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視点を変えるインテリエア。


完璧に整った家具や道具が入荷するとは限らない。僕らは新品ではなく、中古品を取り扱うのだから当然である。日々食器や家具、古道具まで、お客様から買取をさせてもらえている。中にはジャンク品(動作確認が取れていない品)、かろうじて動いているものまで。
僕らは日々そうやって沢山の恵をいただき、販売できているのだ。

とは言ってもジャンク品ということになると、店内でもモノによっては店内でも動きが遅かったりするわけで、部品が足りなかったり直せないものは、インテリアとしての販売になる。経年のダメージや独得な雰囲気を纏い、空間づくりには最適なんだろうけど、それでも”使いたい”という微かな欲が買い手の心のどこかで密かに存在しているに違いない。

僕にも直す技術があれば….と日々思う。(実際に手が回らないのも事実、ごめんなさい)。
そんなジャンク品をいくつか漁っていると、かなりボロボロな振子時計を見つけた。ガラス窓は綺麗、本体がボロの状態でそのまま販売するには悩むような品。どうしたもんかと、とりあえず鉄と木に分解していた。指針のカバーとなるガラス窓、「時計の部品」から「木枠の丸いガラス窓」へ認識が変わった途端、壁に飾ってみたり、サイドボードの上に置いてみたり、ドライフラワー乗せてみたり、小さな油絵を貼ってみたり。

時計本体とガラス窓を留めるために付いていた、錆びたマイナスネジ。
それまで時計の部品としての役割しかなかったものが息を吹き返し、インテリアとしての可能性に満ちあふれた。古道具と認識されてしまったものは手に触れなければ、ただ退化していくだけ。けれども、誰かが触れることでモノの存在価値は常に変わり続ける。これだから古道具の販売をやめられない。

きっと誰かの心に刺さる「木枠の丸いガラス窓」でありますよに。




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