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保育士こそ障害福祉の現場で働こう

保育科に通っている学生は、ほとんどの場合、将来は保育園や幼稚園で働きたいと思っていることでしょう。私もその一人でした。

しかし、いざ保育園や幼稚園へ実習に行ってみると、何かが違うと感じ、将来どのような道へ進むべきか悩んでいた時期もありました。

そんな時、障害福祉という分野に出逢い、これこそ自分の求めていたものだと感じたのです。ここでは、障害福祉の現場の魅力や良いところ、保育士の知識や資格がいかに活かせるのかということをご紹介したいと思います。

障害福祉の魅力

ゆっくりとした障害児との関わり

障害のある児童は定型発達の児童と比べると、緩やかに発達することが多いです。そのため、今日はこれができるようになったなと、日々のちょっとした成長を1つずつ見つけやすいと思います。これが障害福祉の一番の醍醐味ですね。

また、障害のある児童が通所する施設は、多くの場所で一日の児童の定員が10名です。その10名に対して、職員の配置基準は2名(うち1名は保育士または児童指導員)です。

実際の現場では、配置基準以上に職員が配置されているため約4~6名で対応することが多く、一日10名定員で職員が4〜6名ということがよくあります。


保育園はどうなの?
国が定める保育園における保育士の配置基準は、定員120名の保育園をイメージして各年齢の定員を仮定してみた場合、0歳児6人に対して保育士2名、4歳児以上30人に対して保育士1名などです。

これはあくまでも保育士の配置基準のため、実際の現場では、他に余剰の保育士や保育補助の方がいて、一緒に保育を行っていることと思います。


当然ながら、障害のある児童が通所する施設の方が、大人の人数の割合が多くなり、職員体制が充実しています。

結果、一人ひとりとじっくり余裕をもって関わることができるのです。

日々の業務に忙殺され過ぎず、ちょっとした可愛らしい姿を見つけやすいと思います。

働きやすい職場環境

私の友人が何名か保育園で保育士として働いていた際、このようなことを話していました。

結婚することを職場の上司へ伝えたところ、園長や主任、先輩職員から、子どもを作るにしても年度途中は控えるように時期を考えて、退職も年度末にしてね、と言われたそうです。

子どもを育てる職場で結婚や子どもができることをネガティブ要素として捉えられ、そんな風に言われるのかと驚きました。もちろん一部の保育園での話と理解していますし、そうであってほしいと願っています。

また、持ち帰りの仕事や事務作業が多い、子どもとゆっくり関わる余裕がない、運動会で使うCDを職員が自腹でレンタルしている、などという話も聞いたことがあります。

一方、私が関わったことのある範囲にはなりますが、障害福祉の世界では、このような話を噂話でも聞いたことがないです。もちろんどこかでは存在するかと思いますが、そういった職場に出会う可能性は相対的には低いように思います。

また、法人や事業所によって差があるため一概には言えないですが、障害福祉の方が相対的に事務作業や残業が少ないように感じています。


学生時代に保育園で言われたこと
学生時代に実習をさせていただいた保育園では、このようなことを言われました。
「君は男性だけど保育士として働きたいの?」
「保育園として男性を雇うとなると、長く働かれることを想定しなければならない。雇う側も雇われる側もそれなりの覚悟をしないといけない。生活は厳しいと思うけど頑張って。」

私は、この話を聞いて違和感を覚えました。

男女関係なく、多くの職員が長く働くことを想定していない、または想定できない報酬の仕組みになっているのか、経営層が独り占めしたいだけなのか、いずれにしても健全な職場環境であるとは考えにくいと思いました。

もう20年近く前のことなので、今はもう少し改善していると思います。働く前から洗礼を受けた気持ちになりつつも、今では正直に現状を教えてくれたことに感謝しています。


保育士の知識や資格が発揮できる

保育士の知識は必要とされる

障害福祉の世界においても、人間の基本的な発達を理解する上で、保育士の知識は重要です。様々な支援論も、人間の発達の順序を理解していないと上手に使いこなせないと思います。

そのような知識を有している保育士は、障害福祉の世界でも重宝されるでしょう。

給与面で優遇される

障害福祉の現場において、保育士は「経験・技能のある障害福祉人材」という配分対象(※特定処遇改善加算)に分類されるため、給与面で優遇される場合があります。

また、保育士資格を有していることでの資格手当がある法人もあります。

資格取得時に優遇される

障害福祉の分野において、ある一定の責任者になるための資格を得るためには、様々な要件が必要です。

その要件の一つには、実務経験に関する事項があるのですが、保育士資格を有していると、通常8年以上のところが5年以上となります。

つまり、3年も早く一定の責任者になることができるということです。
※サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者の実務要件(2022年11月現在)

保育士としての知識は全人類が学ぶべきこと

そもそも、保育の知識は子育てで必要な情報であるにも関わらず、なぜ中学校や高校で必修科目になっていないのか、疑問に思うところです。

保育士の資格をもっていたり保育科の授業を受けたりしたことのある人は、このように感じた人も少ないないように思います。

保育士が有している知識は、自分たちが思っている以上に社会にとって有益なのです。どんどんその知識や技能を社会に還元していきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。それだけで障害福祉で働く素質がありそうです。この業界で一緒に働きましょう…!

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