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不眠に使われる漢方薬は?

 年末年始、ついつい夜更かしして、生活のリズムが乱れがち。

睡眠については、

そのほか、過去記事では、40℃前後のお湯にゆっくり浸かる、自律訓練法を取り入れる、腸活を行うなどをご紹介しています。

あ、市販薬の◯リエルを筆頭にした睡眠改善薬で売り出されているものですが、コスパは悪いし、もともと鼻水や痒みに使われる抗ヒスタミン薬の副作用を利用したものなので、翌日まで眠気が残ったり、集中力が下がったり。オススメ出来るものではないです。

ということで、今回は漢方薬。

西洋薬は、一時的に眠気を誘発するお薬であるのに対し、漢方薬は睡眠のリズムをコントロールするお薬です。不眠は血の異常か気の異常ととらえます。

寝つきが悪い場合は
加味帰脾湯や酸棗仁湯
夜中に目が覚める場合は、
抑肝散や柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散
が処方されることが多いです。

加味帰脾湯、抑肝散につきましては、過去記事をご参照ください。

酸棗仁湯は、「気」が不足している状態の方に処方されます。

疲れすぎていて、気力が出ないのに、眠れない。
疲れすぎるとかえって心身が軽く興奮状態になり、覚醒と睡眠のリズムが乱れると考えられています。
酸棗仁湯には、鎮静作用をもつ生薬が複数含まれている他、主要生薬である酸棗仁には、精神や自律神経の機能や働きを担う「肝」の血を補い、滋養することで、こころを安定させる作用があり、不眠に効果があるとされています。また、最近の研究では、睡眠の調節に関わるといわれている神経系から分泌されるタンパク質である脳由来神経栄養因子(BDNF)の血液中の濃度を上げるという報告もあります。

柴胡加竜骨牡蛎湯は、音やにおいなどに敏感で、動悸が強く、一度気になると眠れなかったり、夜中に目が覚めてしまう方にオススメです。

柴胡加竜骨牡蛎湯は、気を巡らせる機能を持つ肝や心を正常にする作用があり、体にこもった熱を冷まし、こころを落ち着かせ、脳の興奮からくる不眠を改善します。幸せホルモンであるセロトニンの分泌を促すことも明らかにされています。
メーカーによっては、大黄が含まれるものがあり、下痢に注意が必要です。

睡眠の質の悪化は、生活習慣病の罹患リスクを高めることがわかっています。

私も現在、加味帰脾湯を服用し、ぐっすり眠れる日が増えました。睡眠導入剤に抵抗がある方は、ぜひ、お試しください。

参考
Furihata R, et al. Sleep Med. 2020;68:167-172.

https://pharmacist.m3.com/column/kampo/1374

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