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今週発表されるPCEに注目すべし:Fundstrat トム・リー氏

 ファンドストラットのトム・リー(Tom Lee)氏のCNBCインタビューです。大統領選挙の潮目の話、Russellの話、エネルギー銘柄への見解など。
 今週金曜日(7/26)に発表されるPCEデータによっては、7月利下げの確率も暴騰する可能性もあり、今後動向のターニングポイントとなる得るとしています。


(Origial:2024/07/22)


インタビュー


Carl Quintanilla(CNBC)
 
こちらには、ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズのリサーチ責任者であり、CNBCのコントリビューターでもあるトム・リーさんにお越しいただいています。トム、来ていただいてありがとうございます。

Tom Lee(Fundstrat)
 お会いできて嬉しいです。

Carl Quintanilla(CNBC)
 政治ニュースから始めるか、経済ニュースから始めるか、どちらが重要でしょうか。

Tom Lee(Fundstrat)
 短期的には政治ニュースが重要ですが、長期的には経済ニュースが重要です。

Carl Quintanilla(CNBC)
 その理由を説明してください。

Tom Lee(Fundstrat)
 短期的には、市場は特にセクターレベルで、11月に共和党か民主党のどちらがホワイトハウスを取るかに非常に敏感です。また、議会選挙や州選挙も同様に重要です。先週見られたマーケットの動きは、おそらくトランプ氏に傾く中で、小型株の工業株や金融株がラリーしたためだと考えられます。

Carl Quintanilla(CNBC)
 ご自身の見解を維持しているということですね。つまり、10週間で40%の上昇ということですか?

Tom Lee(Fundstrat)
 これまでと変わらない内容は、小型株がFRBの引き下げに非常に敏感であり、FRBの引き下げが行われる確率が非常に高いということです。今回は、ショートポジションの量とラッセルの売られすぎの状況から、さらに大きな動きが予想されており、夏の終わりまでに40%の上昇が見込んでいます。

Sara Eisen(CNBC)
 その点を掘り下げてみたいのですが、NVIDIA、Tesla、Microsoft、Metaといったハイテク企業が、民主党の勝率が高まっている中でアウトパフォームしているのは理にかなっているのでしょうか?

Tom Lee(Fundstrat)
 その点についてですが、日々の動きにはノイズが含まれることもあります。例えば、先週はNASDAQが久しぶりに大きく下落しましたので、少しの反発が見られるかもしれません。それでも、私も同意見です。FAANG株が必ずしもカマラ・ハリス氏がホワイトハウスを獲得することを見越した動きとは思いません。

Sara Eisen(CNBC)
 しかし、トランプ・トレードの影響が薄れている証拠もあります。ラッセル指数はパフォーマンスが低下し、ビットコインも今日弱含みで、金融株やエネルギー株も下落しています。

Tom Lee(Fundstrat)
 確かに、ラッセル指数の売りは先週の中頃から始まりました。現在ではほぼ5%の下落です。これは、10月の最初のラリーの後に起きた動きの鏡像(Mirror image)です。その当時も8営業日で5%の下落があり、その後7週間で25%のラリーが続きました。今日の状況もそれと大きくは変わらないと思います。

Carl Quintanilla(CNBC)
 あなたの長年のデフレに対する楽観的な見方は変わってきていますか?金曜日に何かサプライズを予想していますか?

Tom Lee(Fundstrat)
 不確定な部分もありますが、インフレーションが急速に低下する要因は整っていると思います。現実には、住宅市場や自動車市場で持続的な景気後退が起きています。これらはCPIバスケットの約60%を占めており、FRBが利下げを行って信用を注入するまでは減少が続くでしょう。したがって、FRBの利下げは早期に行われる必要があります。同時に、新たなインフレの要因も見当たらないため、インフレは予想以上に低下すると思います。金曜日にそのサプライズがあることを期待しています。

Carl Quintanilla(CNBC)
 エネルギーも同じ状況でしょうか?ガソリン先物は数週間ぶりの安値で、WTIは今日80ドルを下回りました。ブレント原油も200日移動平均線を下回っていますね。

Tom Lee(Fundstrat)
 そうですね、短期的にはエネルギー株は厳しい取引になると思います。原油が圧力を受けている間は、エネルギー株を重視するのは難しいでしょう。トランプ氏の下で掘削が進むと、原油価格には下押し圧力がかかります。しかし、今後3~5年の間では、エネルギーは素晴らしい投資先だと思います。今年はエネルギーが私たちの注目を集めることはあまりないでしょう。

Sara Eisen(CNBC)
 市場は9月の状況をすでに織り込んでいますね。そこで気になるのは、9月に利下げが行われ、さらに12月にも利下げが予想される中で、市場がさらなる上昇を続けるためには何が必要なのかということです。

Tom Lee(Fundstrat)
 9月の利下げは96%織り込まれていますが、いくつかのことがさらに織り込まれる可能性があります。例えば、7月の利下げの可能性もありますし、金曜日のデータ次第ではその確率が4%から70%に変わるかもしれません。

Sara Eisen(CNBC)
 FEDは政策変更を予告しませんね。今は”沈黙期間(Quiet period)”ですし。

Tom Lee(Fundstrat)
 その次の会合まで8週間あるという特別な状況です。インフレが停滞し、PCEが2回連続でゼロを示し、スーパコアも減少傾向にある場合、9月まで待つ必要があるとは誰も言わないでしょう。そのため、状況は変わる可能性があります。依然として多くのインフレ強硬派が存在し、クライアントからもインフレの第2波が来るという意見を聞きますが、それは間違いだと思います。

Carl Quintanilla(CNBC)
 金曜日は間違いなく重要ですね。トム、いつもセットに来てくれてありがとうございます。

 
 
以上です。


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だうじょん


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