🍀我もの思うゆえに、旅あり🌓〜熊野古道　編①〜

死ぬために、生きていた。
べつに、自死しようとかそんなことは考えていない。
だけど、後悔しないように生きようと、あることをきっかけに中学生で決めてから、
文字通り、「いつ死んでもいいように、やりたいことを全部やらないともったいない！」と思って生きてきた。

それはつまり、いつかは「やりたいことリスト」も底をつくわけで……

　そうして、15年目を迎えた今、わたしは生きる意味を失った。

わたしは車から、ぼーーっと窓の外を見ていた。
　どうしよう…流れていくように生きていて、ハリがない。
このまま、何も考えないで仕事をして、適当に食べて、適当に生きて。
私はそんな人生を、生きていけるのだろうか。

ふと見上げると、電信柱にカラスが停まっていた。
何気ない、どこにでもいるカラス…

…「えっ、足が３本…!?」

　錯覚かもしれない、でもわたしにはそう見えた。

次の日、病院に出勤すると、突然「明日は何もないから有休を取りなさい」と上司に言われた。
慌てて、数少ない休みをどう有効活用するか、探す。
海外？温泉？映画？……うーんどれも気が乗らない。
私は「やりたいことリスト」の底を漁り、まだやっていないことを探した。
　そうだ、熊野古道をまだ歩いてない。
修験道の地、古き巡礼の道へ。

熊野古道を歩く、わたしは決めた熊野詣でに行くことを。
　そう、「八咫烏」の神話の地に。

7月○日 出発前日
①スケジュールを立てる
②航空券を取る
③ホテルを取る
④持ち物を準備

①スケジュールを立てる
　わたしに与えられた休みは金、土、日の3日間。これで熊野古道を歩いて往復しなければいけない。
そこで、まずは飛行機の時間を、ちょっと無理ある日程で調整する。
1日目
朝4:00出発
7:25羽田空港発---9:00前南紀白浜空港着
9:29空港から快速バス熊野古道号---10:50滝尻王子着
11:00滝尻王子から13km熊野古道を歩く---17:00近露王子着
17:28バス---19:00熊野本宮大社
（本来の2日目の予定↓）
（6:00熊野本宮大社---8:00近露王子）
（8:00近露王子---27km熊野古道を歩く---18:00熊野本宮大社に到着）
3日目
9:25南紀白浜空港---11:00羽田空港
②航空券を取る
前日に取ったので、往復４万円しました…ちょっと、高い。
③ホテルを取る
滝尻王子から日暮れの18:00までに歩ける距離とすると、13kmの近露王子まで。近露王子で宿を探したものの、前日だったので取れず、バスで熊野本宮大社まで行って泊まることに。宿はゲストハウスに一泊5800円。
④持ち物を準備
・スマホ、財布
・充電器
・タオル
・日焼け止め
・下着類
・カッパ
　一人旅の国内旅行なんて持ち物はこんなもんです。

次は、歩いて歩いて考えて考える旅。
Part.2 へ続く→