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【コラム】御嶽山噴火から生還した山岳写真家-噴火から10年

9月27日で長野県の御嶽山噴火から10年になります。先週は記者時代にお世話になった山岳写真家の津野祐次さんの伊那市にある南アルプスフォトギャラリーにお邪魔しました。津野さんが噴火から生還したときの写真と装備を見せてもらいました。

火山灰に塗れたザックやカメラ、登山靴からは今でも硫黄の匂いがします。当時は下山中で、霧の中だったのですが、水蒸気爆発で気温が上がり、霧が晴れてしばらくすると噴煙が立ち昇ってきたそうです。津野さんは死を覚悟して、火砕流に巻き込まれてもデータを守るために、カメラのメモリーカードを飲み込もうとも考えたそうです。

津野さんは噴火の前後で作風がガラッと変わったと言います。噴煙と噴石に巻き込まれる中で初めて人生において死を身近なものとして意識して、それ以降は帰って編集する前に、その場でカメラの設定を決めて作品を仕上げるようになったそうです。

死生観や作風にも影響する壮絶な体験でした。

津野さんは、火山に登る際はヘルメットを被り、噴煙に飲まれると周囲が真っ暗になるから、ヘッドランプは必須だと言っていました。あとは顔を隠すためのマスクやタオル、目を守るゴーグルです。

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