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クリスマスシーズン本番!北欧の優しさがあふれる窓辺に

私が北欧に初めて訪れた季節は冬場11月末から12月上旬でした。
冬のヨーロッパを過ごした経験はあるけれど「北欧」は別物。ニットキャップや厚手のコートはもちろんスノーブーツも用意し、何度もサイトで「冬・北欧・寒さ」をググって気持ちを整えました。
「なんで冬に行くんだろう」現地に向かう飛行機の中でさえ往生際悪く自問自答したほどです。

北欧の極寒から学んだポジティブ思考

準備が万端だったのか、興奮していたのかw始めて降り立った北欧は案外許容範囲の寒さでした。しかしその洗礼は早い段階でやってきました。

建物を出たらこれ・・・えっと傘、宿に置いてきたんですけれど(涙)

現地の人曰く、例年なく暖冬なようで今日から寒波がやってくるから気をつけてねと。その日は朝から鼻の奥がツンとなるような気温で、雲はもったりと重く一面グレーの世界。道に沿って並んだ葉一つない木々が、これぞ北欧の冬!と言わんばかりにこちらを眺めているようでした。

この日クリスマスマーケットを見ようと旧市街地ガムラスタンに出かけました。出かけに思った通り雪が降り出し、冷え切った石畳を白く染めるのには時間は必要ありませんでした。
寒さをしのぐために入ったショップで挨拶がわりに「雪が降ってきましたよ、寒いですねー」と私が少しネガティブに言うと、店主はにっこりと「今日は寒いですもんね、しかし雪はいいですよ」と返し、続けて「はい雪はいいです。だって灯りが反射してキラキラするでしょう。夜道が明るくなるじゃない、ちょっと良い気分になりませんか。」と。

やさしいクリスマスの灯り

ガムラスタンの広場ではカラフルな屋根の小屋に、目にも楽しいクリスマスショップ、体を温めてくれそうな湯気を立てたホットワイン、聖歌隊の衣装を着た子どもたちから時折かわいらしい歌声が響いています。気づけばすっかり日がくれ(15時です、はい、めちゃ早い)、クリスマスの灯りが一面をいろどり、昼間降り出した雪に反射しなんとも幻想的で美しい雰囲気に変わっていました。

これが北欧の人から暮らしをポジティブに考えるヒントを始めて教わったクリスマスマーケットでのできごとでした。

厳しい生活背景や環境ゆえ彼らは「暮らし」をとても大事なこととして考えます。それは今ある現状を認め受け入れること。その上で幸せを感じること。北欧を旅するたびに彼らの何気ない言葉が私の心をわしづかみにします。

家のクリスマスデコレーションは自分だけのため?

この初めての旅で数件のお宅へ訪問もしました。
北欧ではクリスマスの4週間前からキャンドルを灯しその日を迎えるアドベントキャンドルの習慣があります。どのお宅もアドベントキャンドルやクリスマスデコレーションが窓辺を中心に部屋に飾られていました。
「クリスマスは大事な行事なんです。北欧の冬は暗い時期も長く寒いでしょう、だからこの時期のイベントは大人も子どもたちもみんな楽しみにしているのです、窓辺のデコレーションにも力を入れています。」
ジンジャークッキーとコーヒーをいただきながらそんな話を伺いました。

彼女との会話から街を注意して歩くと、どの家の窓辺もクリスマスデコレーションが飾られていることに気がつきました。星形のライトと窓にはアドベントキャンドルやもみの木のアレンジメント、赤いとんがり帽をかぶった小人の人形など。
「北欧の人たちはインテリアデコレーションして、皆住まいの意識レベルが高いですね」と現地で仲良くなったスウェーデン人に伝えると「そうかな?」あっけらかんと言いました。
「クリスマスは特別だから、ほらスウェーデンは寒いでしょ、夜道なんて最悪。窓からの灯りが夜道を照らすと雪に反射して歩きやすくなるし、あたたかい気分になる、なんかそれいいじゃない」と続けました。
歩きながら彼が指差した集合住宅の窓にも星形のクリスマスデコレーションが飾られていました。
その集合住宅は生活困窮者を支援するための住宅施設だそうです。しかしどの窓辺も賑やかなクリスマスデコレーションが施されていて普通のお宅となんら変わりなく見えました。
私は少し戸惑いながら、もしこれが日本なら、各家のクリスマスデコレーションまで税金を使うことは贅沢だと声が上がりそうだと正直に伝えました。
すると彼は「どうして?!クリスマスは皆が平等に楽しむ権利があるでしょう。みんな一緒じゃない!あの灯りが街を歩く人を助けるしね」と笑うのです。
北欧の人が特に窓辺のデコレーションに力を入れる理由が心にしみた瞬間でした。

「ふつう」のここちよさってなんだろう

スウェーデンの社会思想家エレン・ケイ(1849ー1926)のお話を少しします。彼女が伝えた言葉『万人のための美』でも暮らしに着目し、住まいを整え美的感覚を育成することの重要性を説き社会福祉の観点から生活環境美化に取り組みました。
この時代から民衆の住空間と暮らしを結びつけ大切なものだと考えられています。

彼らの暮らしの根底には「ここちよく過ごすこと」これが大前提です。とびっきりでも、スタイリッシュでもない「ふつうの暮らし」
北欧に住まう彼らの「ふつう」は私からすると日本人が忘れかけていた暮らしの根っこだと改めてこの旅で感じました。私も暮らしから「大切なここちよさ」を伝えたいこの思いで今の仕事をしています。

北欧旅は冬がおすすめ?!北欧マインドのおすそ分け

北欧の冬はすこぶる寒いけれど、ふつうの暮らしをを体験しにクリスマスシーズンに行くことをおすすめします。雪がクリスマスデコレーションに反射してキラキラする様に寒さも忘れるほど。彼らの「ふつう」の暮らし、窓辺から、ほっこりするあたたかさをおすそ分けしてもらってください。
あぁ北欧いきたいなあ、いつ行けるのでしょうか。
クリスマスまであと9日ですね。クリスマスデコレーションはもうおすみでしょうか。今年はクリスマスケーキを食べながら、北欧で体験したちょっといいクリスマスシーズンのできごとを思い出していただけたら幸いです。

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