来週の重要イベントのFOMCを乗り越え、選挙後からのラリー期待(9/13 トム・リー)
来週、米国現地 9月18日にFOMCの会合後に発表される利下げ幅について、昨日の9月13日(金)のマーケットクローズ後となるFedWatchツールでは、25ベーシスポイントが50%、そして、50ベーシスポイントが50%となっており、債権投資家の予測は、完全に均衡してしています。
現時点では、どちらに転ぶかは半々。蓋を開けて見なければ分からない状況となっています。
そんな中、13日にマーケット・クローズ後に、ファンドストラットのトム・リー氏のCNBCインタビューがありましたので、以下に紹介したいと思います。このインタビューでのトム・リーの主な見解と今後の見通しは以下の通りです。 ご参考下さい。
一般的に9月の市場は不安定。特に月初に下落するとそのまま悪化して着地することが多い。大統領選挙も控え、向こう8週間は、不安定な相場が続く可能性が高い。
来週のFOMCは、今後の市場を支えるにあたり重要なイベントとなる。但し、ポジティブな結果となると楽観視している。
FOMCの利下げ幅は、0.25%であっても0.5%であっても、それぞれにタカ派とハト派の側面があり、パウエル議長の発言時のトーンが鍵となる。
メガキャップ株と小型株の今後のパフォーマンスについては、メガキャップは、どんなサイクルでもうまく機能する。一方で、FRBが金利中立化を進めることをマーケットが信じるようになれば、景気循環銘柄や小型株にとって追い風になり、年末や今後12か月にかけて小型株のパフォーマンスが良好となる可能性が高い。
(1)インタビュー
[ジョン・フォート](CNBC)
今日、9月13日の市場の動きを振り返りながら、Fundstrat Global Advisorの共同創業者であり、CNBCのコメンテーターでもあるトム・リーさんにお話を伺います。
トム、小型株は注目していると思いますが、今日は好調でしたね。とはいえ、9月にしてはどうなんでしょうか?序盤は厳しいスタートでしたが、今は少し落ち着いてきたように見えます。
[トム・リー](Fundstrat Global Advisors)
視聴者は、少し混乱していると感じるかもしれませんが、これから選挙当日までの8週間はそういった状態が続くと思います。この期間は非常に不確実で、誰も確信を持てない状況です。というのも、実際に誰がホワイトハウスに入るかが分かるまでは、判断が難しいからです。しかし、ポジティブな要素も出てきています。来週には、FOMCが開催されます。FRBは利下げを行うと見られていますし、インフレのデータも後押ししており、労働市場もサポートが必要な状況です。これらが市場に少し自信を与えるのではないかと考えています。ですので、FOMCまでの期間、そしてその後1、2週間も市場は堅調に推移する可能性があると思います。
[ジョン・フォート](CNBC)
市場が5,300から5,700の範囲で推移するためには、50ベーシスポイントの利下げが必要だと思いますか?
[トム・リー](Fundstrat)
25ベーシスポイントか50ベーシスポイントの利下げには、それぞれタカ派的な意味合いもハト派的な意味合いもあると思います。
[ジョン・フォート](CNBC)
確かにそうですね。
[トム・リー](Fundstrat)
最終的には、パウエル議長の発言のトーンが重要だと思います。もし、これが景気を中立に戻す自信を持ったサイクルの始まりだと示されるとすれば、どんな数値であってもハト派的でポジティブな意味合いになるでしょう。しかし、もしFOMCメンバーが迷いを持っている様子が見られたり、景気後退のリスクが懸念される場合、どんな決定であっても市場にはネガティブに受け止められる可能性があります。但し、それでも今回はポジティブな結果になるとは思っています。
[ジョン・フォート](CNBC)
確かに、FRBの発言を聞く限り、その方向に進んでいるように見えます。過度な利下げへの期待を抑えようとしている印象を受けましたが、今となっては利下げの道を進んでいると示唆しているようにも思えます。
[トム・リー](Fundstrat)
そうですね。ただ、市場の視点から見ると、インフレが次第に落ち着いてきていることをFRBが認め、リセッションに陥らずに労働市場を支えることが非常に重要である、と示すことを期待していると思います。おっしゃる通り、もしFRBが利下げに消極的な姿勢を見せるようであれば、市場はそれをネガティブに解釈する可能性もあります。
[ジョン・フォート](CNBC)
多くの人はトレーダーではなく投資家であるべきだと思いますが、FRBの動向や選挙を考えると、市場のストーリーに変化が訪れる可能性はあるのでしょうか?
[トム・リー](Fundstrat)
短期的には先行きが不透明で、そのような状況では人々は不安になり、様子を見守る傾向があります。しかし、今後12か月を見据えると、投資家はかなり自信を持って良いと思います。FRBがソフトランディングやノーランディングの中で利下げを行った際、6か月後、9か月後、12か月後の市場が上昇している確率はほぼ100%です。また、選挙後の市場は、ほぼ必ずラリーになります。ですので、11月と12月は見通しが良いですし、どちらの候補者の政策も来年の市場にとっては十分に良いものだと思います。今は多少の乱高下があるかもしれませんが、その後は良い状況が期待できると思います。
[ジョン・フォート](CNBC)
さて、9月に関する話に戻ります。トレードしている人にとっては、今回の9月は少し変わった状況ですね。通常、9月が悪いスタートを切ると、そのまま悪化することが多いですが、今回はどう読んでいますか?
[トム・リー](Fundstrat)
おっしゃる通りです。9月の最初の1週間で市場が2.5%以上下落した10回のうち、どれも9月の月末までにプラスで終わったことはありません。さらに、最初の1週間が最悪だった20回のうち、20回とも9月は下落しました。ただし、そのうちの3回は、月の5日目、つまり月曜日から月末までに一部の損失を取り戻すことができましたが、最終的にはプラスで終わらなかったということです。ですので、9月は不思議な季節性があると言えます。
私としては、来週がより重要だと思います。というのも、FOMCがあり、いわゆる「プット」が市場に作用し始めるかもしれません。それが今月残りの期間で市場を支える大きな要因になる可能性があるからです。
[ジョン・フォート](CNBC)
それでは、少し広い視点で話をしたいと思います。特に、メガキャップ株と小型株についてです。NVIDIAの大きな復活が見られましたし、アップルも依然として強さを発揮しています。どちらも市場でトップの時価総額を維持していますね。一方で、小型株は期待よりも苦戦している印象がありますが、今日のマーケットでは例外的でした。メガキャップ株と小型株、どちらがマーケットに対して、より影響力があるのでしょうか?
[トム・リー](Fundstrat)
どちらも重要で、異なる投資家のそれぞれの見解を反映していると思います。それでも、最も重要なテーマで最高の企業を所有したいと常に思っていると思います。例えば、NVIDIAやアップルのような企業は、どんなサイクルでもうまく機能すると思います。しかし、FRBが金利を中立に戻すとマーケットが信じ始めた時、資金コストや住宅ローン、車のローン金利が低下することは、特に景気循環銘柄や小型株にとって大きな追い風になります。だから、今から年末まで、そして今後12か月間、小型株が非常に良いパフォーマンスを見せる確率が高く、そのようなファンダメンタルの中で、しっかりとした確度の高い投資判断をしたいと私は考えています。
(2)オリジナル・コンテンツ
オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。
CNBC
(Original Published date : 2024/09/14 EST)
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だうじょん
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