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アートと本とコーヒーと:土砂降りと赤い花

家族の暮らす地方に発せられた大雨特別警報に落ち着かないまま、昨夜は、東京も土砂降り。浅い眠りから覚めた今朝、ベランダのハイビスカスが大きな花を咲かせていました。

大きく真っ赤な花は上を向いて開き、どこか誇らしげ。

どんなときだって、花は咲くんだなあ。

収束するどころか事態は悪化しているとさえ思えるコロナ感染症、頻発する自然災害。お盆と終戦記念日。生きることそのものに向き合わざるを得ないときに、ファッションの話なんてと思いながら、ファッションが土砂降りの中の赤い花になることもあるのではと、本だなから2冊を取り出してみました。

『Fashion Mash-Up』はロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館が制作。たとえば、BC200年から2010年までの靴の写真を並べて変遷を表現したり、イラストでディテールを紹介したり、写真の右ページのように服をシールにして、着せ替え人形のように遊べたり……。美術館の所蔵する豊富な資料と知見を、教科書的にではなく、遊び心いっぱいに伝えようとするところが貴重。ラメ入りのタイツに靴、ゴールドのジュエリーまでシールになっていて、いったい、製作コストって……みたいなことを考えるわたしには、到底、作る資格のない1冊です。

黄色の本『チープ・シック』は初版が1977年で、作家の片岡義男さんが訳されたことでも知られている1冊。

ニューヨークの出版社で働くナンシー・クロウという女性が下のように語ります。

どの服もみな、私を楽しませてくれているわ。着ている人の肌を守るという機能のほかに、その人を楽しませる役も果たすと思うの、服は。

ロングスカートかと思えばマイクロミニ、ボディコンかと思えばボーイフレンドサイズ、ショーツが見えるほどローライズもあればハイウエストもある。いつもファッションは、軽やかに前例や価値観を裏切って、一瞬にして、自分の景色を変える。これこそ、ファッションの持つ大きなエネルギーだと思います。

このところ、毎朝、飲んだのは、SARUTAHIKO COFFEEで購入した深煎り「大吉ブレンド」。久しぶりにクイジナートのミルで豆を挽いて淹れてみた。粗びきにしたら、一口目にばっ~と口の中に重めの香りが広がって、すぐに、さっ~と引いていく感じが好みでした。

人によって「赤い花」の種類は違うだろうけど、きっと、誰にも必要。そう、不要不急の意味が違うように。

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