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うるさくない冬瓜のような文章にあこがれて

良い文章を書くための考察

文章とは、言葉を紡ぎ合わせて思いを伝えるための手段です。しかし、単に言葉を並べるだけでは、良い文章とは言えません。冬瓜のような味が控えめで、何かを邪魔しない言葉の並び、それこそが美しい文章なのだと私は考えています。
かくいう自分も文章を上手く書けるのかというとなかなか胸を張って言えるものでもありません。
文章を書くというのは何か終わりのない技術であるように思えてならないのです。

では、このような文章を書くためにはどうすればよいのでしょうか。
まず大切なのは、本をたくさん読むことです。良書と呼ばれる優れた作品に触れることで、言葉の使い方や文章の構成方法を学ぶことができます。文豪と呼ばれる作家たちの作品を読み込むことで、美しい表現や巧みな文章展開のテクニックを身につけることができるでしょう。
語彙を増やすことでその言葉の伝えたいニュアンスを伝えきることができる。
そのように『僕』は考えています。

例えば、夏目漱石の「吾輩は猫である」では、猫の視点から人間社会を風刺的に描写しています。その文章は洗練されていながらも、ユーモアに富んでいます。また、川端康成の「雪国」では、情景描写が非常に美しく、読者を物語の世界に引き込む力があります。このような名作を読むことで、言葉の使い方や文章の構成方法を学ぶことができるのです。
また、この名作の中には"畢竟"という言葉が多く使われることがあります。
これはつまり、などの意味なのですがだったらはじめからそうやって書けばいいじゃないかという指摘もあるかもしれません。いや、きっとあるでしょう。
『僕』も思ったことがありますから……
しかし、こういう言葉を使うことで文のリズムを壊さないで済みますし、またその後に続く言葉の意味づけの強調としても使われる意義はあるのではないかと考えています。

ただし、ただ読むだけでは不十分です。
良い文章を書くためには、自分で文章を書く練習を積む必要があります。日記をつけたり、短編小説を書いたりすることで、文章力を高めていくことができるでしょう。また、他人の文章を読んで、良いと思った表現や構成を真似してみるのも効果的です。
オススメは本を読んでいて気になったところをあとからノートへ書き写すというものです。
『僕』は万年筆が好きでよく使っては書きまとめています。
その手書きのメモから文を起こし、このように文章を書いているという工程を経ています。

さらに、誰に伝えるのかという読み手を意識することも重要です。文章は、書き手と読み手のコミュニケーションツールだと言えます。読み手が誰なのか、どのような目的で文章を読むのかを考えながら書くことで、より伝わりやすい文章を書くことができるでしょう。

例えば、子供向けの文章を書く場合は、難しい言葉を避け、わかりやすい表現を心がける必要があります。一方、専門的な内容を伝える文章では、専門用語を適切に使いながら、論理的に説明していく必要があります。読み手を意識することで、文章のトーンやスタイルを調整することができるのです。

また、文章を書く際には、文章全体の構成にも気を配る必要があります。Introduction(導入)、Body(本文)、Conclusion(結論)の三部構成を意識することで、論理的で読みやすい文章を書くことができます。各パラグラフの冒頭には、トピックセンテンスを置き、そのパラグラフの主題を明確にすることも大切です。

良い文章を書くためには、言葉選びにも注意を払う必要があります。適切な言葉を選ぶことで、より正確に自分の思いを伝えることができます。また、比喩や例え話を使うことで、抽象的な概念をわかりやすく説明することもできるでしょう。

さらに、文章のリズムやテンポにも気を配ることが大切です。長すぎる文章や、単調な文章では、読者の興味を引きつけることができません。適度な長さの文章を組み合わせ、メリハリをつけることで、読者を飽きさせない文章を書くことができます。

加えて、良い文章を書くためには、自分の感性を磨くことも重要です。美しい風景や芸術作品に触れることで、感性を養うことができます。また、日常生活の中で、些細な出来事にも目を向けることで、新たな発見や気づきを得ることができるでしょう。これらの経験が、文章を書く際の創造性の源泉になるのです。

良い文章を書くためには、技術的な面だけでなく、精神的な面での成長も必要です。謙虚な姿勢を持ち、常に学ぶ姿勢を忘れないことが大切です。また、自分の文章に対して客観的な目を持ち、常に改善点を探ることも重要でしょう。

文章を書くことは、自分自身と向き合う作業でもあります。自分の思いを言葉にすることで、自分自身をより深く理解することができます。また、文章を通して他者とコミュニケーションを図ることで、新たな気づきや学びを得ることもできるでしょう。

良い文章とは、書き手の思いが読み手に伝わるものだと言えます。そのためには、言葉の選び方や文章の構成、読み手への配慮など、様々な要素が必要になります。これらを意識しながら、日々文章を書く練習を積むことが、良い文章を書くためのカギになるのです。

冒頭で述べたように、良い文章とは、冬瓜のような味が控えめで、何かを邪魔しない言葉の並びだと私は考えています。しかし、そのような文章を書くためには、多くの努力と練習が必要不可欠です。本を読み、文章を書き、感性を磨く。そして、謙虚な姿勢で常に学び続ける。これらを続けることで、きっと美しい文章を書けるようになるはずです。

私たちは、言葉という素材を使って、思いを紡ぎ出す職人のようなものです。言葉を丁寧に扱い、心を込めて文章を書くことで、読む人の心に響く作品を生み出すことができるのだと信じています。

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