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ゆるやかな哲学ブーム

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哲学・思想を扱った本たちをゆるくまとめています。入門書が中心。
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2020年7月の記事一覧

『急に具合が悪くなる』(宮野真生子・磯野真穂)を読んで

『急に具合が悪くなる』(宮野真生子・磯野真穂)を読んで

いつか読まねばならないと思っているのが『「生と死の境界線~「最後の自由」を生きる』。ガンに冒された精神科医の岩井寛氏が目に見える形で迫りくる死についてその直前まで語った本。

岩井寛氏が自分に残された時間がわずかであることを自覚し、口述筆記を松岡正剛氏に依頼することから始まりました。

さて、本書はガン患者の哲学者・宮野さんと人類学者・磯野さんが交わした書簡形式の本です。前述の本と同様に「生と死」

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『子どものための哲学対話』(永井均・内田かずひろ)を読んで

『子どものための哲学対話』(永井均・内田かずひろ)を読んで

タイトルに明記してある「年齢」が想定している読者層なのかは置いておいて『14歳からの哲学』をたしかちょうど14歳の頃に読んだ。本質にせまるような問いかけ、哲学的な言い回しとロジックにヒーヒーいいながらページをめくった記憶があります。

さて、本書はタイトルに「子供のための」とあります。中学2年の「ぼく」と家に住み着いた猫・ペネトレの対話の記録という体裁で、たしかに平易な言葉で語られていて読みやすい

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