?」を説明すればいい。俗に言う5W1Hというものだ。

 次にニュース性。「世界初」「(大きなニュース)に合わせた」「(社会問題)を解決するために」というように、意義や理由を書いていく。次に細かいやり方や状況を説明し、「この出来事を通じてこうなってほしい」などのニュース全体を印象付ける関係者のコメントを引用する。最後に関係者の説明、連絡先などを記入する。メディアの現場はリアルタイム性が求められるため、なるべく簡潔に書くことが重要だ。こちらXRメディアPANORAの「インディー開発者のためのプレスリリースの書き方」が参考になるだろう。

 ドシドシプレスを打とう

 メディアは媒体。途中に人間が介在してニュース性を鑑みて調理するだけで、TwitterやYouTubeで発信する延長線上にあるものだ。新聞の現場にいると、高齢の世代からはドシドシとタレコミや「取り上げてほしい」というメッセージが送られてくる。一方、若い世代の読者は離れ、身近な存在ではなくなっている。新しい概念をニュースとしてメディアに送ることは、新聞やテレビなどのオールドメディアにとっては若い視聴者や読者を獲得できるチャンスでもある。メディアが活性化すれば民主主義も活性化し、政治も我々のものになる。メタバースの未来のためにドシドシとプレスリリースを送ろう。例え専門的で小さなニュースサイトでも、大手メディアはそこを伝ってニュースを探しているから出発点だ。

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