フリーランスだからこそ、仕事以外の場をつくることで、心が安定する
フリーランスで働いていて、つくづく実感するのは、仕事とプライベートの境目が薄い働き方である、というところです。
「仕事と遊びの境目がない働き方」というと、ちょっと素敵な感じがするかもしれませんが、「うっかりすると、いつも、仕事のことを考えてしまう」という側面もあります。
実際、フリーランスの方から、「夜も仕事の問い合わせが気になって、お返事してしまって、疲れる」といった相談をいただくことは、よくあります。
HSPさんは、相手との境界線が薄くなりがちなので、気質的にも、仕事にのめり込みやすいかもしれません。
熱がめぐる仕事をしているので、苦痛なわけではないのです。
でも、四六時中、「仕事人の自分」で存在し続けてると、疲れてしまいますし、人生が単色になります。
フリーランスこそ、仕事以外の場をつくることで、心が安定します。
それを実感するようになったのは、趣味の合気道を始めた時期です。
起業して、コーチング業専業になって数年経った頃、なんか、新しいことをやってみたいな」という思いが出てきまして、友人が勧めてくれた合気道を始めました。
一週間に、一回、2時間の稽古。道着を着て、普段はしない動きを、たくさんします。
合気道は心と身体のつながりを大切にする武道なので、自分の興味関心とも繋がり、面白いのですが、なかなかの運動量。
「思ったより大変だ、続けられるのだろうか・・」と、不安になったことも、ありました。
でも、数ヶ月続けた頃、ふと、「合気道の人」の時間があることが、なんだか、心地よいな・・ということを、実感したのです。
当時は一人暮らしをしていて、しかもフリーランスなので、ほとんどの時間、自分のアイデンティティが「コーチ・コンサルタントの山口さん」だったのです。
「コーチ・コンサルタントの自分」として世界を眺め、ものを考え、人と接する時間が、1日の大半を占めていました。
それが、合気道を始めたことで、「合気道の人」である自分が生まれたのですね。一人きりで始めたことだったら、それはきっと難しかっただろうと思います。定期的に通う教室があり、先生がいて、一緒に稽古する方々がいて、「合気道という場」が存在していたから、「合気道の人」である自分が生まれ、育ったのです。
ひとつの世界から、ふたつの世界になった!
ふたつの世界を行き来することで、人生に安定感が増しました。それより以前、不安だった、というわけではないのですが、柱が増えて安定感がました、ような感覚になったのです。
ものの見方や感じ方、考え方が多層になったのは、言うまでもありません。
その後、パートナーとの暮らしも始まり、行き来する世界がみっつになりました。
誰しも、複数の世界を行き来したほうが、生きやすく、彩も増すのではないか・・・ということは、以前から、思っていたことです。仕事にのめり込みやすいフリーランスは、なおさら、仕事以外の場をつくることで、生きやすく・働きやすくもなります。
そんな、実体験でした。
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