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読書は世界を面白がる方法。

買い出しに出かけたスーパーでQBB「ベビーチーズ」とマーベルのコラボを発見する。Yahooニュースでコラボのことを知ってから、気になっていた。カゴに入れる。「カマンベール入りベビーチーズ」。ドクター・ストレンジ。マーベル好きというよりか、単なるカンバーバッチ推しなのです。

5月の中旬が過ぎても、ホークスが強すぎて、運が良すぎて、嬉しいよ、嬉しい、野球の神様ありがとう、って毎試合つぶやいてしまうのだけど、うん、毎試合ドキドキする。力が入る。でも、嬉しい。野球って楽しい、面白い。最後の最後まで何が起こるか分からない。エグい、エグい。打線が爆発する時としない時の差が激しいけど。1軍以外にも良い選手が沢山いるのに、上がってこれないのが切ないけど。


紀伊国屋書店を先週訪れた際に出会った「ちくま」の5月号が当たりで。よっしゃ、ってガッツポーズをJRのホームでしちゃうくらい、予想以上の面白さと満足感。なぜもっと早く手に取っていなかった。それだけが悔やまれます。恩田陸の書き下ろし短編、青山南、角田光代、岸本佐知子、最果タヒ。こういう偶然の出会いが人生の醍醐味、だったりする。

「効率の悪い移動」としての「散歩」に、単なる移動にはない喜びがあるように、翻訳にもただの読書では味わえない固有の喜びがある。

「『センス・オブ・ワンダー』ーあとがきのあとで」森田真生 ちくま 2024.5


あ、そうだ。私も「新潮6月号」をゲットしたのよ。6月号が発売されてから、SNSを開くたびに見かけていて、早く読みたいな読みたいな読みたいなとウキウキが止まらず。やっと。夢がある分厚さ。この1冊でご飯3杯いける。その日は新宿武蔵野館に映画を観に行く予定があったので、村上春樹「夏帆」と川上未映子「わたしたちのドア」を読みながら、映画までの少し空いてしまった時間を過ごす。しあわせ。新潮の底なしの魅力に取りつかれて、映画がメインイベントだってことを忘れそうだったっていうのはここだけの話ね。

小説はつねに書きすぎないと成立しないのだ。

「私の批評」町屋良平

朝吹真理子「植物人間」を夜に読んで、もう二度と無花果をピュアな瞳で見ることは出来なくなったな、と一抹の寂しさを感じながら、眠りにつきました。あー、きもちわるかった。変な夢見なくて良かった。でも、なんていうんだろ、このきもちわるさを誰かと共有して、んねーきもちわるかったねー、って話して盛り上がって思い出して、また、うわーきもちわるい、ってなりたくなる部類の「きもちわるさ」だった。平仮名がいっぱい。

江國香織「九歳の場合」。分かる、と共感する部分、なるほど確かに、と膝を打つ部分が同時に存在していて、面白かった。九歳っていう年齢のチョイスが微妙でとても良い。強くもなければ弱くもない。漂いながら生きている。小学生の頃に思いをはせながら、読む。小3か。人間関係のいざこざが止まらなくて、どうしたらいいか分からなくて、学校に行きたくなかった日々。嫌な思い出でもないけど、戻りたくない年。本と空想の世界が頼りだった。チャンバラがしたかった。


私が本や読書、言葉が好きなのは、多分、周りの世界を少し気楽に見渡せるようになるからだと思う。ふと本から顔を上げると、青空がさっきより眩しかったり。ある一節のおかげで、なーんだ私だけじゃないのか、と気が抜けたり。背中を押されたり、思わず笑みがこぼれたり。頭がやわらかくなったり。

本を読んでいると、「真面目だねぇ」「本なんて読めない」「偉いね」と言われることがある。何も言わず素直にそのコメントを吸収してきたけど、いつもしっくりこなかった。私は真面目だから本を読んでいるというよりかは、不真面目だから本が好き、という方が近い気がする。人と真面目に話をするのが苦手で、どの会話にもオチをつけたくなる。日常の8割はふざけている。しょーもないことばかりにエネルギーを消費するのが好き。ふにゃっと人を笑わせてみたい。ユーモアをそこかしこに散りばめたい。なのに、夏休みの宿題は8月中旬までにきっちりと終わらせる子どもだったし、待ち合わせの15分前には到着するよう計算してしまうし、人の誕生日を覚えすぎていて引かれる。そりゃ、真面目だねって言われるわ。でも、中身は違うんだよぉ、と地団駄を踏みたくなる時があるのよ。(は!「植物人間」!)

だから、私は読む。私は書く。言葉を生み出す人は面白がることを知っている人。どんな内容の作品もどこかに可笑しさや滑稽さみたいなものが存在して、それは言葉のチョイスや言い回し、句読点や平仮名の使い方に出るような気がしている、勝手に。それが好きなのだ、それが楽しいのだ。冗談や皮肉が頭の中で止まらないのはみんなも同じなのね、っていう確認作業と、うわ、この人には叶わない面白すぎる、っていう自分への戒めと、今度こういう場面に遭遇したら、こんなユーモアのセンスを持って対応してみよ、という学びの場を兼ねているのが私にとっての読書、だったりするのです。

読書家=真面目という印象があるのは分かるけど、えげつない内容の本を真顔で読める能力を持っている人たちなんです、本当は。不倫がテーマの作品を読んでいる時に「真面目だねぇ」と言われましても…


でもこうやって、読書について色々書いている時点で私は結局、真面目か。


全然関係ないけど、
最近はプレッツェル(スナックの方ね)に
どハマりしてます。止まらない。タスケテ。

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