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北欧には塾がない!?日本と北欧の教育

随分と更新に間が空いてしまいました。久々につき、書き出しは何を書こうかなあと考えていました。
ちょっと更新が開いた理由を言いますと、子どもの中学受験でフリーのお仕事のペースを緩めていたからなのです。日本の教育に疑問を感じつつ中受渦中に入っていった訳です…
そこで今回は北欧(スウェーデン)の教育事情を少し書いてみます。

スウェーデンの教育事情について

・就学前学校(保育園)
・義務教育9年(小中学)
・高等学校/職業訓練学校3年
・大学・大学院
学びの機関は日本と大差がないと思います。
義務教育期間は中学校までですが、日本と大きく違うのは大学・大学院まで無償化だということ。(保育園は親の収入、預け時間に応じて金額が変わるが児童手当で賄えるのでほぼお金はかかりません)
また、高校入学の際は義務教育課程の成績で入学の許可を得ますし、大学入学するためには単位制をとっており高校が入学準備期間として考えられています。日本のように一発入学試験がスタンダードではないのです。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/kuni/0107sweden.html

外務省が発行している子ども向けスウェーデンの学校の様子

私は就学前学校・小学校・高等学校この3つの教育機関を数カ所訪問したことがあります。そこで様々なやりとりを思い出しながら書いています。
日本では親の収入と教育の質などが問題になっています。平等であるはずの学びなのにそれが崩れつつあると。
スウェーデンでは無償化なので学びたいと望めばそれが実現されること。そして学びの期間は制限がないので、いつからでも始められること。
例えばおじいちゃんになってからキャリアチェンジを狙って大学進学も無料です。
小学校を案内してくれた日本を熟知しているコーディネーターさんが「親が子の教育費を心配しなくて良い!稼いだお金は体験に使う例えば旅行とかね」とおっしゃったことがあまりにもシンプルで羨ましく、どうして日本はこうなってしまっているのだろうと思いました。
また、日本の知育教育塾の低年齢化への違和感も現地の人に指摘されました。「どうして?そんなに小さい頃から忙しくするの?計算?それ大事なの?家族といつ一緒に過ごすの」もう、それには確かにそうだなとしか言いようがありません。

中学受験に違和感を覚えながら我が家が臨んだわけ


スウェーデンでは公立(私立もある)がメジャーで、大学受験も単位制がメインのため偏差値を競うことがありません。そのため日本のような進学塾が存在しません。補講を担うような個別指導なんかは存在しますがあくまでも少数派です。この地で大切にしなくてはいけないのが偏差値のような全体を測る物差しではなく「自分が何をしたのか・何を学びたいのか・専攻したいのか」なのです。高校で学びたい大学に合格する必要単位を取得する必要があるので、高校入学時にはうっすらでも将来の方向性、どんなことを学びたいのか考えておく必要があります。
日本人に置き換えるとかなり厳しいことではありませんか?
よい大学入学を目標に受験勉強を頑張り、入学後は青春を謳歌して卒業後はそれなりの会社に就職して・・・私の学生時代と今は少しの違いはあるかも知れないが、概ねそんな感じではないでしょうか。
若い頃に自分の特性を理解してそれに向かって努力をする・・・厳しいです。だから何度でもやり直せる仕組みが整っているのかも知れません。就職も日本のように入社後に色々教えて育ててもらうのではなく、その時点でプロフェッショナルでないと就職できません。しかしこれからの日本も早かれ遅かれ大きなものに巻かれ安心できる時代ではなくなると思います。

我が家が中受に臨んだのは子どもの意思でした。突如5年の3学期に言い出したからです。それまでわが子のお勉強レベルは中くらい、目立つことはほぼありません(悪い意味で目立つことはあり)しかし本人が頑張るというのだから親は伴奏しサポートすることに徹しました。正直激しい中学受験に違和感がありましたが、公立中学へ行っても激しい塾通いはあるし、本人のやる気があるのだから、いつやるのかの違いではないのだろうかと考えました。
強いて言えば、学校選びは極力「大学受験の合格実績」を大きく上げるところより生きる力を育む教育を重視する学校を選びました。
自分のやりたいことが定まれば、それに必要な学びを選んでいくだけ。そこを目指して挑戦すれば良い、そのメンタルが複雑な社会を生き抜くやめには必要なのではないのかと思います。
我が家が生活するのは日本だけれども、北欧のライフスタイルを学んで気づいた軸はブレないように…

スウェーデンで出会ったびっくり新米パパのお話

美味しいものを囲んでウェルカムパーティー

スウェーデンの教育で一番感動したことは「いつからでも学び直せる、学びたい欲求があれば国がサポートしてくれる」こと。
日本では1度ルートから離脱してしまうと元の道に戻れない絶望感が拭えません。でも長い人生成功ばかりなんてあり得ない!何度でもやる気を出した時にサポートする仕組みがあり応援してくれる社会の素晴らしさとまわりの寛容性には素晴らしいと感心します。「失敗は成功の素」次に活かせればいいじゃないこのくらいが心地よく暮らせるポイントなんだろうなと思います。

実際お会いしたスウェーデンファミリーのお話。
ママは現在育休中、パパは現在学生(無職)出産後に籍を入れパパは大学へ入学したという日本ではあまり出会えないご家族。子どもが生まれてから結婚して大学に入学?!娘の相手がこんな人なら…オヤジ発狂しちゃうw
(日本だと笑ってられない親戚一同で大問題になりそう)

ママは子どもを産んで育てることに不安はなかったのか?
→なんとかなると思って、私ナースだし戻り先あるし
パパが大学に行くって決めた時不安はなかったの?
→むしろ時間があるから育児や家事に積極的で助かる
パパはどうして子が産まれて大学に行ったの?
→真剣に就職しようと思ったから、やりたい職種も決まった!そのための大学だよ(あはは)
あははと笑えるのは制度が整っているからだけではなく、見守り受け入れる体制、社会の寛容性と自分の意志がしっかり表現できているからなのか?!子育て世代のワークライフバランスが…悶々としていた私にとってカルチャーショックな出来事でした。

まとめてみた


北欧の暮らしぶりを聞くとあぁ日本もこうだと生きやすいんじゃないかと思うことが多々あります。
されど私たちは日本で暮らしていかなくてはなりません。
日本のスタンダードに違和感を覚えながら今できるところに注意して、小さな変化を起こしながら生きていきたいなあ。そのためには今ある暮らしを少し疑ってみる、当たり前を違う方向から考えてみる、こんな思考を癖づけたいです。

中受は劇過酷でしたがw今では中受して良かったと思っています。
・学校生活(勉強)で自信がなかった子が少し復活したこと
・家族一丸に協力したこと
この経験は彼の今後の人生にアドバンテージになると確信しています。
ただ覚えておかなくてはならないのは、中受は人生の体験の一つにすぎないこと。
全然これからですよー君の人生は!
生きる力を育む、自分の頭で考え行動できる大人になってほしいのは万国共通だと思っています。

長々と失礼しました。

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