マンホール アスファルト 銀杏が歩いてく
マスクからこぼれるイケメン
ふゆがきた
水曜日のネコが こちらをみている！ なかまにしますか？
霧の小雨をくぐり抜け 森の穴ぐらへ逃げこもう 木の実をカリカリかじったら ふわああああと大あくび まるまって眠ろう まるまって眠ろう きょうの自分にもう飽きた
きょうも暑いね あしたも暑いな 空気には確実に 次の季節が混ざっているのに しん、としたままの心は 飽き、という病でしょうか 止まったままの時計が 真夜中にこっそり進んで 毎日すこしずつ 置いてけぼりを喰らうのです 泣きたくなってもこぼれない涙と 理由がないのに止まらない涙の 両方を知った君に この夏のノートをそっと手渡す 絶望と希望を 共有する連絡帳 毎年の花火は 今年もなかった 夏草とビールの匂い 夕日と白い三日月 ずっと覚えていられることなど きっとほ
私はかすれたサインペン 明快な黒じゃない あいまいにかすれたグレー 安定のブラックじゃない あちこちが失われた灰色 つややかな漆黒じゃない 死の匂いのする薄墨 かといって墨にはなれません 筆ペンでもなく 鉛筆でもない 私はかすれたサインペン カスカスの感触 ムラのある書き味 紙の上をさらさらとなめらかに スムーズにはすべらない インクを取り替えることも 継ぎ足すことも叶わない使い捨て 『捨ててもいい』 『捨てた方がいい』 『捨ててしまいたい』 いくらでもいくらでも
