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カオナシから「わたし」へ

こんにちは
自己効力感を高めるコーチのLamaです。

「どのジブリ映画が一番か?」

という問いは
「きのこの山か?たけのこの里か?」に似た
血で血を洗う抗争が起こりがちですが、
私は文句なしに

「千と千尋の神隠し」

推しです。

理由は、「美しい、かつ深い」から。

もちろん他の映画も楽しいし、
深いし、いろいろ学ぶことはあるのですが、
一言でいうと

「人間理解の深さ」

というくらい、私の中で
他の作品と肌触りが違うかんじなのです。

カオナシは一体誰なのか?

そして、
このストーリーにこの深みを与えているのは、
カオナシの存在だと断言したいのです。

カオナシはぼんやりした影のようで、
最初は誰もその存在に気づきません。
雨の中外にいるところを偶然千尋が見つけて、
「どうぞ」と招き入れられるシーンがあります。
初めて自分の存在に気づいていてくれた彼女に
もっと自分を知ってほしいという
欲望を持ちます。
おしゃべりのカエルを丸呑みにし、
「あ...あ…」としか言えなかったのが、饒舌になり、
砂金をばらまいてみたりして、
油屋ですっかり上客として崇め奉られ、
食べきれないほどのご馳走を前にするのです。

もうぼんやりとした影ではない。

巨大化し、誰もが認める存在。

自分は周囲が羨むものを手に入れた。

どうだ!とばかりの姿で千尋にこう迫ります。

「これを食え。
 こっちへおいで。
 何が欲しいんだい?
 さあ、欲しがれ!」

でも、千尋は拒否します。

「私が欲しいものはあなたには絶対に出せない」
さらに
「おうちはどこなの?」

と聞かれ

思わず
「サミシイ」と言葉がでるのです。

***

いかがですか?

映画のパンフレットで
カオナシは
「謎の男。己を持たない悲しい存在」
とあるそうです。

ストレングスコーチングの最中に
映画を見た時の衝撃がよみがえりました。
気づいてしまったのです。

ああ、私はカオナシだ

これまでの私はカッコいい、
できる人だと思われたい
という欲望に飲まれて、
いろいろなスキルを手に入れることばかりに
目が向いていました。
入口としては
コーチングもその一つだったかもしれません。

私はずっと
トロフィー獲得ゲームから
降りられなくなっていました。

一つトロフィーをもらっては、
それを投げ捨て、
次はもっと大きなトロフィーを、
というように
無限の可能性に向かって
少し先を行く誰かを見つけて焦り、
無限の不安を増幅させていたのです。

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カオナシがたどり着いた場所

そんな私が
誰かと比べて優れているか、
劣っているかという目盛りを外せたのが
ストレングスコーチングでした。

ストレングスファインダーは
米国のギャラップ社が開発した、
34の資質の順位で、
その人の持つ才能(=強み)を
統計的に導き出すアセスメントツールです。

34資質そのものは中立で
どの資質もプラスの面と
マイナスの面を持っています。

最初に自分で結果を見たときは
「ふむふむ、当たってるぞ」と
まるで占いを読むかの如くだったのですが、
一緒に講座を受けたメンバーと見比べてみると
誰一人同じ人はいないことに驚きました。

人はなんてカラフルなんだろう

これは私が
ストレングスコーチングを受けた
一番の気づきです。

そして、自分自身が
過剰なまでの「私の可能性」への執着を
こじらせていたことで
自分が今手にしている素晴らしいものに
目が向けられていなかったことに
気づいたのです。

カオナシは
千尋がハクからもらった団子を口にしたことで
全てを失います。
もう砂金もなく、
言葉も「あ…」としか言えず、
誰も相手にしてくれない
元のうっすらとした存在になったカオナシ。

でも千尋と一緒に油屋を離れ、
銭婆のところに向かい、
「あんたはここで私の手伝いをして頂戴」
と言われます。

カオナシは
何もかもを手に入れた時は空虚でした。
最後に誰かに必要とされ、
居場所ができたことで救われたのです。

人は気づいた時から変われる

そもそも
自分が箱の中にいる、
というのが最大の気づきだと思うのです。

私はすぐにトロフィーゲームから
抜け出すことはできないかもしれません。

でも、それがもとで苦しみ始めたら
その箱を一旦出て、
ありのままの自分であってもいい
ということを学びました。

健全な向上心は持ちながらも、
たまに寄りかかれる誰かがいる
そう感じられれば、
また挑戦ができます。

私がコーチとしてやりたいことは
誰かが根っこを張る場所を
探したりするのを応援したり、
たまに寄りかかれる存在になること。

本来は身近な家族や友人が
そうであれればいいのですが、
近しい関係だと
どうしても利害や価値観が
対立してしまう場合があります。
その点コーチングは
ジャッジせず傾聴してもらえる経験です。

風邪をこじらせてようやく病院に行くのではなく、
ちょっと疲れたなと思ったら、
栄養のあるものを食べたり、早く寝たり、
身体をいたわるのと同じように
心もこじらせる前に、
メンテナンスをしてみませんか?

まずは自分の幸せのバケツを満たしましょう。
そして、水がバケツ一杯になったら、
足りない誰かにシェアしてあげてください。

心を満たすのはスキルではなく、
あなたのありのままを抱きしめてくれる誰かです。
世界に幸せな人が一人でも増えますように。

■コーチングのご予約はこちらから

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