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ローカル事業アイデア合宿@会津磐梯 〜七ツ森映画祭までの3ヶ月の軌跡〜

2020年9月。この記事を執筆している私は「ローカル事業アイデア合宿@会津磐梯」に参加してきました。そこで提案をした事業アイデアが採択され、11月までの3ヶ月間、地域プレイヤーの方と二人三脚となり、関係人口の1人として会津磐梯に関わる貴重な経験をしてきました。

この3ヶ月の貴重な体験をぜひ多くの人に知ってもらいたい!そんな想いでレポートを執筆させていただきことになりました。

・地域活性化に興味がある方
・複業に挑戦したい会社員やフリーランスの方

こんな想いや意思を持った方たちに、このレポートを通じて「私もプロジェクトに参加してみたい!」「なんだか面白そうじゃん!」と思ってもらえましたら幸いです。

「ローカル事業アイデア合宿」と磐梯町について紹介

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今回私たちが参加した「ローカル事業アイデア合宿@会津磐梯」は、磐梯町関係人口マッチングプロジェクトの取り組みの1つです。

〜関係人口マッチングプロジェクトとは?〜
地域プレイヤーの方が企画する地域活性化プロジェクトに外部人材(その地域に住んでない方)が関係人口者として関わる、地域の人と外部人材のジョブマッチングプロジェクト。

私たち外部人材は、企画をブラッシュアップしていくアイデアを出したり、企画をクリエイティブに落とし込んだりする役割を主に期待されています。

今回のプロジェクトに参加したメンバーには、

・WEBライターやWEBデザイナーの現役大学生の方
・動画制作やグラフィックデザインというクリエティブ系フリーランスの方
・地域に特化したWEBサイトの運営者

など、スキルの幅から年代の幅まで多様な方が15名前後集まりました。

スキルや年齢はバラバラでも、各個人の余っている時間やスキルを地域の方に提供し、地域活性化に貢献したいという熱い想いを持って参加している方ばかりでした。

ちなみに、このプロジェクトの舞台となっている磐梯町には、株式会社LIFULLが運営している「LivingAnywhere Commons」の拠点があります。

画像2▲エントランスから中に入ると、藍染の鮮やかな色が目に飛び込んできます

LivingAnywhere Commonsは、好きな場所でやりたいことをしながら暮らす生き方(LivingAnywhere)を実践することを目的としたコミュニティを提供するサービスです。
ただ滞在できるハコを提供するのではなく、そこには「外者を受け入れ、地域の方と外者が化学反応を起こしながら面白い取り組みやアイデアが生まれる」コミュニティが存在しているように感じました。

私が滞在している時は、地元の方が野菜などを提供してくれたり、首都圏の会社員がバリバリ仕事をしていたり、旅する出張料理人という肩書きで活躍しているフリーランス料理人がいたり、焚き火の専門化としてお仕事をされている方ががいたりと、本当に個性豊かな方が集まっている場所でした。

ちなみに磐梯町は、磐梯山や猪苗代湖がシンボルとなっている町です。私は夏と秋の2回訪れましたが、夏は避暑地として、秋は色とりどりの紅葉を楽しめる自然やアウトドア好きにはたまらない場所という印象です。

画像3▲猪苗代湖を一望できる高台

画像4▲トヨタのCMにも登場した、磐梯山にまっすぐ伸びる道

プロジェクトに応募したきっかけ

このプロジェクトは、知り合いの方のツイートで知りました。

その方自身が静岡県の掛川というところで古民家再生をしたり、地域に特化した事業をされている方だったので、関わったら面白そうだな~という軽い気持ちもありました。

私自身は25年間東京で育ち、東京でしか生活をした経験がありません。

「もっともっと視野を広げる経験をしてみたい」
「東京以外の地域で仕事をしたり、生活をしてみたい」

そんなことを考えているタイミングでこのプロジェクトの存在を知り、参加しなかったら後悔すると思い、応募しました。

3ヶ月に及ぶプロジェクトの全容と感想

前置きが長くなってしまいましたが、本題であるプロジェクトの全容と感想をお伝えしていきます!

このプロジェクトは、成果報告を最終ゴールとし、最初の顔合わせ合宿から約3ヶ月間、地域プレイヤーの方と二人三脚で歩んでいきます。

(残念ながら今回は、コロナウイルスの影響で現地での成果報告会はなくなりました)

<STEP①:応募>

画像5▲実際の応募要項の一部

参加希望者はまず、ランサーズ経由でプロジェクトに応募をします。
応募後は、当プロジェクトを運営している担当者の方と30分ほど面談を行い、その面談の中で「なぜこのプロジェクトに応募したのか?」「どんなこと(スキルなど)を提供できるか?」の2点を中心に、自己アピールをしていきます。

<STEP②:事業アイデア合宿>

画像6▲初日のオリエンテーションの風景

その面談を通過した数十名の方が、1泊2日の現地の合宿に参加します。(当日の宿泊費用は無料で、交通費も一部支給されました…!)

1泊2日の合宿は、以下のスケジュールで進みました。

〜1日目〜
・地域プレイヤーの方と参加者の顔合わせ
・アサインされたプロジェクトの現場視察
・担当プロジェクトのヒアリング(現状の課題や今後の目標など)
・懇談会パーティー

画像7▲現場視察を終えて、アイデアのブレストタイム

〜2日目〜
・プレゼンに向けた打ち合わせ
・プレゼン発表

画像8▲プレゼンの風景

今回私がアサインされたプロジェクトは、「田圃クエスト(たんぼクエスト)」というプロジェクトでした。

対象となる田んぼは、磐梯町の中でも自然環境が非常に豊かな田んぼでした。珍しい昆虫や生き物がその田んぼで命を育んでいます。

その田んぼを代々守っていた方々が、高齢化に伴い田んぼの運営維持が困難になり、消滅の危機にありました。

そこで、農業未経験の有志メンバーが立ち上がり、この田んぼを後世に繋いでいく活動が始まりました。
ただ、プロジェクトが始動したことは良かったのですが、有志団体ということで慢性的な人手不足に悩まれていました。

そこで私たちは、このプロジェクトの認知拡大施策を考えて提案することにしました。具体的には以下の内容です。

・参加メンバーに焦点を当てた、ドキュメンタリー動画の撮影
・勧誘などに使えるチラシ作成

この提案内容が最優先プロジェクトとして認められ、お仕事を発注していただけることになりました。

<STEP③:合宿後の取り組み>

画像9▲地域プレイヤーの方とのZOOM会議の様子

怒涛のスケジュールで1泊2日の合宿が終わり、その後すぐにドキュメンタリー動画、チラシなどの作成に取り掛かりました。

メンバーとは日々チャットでやりとりし、地域プレイヤーの方とは何度もZOOM会議を行い、プロジェクトを目標に向けて進めます。
メンバーの中には、1ヶ月間会津磐梯に滞在し、地域プレヤーの方とコミュニケーションを取ってくれたメンバーもいました。

本来は、制作物を地域プレイヤーの方に納品して終わりだったのですが、11月上旬にLivingAnywhere Commons会津磐梯で、地球と人を考える映画祭『七ツ森映画祭』が開催されることになり、私たちが作成中のドキュメンタリー動画にも、上映作品の1つとしてオファーをいただきました。

多くの方にこの作品を鑑賞していただける機会をいただけたことで、よりいっそう私たちのモチベーションにつながりました。

<STEP④七ツ森映画祭に参加!>

画像10▲上映されることになった映画祭のチラシ

そして、いよいよ映画祭当日。
メンバーを代表して、私も運営の手伝いに現場に行きました。

夏に訪れた時とは変わり、空気がヒヤリとしていた磐梯町。山は紅葉で色づきはじめ、夏と違う顔を見せてくれました。

自分たちが制作に関わったドキュメンタリーが上映される時は、さすがに緊張しました。
この3ヶ月間、二人三脚で頑張ってきた地域プレイヤーの方と一緒に肩を並べて鑑賞しました。

この映像がきっかけで、一人でも多くの方が田んぼクエストのメンバーになっていただけることを祈りながら鑑賞していました。

画像11▲大型のスクリーンに映し出される私たちの映像作品

そして、その日の夜は運営メンバーで打ち上げパーティー。

料理を提供してくれるのは、旅する出張料理人として活躍しているフリーランス料理人の方。料理はどれも絶品で、ご飯のお供となるお酒は磐梯の地ビール(なんと、飲み放題!)でした。

この晩は地元の方を交え、たくさんの方と交流できたことが何よりも貴重な体験になりました。

画像12▲打ち上げパーティーの様子。料理の説明をみんな真剣に聞いています

このプロジェクトに参加した感想

非常に長くなってしまいましたが、そろそろまとめに入っていきたいと思います。
このプロジェクトに参加した率直な感想は、「成長機会とやりがいに溢れた素晴らしい体験をさせてくれるプロジェクト」です。

たしかに、時間の制約も厳しくハードな面もありました。

短期間の中で遠距離を移動するため、時間的なスケジュールを確保する必要がありますし、1泊2日の限られた時間の中で地域プレイヤーの方と一緒に企画を考え、現地視察を行い、課題を整理し、解決策を提案しなければいけません。
もちろん、地域プレイヤーの方とその時間の中で信頼関係を構築することも重要です。

このように大変なプロジェクトではありましたが、限られた時間とリソースの中で「クライアントが求めている価値を提供するためにはどうすれば良いか?」と考える機会や、地域プレイヤーの方と短期間で信頼関係を構築して同じ目的地に向かって伴走していく経験は、非常に勉強になりました。

また、私にとっては何よりも、「地域の方と仕事ができた」「地域のためになる仕事ができた」ということが何よりのモチベーションと喜びになっていました。

仕事以外の面では、ここLivingAnywhere Commons会津磐梯に滞在している方や、地域の方との交流を通して、自分の知らない世界や価値観を学ぶことができました。

一緒にご飯を食べたり、焚き火をした時間が、自分の知らない世界を覗く機会となり、今後の生き方やキャリアを考える上でのヒントにもなりました!

豊かな自然と面白い人が集まる福島県猪苗代磐梯は、このプロジェクトを通じて、私の中で帰る場所の1つになったように感じています。

なにより、「また戻ってきなよ!のべちゃん」というクライアントさんからの言葉が今でも心に残っています。

最後の最後になりますが、このプロジェクトは

・地域のために、がむしゃらに働いてみたい
・地域プレヤーと協業してみたい
・企画を形にしたい
・自分の力を試してみたい

そんな方に、最高の時間と機会を提供してくれるプロジェクトだと思います。

短期的なお金という報酬よりも、出会いや繋がり、経験という長期的な資産を得られることができるプロジェクトだと、自信を持っておすすめすることができます。

このような機会を提供していただき、本当に感謝しかありません。
ありがとうございました!

《参考URL》

《ライター・保延(のべちゃん)》

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