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顔面神経麻痺は突然に

2023年9月7日(木)午前7時
それはいつものように朝食を食べている時、突然やってきました。
顔の右半分がどうもおかしい、口がうまく閉じられないのです。
それは後ほど顔面神経麻痺(ベル麻痺)と診断されるのですが、それは長い一日というか半日たってからのことです。

どうしてこの記事を書こうかと思ったのかまずはその理由を。
顔面神経麻痺はある日、突然、誰にでも起こりうることです。
そして、はじめはそれが何なのか分からず、結構焦ります。
また、いつ治るのかもわからないため、先が見えない不安や煩わしさが続きます。
そこで、この病気の経緯を綴ることで、自分自身の観察経過記録と、同じような症状になっしまった人にとっての参考になればと思ったからです。

9月7日朝のこと

そういえば、昨日(9/6水)のお昼辺りから食べ物を食べた時どうも味がしない、というか舌が滑るような感じがして違和感はあったのです。
それは何か刺激のあるものを食べたあと、舌がピリピリするような感覚でした。
でも何か特別なものを食べたわけではなくおかしいなと思いながらあまり気にはしませんでした。
後で思えばそれはすでに舌が麻痺していたのでしょう。
ちなみに、舌に麻痺が起こるのは珍しいそうです。

あくる朝9月7日、朝食を食べながらも違和感は続いていました。
みるみる違和感は増していき、朝食を食べ終える頃には明らかに「これは何かおかしい」とわかりました。
歯を磨こうにも口がうまく閉じられず、横から水が漏れていきます。

今日は予定を変更して病院に行こうと決めたのはいいものの、はたしてどこの病院にかかれば良いのか分からず、ネットで症状を入力して調べ始めました。

「顔右側麻痺」と入力するとどうでしょうか、まず結果として出てくるのが
「顔面神経麻痺」という聞き慣れない病名です。
それとともに出てくるのが「脳梗塞」という単語です。
もし、顔面神経麻痺だとすれば「耳鼻咽喉科」への受診がすすめられ
もし、脳梗塞だとすれば「脳神経内科」への受診となるようです。

どちらにしてもびっくりします。

迷ったら#7119へ電話せよ!

さて、どうしたらよいものか、
もし、脳梗塞だとすればそれは急を要します。
でも、そうでなければまあ、あまり慌てる必要はなさそうで自分で病院に行けば良いいや・・・と続けて検索していると、「迷ったら#7119」へというキーワードが出てきました。

そこで早速 #7119 へ電話してみました。
電話口で症状を伝えると担当の方から思わぬことばが、
「今すぐ119番へ電話して救急車を読んでください」
え、救急車を呼ぶほどのことなの??
一気に心拍数が上がってしまいました。
動揺してなぜか、コールセンターの方に交渉をはじめてしまいました。
「どうしても救急車呼ばなければいけないですか?自分で病院に行くのではだめですか?」
間髪入れず一言
「だめです!」
この一言に後押しされ、恐る恐る救急車を呼ぶことになったのです。

後で知るのですが、もし半身に麻痺症状などが出た場合は、脳梗塞をまず疑います。
私のように救急車を呼ぶを迷ったらまずはとにかく #7119 へ電話をしましょう!
もし、救急車が必要なければ自分で病院に行けば良いのです。
脳梗塞であれば、とにかく急を要するので自己判断はしないことがおすすめです。

総合病院での診察まで、まずは脳の検査から

とにかく救急車が来るまで落ち着きません。
電話をしてから約5分で家の前にサイレンを鳴らした車が到着しました。
手を上げて合図をしたのですが、救急隊員から患者さんはどこですか?と言われたときは「私です」というのには気が引けました。
普通にあるけるのですから・・

早速救急車の中に寝かされて、問診が始まります。
なんだか、あまり急病人のようではなくて申し訳無い感じがします。
症状の中で「味覚症状」を話したところ、コロナを疑われ、すぐにマスクを付けられました。
隊員さんは親切でした。

問診をしながら後ろでは、行き先の病院との連絡をしているようです。
どうも、近くの総合病院からは断られ、2,3件目にようやく隣町の病院に行くことがきまりました。
病院名を聞かされても分からず、とにかく救急車は発進し、後は揺られるがままに緊急治療室に到着しました。

救急車代って必要なのかな?
後で請求がくるのかな?
などと間抜けなことを考えている内に処置室に運ばれ担当の脳外の先生の問診がはじまりました。

流石、救急対応です。
受付には大勢の人が順番待ちをしている間に、あっという間に問診、検査になります。
検査着に着替え、車椅子に乗せられ、健康診断と思われる人々の間をさっと通り抜けMRIに入れられました。
MRIの中は15分ほど、筒の中で轟音にさらされます。

異様な15分でした。
この間、死をとても近くに感じたのです。
もし、脳梗塞だったら、手術や、入院はどうなるのか、教会の予定はどうだったか、入院中のあの方はどんな気持ちだったのだろうか、これまで自分が見舞い、祈ってきた人たちはどんな気持ちだったのか、自分は本当に寄り添っていたのか、
家族はどうなってしまうのか・・・もしこのまま死んでしまったら・・・・感謝すべきことを思い出し、自然と祈りへと導かれていきました。

後で思い返すと、自分が死を思ったときに、家族や教会をとりなすのと同時に、感謝が出てきのは幸せなことだと思いました。
最後に感謝ができる信仰生活、それは神の恵みではないでしょうか。

さてその後、血液検査と進んでいきます。
ちなみに、患者として車椅子に乗ったのははじめてのことでした。
自分で歩けるのに、車椅子を押してもらうのはなんだか申し訳ない、
診察待ちをしている患者さんにもなぜか、申し訳ない思いが・・・

一時間弱、ベッドに寝かされ検査結果待ち。
いよいよ、診断のときがやってきました。

診断結果は「顔面神経麻痺」たぶん、「ベル麻痺」でしょう。
とのことでした。
急を要するような病気ではないが、気長に治療が必要ですと言われました。
結果を聞いてまずは、脳梗塞でないことに一安心。
それでも、まず脳神経系の病気を疑ってから可能性を潰していくのは得策だったようです。
さて、これからどんな治療をしていくのか、気長にということなので近くの耳鼻咽喉科に紹介状を書いてもらい、今後はそちらでということになりました。

病院まで付き添ってくれた妻には感謝が尽きません。
一人でも大丈夫と思ったのですが、救急車を追って後からついてきてくれた妻の姿を病院で見たときはほっとしました。
妻も検査待ちの間、これから子どもたちをどうやって育てていったら良いのだろうとまで考えていたようです。
その晩の家族と一緒の夕食は格別な思いがしました。
家に帰れたこと、いつもの食事、日常を改めて神様に感謝します。


症状の経過・・翌日

もしかしたら、朝起きたら何事もなかった・・・なんてこともなく、昨日よりももっとはっきりと症状が出てきました。
味覚がおかしい、食べ物が上手に食べられない、中でも右目が閉じられないのは辛いです。
こうしてパソコンに向かっているときも瞬きができず、目が乾いて涙が出てきます。
たまに右目を手で抑えて目を押さえながら過ごします。

9月8日(金)
朝から台風13号の接近によって雨風が強くなってきました。
急遽教会の聖書講座を中止にしたので、その時間を使って紹介状をいただいた近くの耳鼻咽喉科を受診

こちでは耳鼻咽喉科の視点ではっきりと「ベル麻痺」との診断をいただきました。
念のためにハント症候群(帯状疱疹、水痘)の可能性を調べるために再度血液検査。
私の場合は、抗ウイルス薬(ステロイド)に追加でビタミン剤が処方されました。
医者からはくれぐれも働き過ぎないようにと言われ、私が牧師と知ってか、
「今は仕事は控えて、よくお祈りするように」
安静にしているようにということだったのでしょうが、なんだか預言的なおことばをいただきました。

ベル麻痺はストレスや過労が引き金となり、ウイルスが活性化して発症します。
症状としては「顔がまがる」「口の動きが悪くなる」(口は悪くはなりません)「口から水がこぼれる」「目が閉じにくい」まれに「味を感じなくなる」といった顔の筋肉が動きにくくなります。

顔面神経麻痺は顔面の神経がどこかで圧迫されることで起こるもので、その原因は事故や手術などの外傷の他、ほとんどはウイルス性のものだそうです。
多くの場合、朝起きて突然に起こるのが特徴的です。
診断の60%は「ベル麻痺」と呼ばれる単純ヘルペスウイルスが関与するもので
約20%は「ハント症候群」と呼ばれる水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化によって発症するもので、こちらは耳の周囲に水疱ができたり痛みを伴うそうです。
受診病院としては耳鼻咽喉科が一般的となります。
色々なサイトで詳しく書かれていますので参照ください。

キーポイントは早期受診、治療開始

自分が受診するまで顔の麻痺って、耳鼻咽喉科だったとは知りませんでした。
もしかしたら、何日かしたら治るだろうと、もう少しほっておいたかも知れません。
でも実際は結構大変ですぐに病院に行こうとすると思います。

繰り返しますが、どこかに麻痺を感じたら、脳梗塞を疑いながらすぐに受診してください。
そして、顔面神経麻痺の場合3日以内に治療を開始することが重要になるそうです。
程度によってですが、抗ウイルス剤やステロイド剤、点滴や注射などが行われるようです。
とにかく早期治療開始が後遺症の可能性を低め、完治までの期間を早めるようです。

しかし、脳梗塞だった場合は一刻を争うわけで、とにかく私のような違和感を感じたら普段かかっている病院、耳鼻咽喉科や脳神経内科、あるいは#7119へ問い合わせることが重要です。

私は治療を開始したばかりでこれからどうなっていくのかはわかりませんが、まずはこのような症状を発症した方の参考になれば幸いです。

一週間後の経過はこちら






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