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【ミステリー】コウイシツヲカクニンシテクダサイ

ファミレスでバイトしてたときの話です。

深夜勤務をしていた僕が
厨房の閉店作業を終え
従業員用の控室に戻ると

右奥にある更衣室の扉が
ガチャッと閉まったんです。

控室見取り図

そのときは

「風圧で閉まったのかな」

くらいにしか思わず
そのままイスに腰を下ろしました。


やがて
ホールで仕事をしていた残りの2人も戻り
10分ほど雑談をした後
「さぁ、帰ろうか」ということになって

セキュリティをかけるため
セ◯ムのカードをリーダーに通しました。

するとエラー音が…


なんだろうと、液晶画面を見ると




コウイシツヲカクニンシテクダサイ



の文字。
ん?コウイシツ?そういえば…え?!


と、先程の“更衣室ガチャ”を思い出し
一気に全身に鳥肌が…

だ、誰かいる…更衣室の中に誰かいる!

と、思った瞬間
あまりの恐怖に

ウォー!更衣室に誰かいるぞー!

と、叫んでいました。

その声に

えっ?!なになに?!どうしたの?!


と、ビックリ仰天、あたふたする2人。


3人共、深夜勤務ということもあって
仕事着の上着だけ着替える程度で
更衣室を使う習慣がなかったんですね。


で、先程の“更衣室ガチャ”を説明。


更衣室の扉を開けて確認しないことには
帰るに帰れなくなってしまいました。


このときの3人というのが
僕を含め2人の男と
女性のNちゃん1人だったのですが


こともあろうに、男2人は
“扉開け役”をNちゃんに任せたのです!
(ひゃ〜最低〜)


だってNちゃんは
とっても強い女の子。

ゴキブリが出たときも
みんながパニくる中
大股で立ち向かい踏み潰す!
頼もしい20歳の女の子。


だからお前が適任だと
男2人はNちゃんに
全てを任せたのです!
(最低なのは分かってますよー💧)


モップを握り、扉に近づくNちゃん。
(やるんかい)


テーブルの影に隠れ
「がんばって!自分を信じて!」
「いざというときは助けるから!」
と、声援?を贈る最低猿軍団。


Nちゃんが更衣室のドアノブを掴み
勢いよく開けると、そこには!



誰もいませんでした…



「誰もいねーじゃん…」
さも自分がやったかのような顔で
テーブルの影から出てくる最低猿軍団。


よし!ならば今一度カードを通してみようと
セキュリティカードを通したのですが

またもや…

コウイシツヲカクニンシテクダサイ

の文字。

ふと、上を見ると
控室の小窓が少し開いていて
「あれじゃないか」ということで
その窓を閉め、もう1度チャレンジ。

すると無事

セキュリティヲカイシシマス。タイシュツシテクダサイ。

と表示。


セキュリティ上の登録は、控室も更衣室も
まとめて“コウイシツ”だったようです。


大仕事を終え
店をあとにするNちゃんと
家来の最低猿軍団。


「なんだ!男!情ねぇなー!」と罵られ
「も、申し訳ございません…」と謝罪💧



後日、Nちゃんに
スイーツをご馳走したことは
言うまでもありません…💧







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