夏の終わりのnote

きょうも暑いね
あしたも暑いな

空気には確実に
次の季節が混ざっているのに

しん、としたままの心は
飽き、という病でしょうか

止まったままの時計が
真夜中にこっそり進んで

毎日すこしずつ
置いてけぼりを喰らうのです


泣きたくなってもこぼれない涙と
理由がないのに止まらない涙の
両方を知った君に
この夏のノートをそっと手渡す

絶望と希望を
共有する連絡帳

毎年の花火は
今年もなかった

夏草とビールの匂い
夕日と白い三日月

ずっと覚えていられることなど
きっとほとんどないのでしょう

それでもいつかまた行けたなら
もしもそんな日が来るのなら

降るような打ち上げ花火を
君と浴びたいのです

消えてしまいたいあきらめと
残像を重ねるうれしさの
両方が解る君に
この夏のノートをそっと手渡す

希望が絶望に
喰いつくされるその前に

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