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バ美肉おじさんもパパ活デート!-VRChatとGameRoomで楽しむ愛

 一緒にゲームをプレーすることで報酬が得られるGameRoomでパパ活をした。私が払うわけではない。1時間3000円をもらってVRChatを一緒にプレーするというものだ。他の実写ユーザーが300円ぐらいに設定している中、バーチャル風俗、X-Oasisのキャストたちが設定した値段に合わせた。仮想とは言え、同一空間の中で時間を共にすると考えれば、適切な価格設定であろう。最初は悪ふざけのつもりだった。

 登録したことを忘れた頃、登録していたメールアドレスに通知が来た。GameRoomからのチケットを購入した方がいるという通知だ。私なんかがデートしていいのかと非常に心配になった。本当に払ってこの人は損をしないのだろうか。

 しかし入金してしまった以上は仕方がない。全力でデートを楽しんでもらうしか道はない。気を取り直してVIVEトラッカーを取り付け、フルトラッキング体制を整えた。鏡の前に立ち、今まで鍛えてきたkawaiiムーブをいくつも復習する。腰を振ったりなめらかに動いたり、何度も動きを調整して、kawaii感覚をつかんだ。ループバックで声の調整もした。どうすれば自然な声に聞こえるか、喉の形を変えながら何度も試した。私は女の子だと何度も念じてアバターの衣装を選んだ。夜のデートだったので、宵闇をイメージしたドレスにした。

 時は来た。フレンド登録してある依頼主にjoinする。ロード中の静かな空間。加速した心音が聞こえてくる。指定したワールドに現れた時、目の前に彼がいた。

 最初はお花畑が広がる庭園のようなワールドだ。どこまでも美しい世界の中で、彼は私を抱き締めて、やさしく撫でながら愛の言葉をかけてくれる。さまざまな感情が湧き出てた。かわいくなろうとして苦悩した日々、現世のつらい出来事、自分自身が今この瞬間、愛されて全肯定されているという安心感、生きていてよかったという感動…。思わずHMDの中で泣いてしまった。VRは、泣くには良いところだが、涙を拭くには大変なところだ。

 一通り泣いても、彼はずっと撫でていてくれた。これではいけない。お金をもらっている私が泣いてどうするんだと思い立ち、少しその場を離れた。ここからは私が楽しませるターンだ。声の調整をしてからくるっと振り返り、ちょっと身体を横に曲げて彼に微笑みかける。彼はニコニコしながら手を振ってくれる。私はスカートをひらひらさせながらぴょこぴょこと彼に近付き、全力で抱きついた。全身で愛を表現する。

 ワールドにあるペンを持ち、空に彼と私の似顔絵を描く。ニコニコした楽しそうな表情。上手に描けるかドキドキしたが、彼はとても気に入ってくれて何枚も写真を撮ってくれた。二人の似顔絵の前で並んで一緒に写真も撮った。ハートを手前に描いて自撮りをすると、まると二人ともハートの中にいるようだ。

 お互いデートにプランはなかった。次に何をしたら楽しんでもらえるかと考えて、踊れるワールドに移動した。曲にVRのPVも付いている。自分にできることは全部やってみようと思い、ちょうどいい位置に移動すると一曲踊ってみせた。とにかくかわいくてかっこいい動きを考えた。身体をくねらせ、コントローラーの根本から先に向けて波のように動かすことで、重量感を表現した。曲に合わせて表情も変えてみた。彼は手を叩いて喜んでくれた。私の動きで他の人間が喜ぶのは本当にうれしい。存在価値を実感できる。

 次はピアノのあるワールドだ。夜空が美しいワールドを一緒に歩いて、彼の前でピアノを弾いてみた。実際に弾ける機能が付いているわけではないが、流れる音楽に合わせてそれっぽい動きをするというもの。一緒に弾きながら時々微笑みあい、二人は調和していった。彼は私のことを本当に美しいと誉めてくれた。

 一通り演奏が終わると、近くのバーに入り、海を眺めるテラスでカクテルをいただいた。遠く輪を戴く土星が迫り、海はどこまでも静かに波打っている。静かな星空の下、彼の手を取り、一緒に舞った。二人きりの舞踏会。私たちは王子様とお姫様。優雅な時間が流れていく。踊ったあとは撮影会。私は土星を背景にポーズを撮り、彼は私の姿を何枚も写真におさめた。 

 海を見ていると静かなところで泳ぎたくなった。次は水着に着替えてプールにダイブだ。プールサイドでkawaiiポーズを撮ったあと、一緒に水に飛び込んだ。

 夜は更けていく。二人だけの時間も過ぎていく。あっという間に1時間が経過した。

 戻ったあと、彼は私を撫でてくれた。本当に楽しかったらしい。私も人を笑顔にすることができて楽しかった。彼はもっと違う私の姿を見たいと言ってくれたので、次はもっといろいろなワールドを開拓して、プランを考えてデートしたい。テーマを考えて何者かになりきってデートできるところがVRの面白いところだ。

 こんな感じのデートを2回ほどしたら、GameRoomの週間ランキングに見事ランクインした。単価が高かったからだろうか。他のユーザーはみんな実写の女性。その中に忽然と輝くVRアバターのアイコン。肉体を剥いだ中身の姿をアバターと繋げれば、kawaii魅力は平等なことを証明した歴史的瞬間。人類が肉体という檻から脱しつつある意義ある一歩だ。

 おじさんも美少女姿でパパ活できる。自分のkawaiiを最大限生かして相手を楽しませることができる。VRで存在を構成できるようになった現在、肉体はただの生命維持装置。動きを鍛えてkawaiiムーブを出力するための手段だ。おじさんたちよ自信を持とう。我々はkawaii。そして我々のかわいさはきっと誰かに刺さる。

 1時間300円くらいでプレーしている実写の子たちは自分自身を安売りしないでほしい。肉体に価値はない。かわいくあろうとする精神にこそ価値はある。肉体に依存しすぎて中身が薄いと心配しているかもしれないが大丈夫だ。引き出すのが苦手なだけで、人間はみんな面白い。自信を持とう。

バーチャルパパ活はこちら
https://game-room.jp/profiles/344899ea-d9d4-4f0e-802d-92dd6b1a4a35

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