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雨の匂いが思い出させるもの

23 Jun, 2024


梅雨の時期がやってきた。せっかくの日曜日に外出できないのは残念だけど、室内で紅茶をいただきながら、雨音の心地よさを楽しむのも嫌いじゃない。
 
 
ペトリコールにゲオスミン。雨の前後という違いがあるだけで、どちらも「雨の匂い」を意味する言葉だ。驚いた。こんなささいな現象にさえ、きちんと名前があるなんて。
 

・・・
 

今日は近くの喫茶店でティータイム。
実はここは私のお気に入りの場所。小さな喫茶店だけど外国のお家のような雰囲気があって、本棚にはおそらく店主さんがチョイスしたであろう、たくさんの書物が置かれている。


イギリス庭園、子どもの絵本、誰かのコラムなど。もしかしたら一昔前のものかもしれない。フォントにしても文体にしても、どこかなつかしさを感じさせられる本たちだった。古書のほのかな匂いって素敵だと思う。
 
 
「大人になってから読む絵本もまた面白いなあ」「子ども向けなのに随分奥深い!」という発見。「まるまると肥えた毛深いマルハナバチ」という表現が可愛い。「ハチの世界にもニートみたいな存在っているんだ」という驚き。そんな感じでついついそれぞれの世界に入り込んでしまった。スマホは脇に置いてどっぷりと没入感を楽しむ。そしてヌワラエリヤの香りがふわりと漂うのと同時に、現実世界へと誘われる。どうやら帰ってきたらしい。
 
 
ザーザーと雨音が聞こえる。
雨の日もまたいろいろな楽しみ方があって素晴らしい。いつかどこかで雨の匂いを嗅いだとき、今日のことをまた思い出すのかもしれない。
 
 
そんな日。
 
 


 

 

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