見出し画像

ビールでLACを繋げたい|LACビールプロジェクトリーダー・JUNK板村さんインタビュー

場所やライフライン、仕事など、あらゆる制約に縛られることなく、好きな場所でやりたいことをしながら暮らす生き方「LivingAnywhere(リビングエニウェア)」。
そんな暮らしをユーザーと共に実践していくコミュニティLivingAnywhere Commonsのユーザーコミュニティから生まれたクラフトビール「La・La・La Anywhere Cheers BEER」(以下LACビール)はビアジャーナリストのJUNK板村さんが2021年8月にLAC拠点近くのブルワリー巡りをするところから始まった企画でした。

ブルワリー巡りは、やがて2022年4月にオリジナルビール造りをするプロジェクトに発展、ネーミングからラベルデザインに至るまでコミュニティのメンバーで議論して造り上げられました。春の企画から夏の仕込みを経て、この秋ついに「LACサマフェスフィナーレイベント in LAC熱海」でのお披露目が実現することに。

今回は、LACビールプロジェクトを中心となって進めてきたJUNK板村さんにコミュニティによるビール造りの経緯をお伺いしたいと思います。

〈JUNK板村(ジャンク いたむら)〉
静岡県在住、広末・松坂世代の髭眼鏡ビアライター。 海外を旅して飲んだビールは数知れず。 アウトドアやフェスで飲む太陽の下でのビールが何よりの好物。 舌は大雑把だが、味以外の魅力を伝える記事と写真で 美味しくビールを傾ける。 好きなビール映画は「ショーシャンクの空に」 、好きなビールソングは「夜の盗賊団/ブルーハーツ」。

ブルワリー巡りがビール造りに発展した経緯とは?

── LAC周辺のブルワリー巡りという当初のテーマから、「オリジナルのビールを造ろう」というプロジェクトに発展したのはどういった経緯だったんでしょうか。

僕は子どもがまだ小さいので、妻と外に飲みに出たりってなかなかできないんですが、LACを家族で利用したときに部屋の隣に飲む場所があって、久しぶりに妻と一緒にゆっくり飲めたんですね。

それも2人だけじゃなく、その場で泊まり合わせた人たちと一緒に夜を過ごすことができて「あ、これって好きなことだったな」って。
LACの提唱する自分らしく、もっと自由にっていうのを実感して、自分もLACを盛り上げることに貢献したいなというのと、LACとビールが各地域で繋がったら面白いだろうと思ったのがきっかけですね。

乾杯にふさわしいビールを造るために

▲LAC3周年記念イベントでの乾杯

──いくつもハードルがあったと思うのですが、実現できると最初から思われていましたか。

何を実現するかですが、ビールを造ることについては実現できると思っていました。ただ、それがみんなに喜んでもらえるのか、おいしいものになるのか、認められるのか、というところはわからなかったです。

今回3周年記念イベントの乾杯にこのビールが必要ですと言っていただけたので、LAC公認になったという実感は持つことができました。

──醸造所とのやり取りはスムーズにいきましたか。

仕込みの時期が夏の一番ビールが出るシーズンだったので、難しかったです。実績もないですし、自分のところで売るビールでいっぱいだからという声もありました。
でも、どうしてもここでやりたいと思う醸造所がカケガワビールさんだったんですね。

ベルギー人の母親を持ち、ベルギーで醸造技術を培ったブルワーの方がいて、その方に材料や味わいについてこちらの思いを伝えた結果、乾杯の時にふさわしい柑橘系の軽やかなスタイルのビールが出来上がりました。

信頼できる醸造家に、実績のあるベルジャンスタイルのビールを造ってもらえたのは光栄なことかもしれないですね。

▲カケガワビールの醸造タンク

コミュニティから募集したネーミングとラベルデザイン

── ネーミングはどう決めたのですか。

LとAとCの頭文字を使って、さらに乾杯にぴったりのビールということで、Cはcheersで固定にしようと。
でLとAは何にしますか?という大喜利をslack上で始めたら色々と意見が出て、最終的にオンラインイベントの中で当日の参加者のアイデアの中からバッと盛り上がったところがあったのでその場の勢いで「La・La・La Anywhere Cheers」に決めました。

── オンラインイベントは当初から毎月開催する予定だったのですか。

いえ、ビールが完成するまで、何かみんなと一緒に作っていうことをし続けようというのは言っていましたが、途中から1ヶ月に1回のペースになりました。

ビールに詳しい人や好きな人に対してではなくて、LACコミュニティの人に向けてと考えたときに、世界中を旅している方やLACでクリエーターワークをしている方をゲストにアサインして、ビールに興味のない人にも楽しんでもらおうと心掛けていました。

── ラベルもデザインコンペで募集されて応募も結構あったのですよね。

ありがたいことに50件近い応募をいただきました。

▲集まったラベルデザインの数々

僕はどちらかというと、500以上ある醸造所の他のビール会社のラベルの横に並ぶことをイメージするので、他とどう違うかとか、味わいの特徴をどう表現しているかというところに頭がいってしまうのですが、最終的には一般流通には乗らない面白いデザインで、乾杯というテーマを一番表現したものになったと思います。

プロジェクトと普段の仕事との違いとは?


── 最終的にLACビールのプロジェクトに関わられていたのは何名くらいになるのでしょうか。

1回のオンラインイベントに定員の50人以上が集まることもあったので、全5回で重複している部分もありますが、延べ人数では250人以上ですね。
集客にはLACだけでなく、ランサーズの新しい働き方LABやCreativeLABのサポートも大きかったですね。

──大勢の意見を調整しながらプロジェクトを進めるのは大変ではなかったですか。

そうですね。でもそれじゃなかったらやらなかったですよね。
僕はビアジャーナリストなのでビールを取材しておいしさや価値をお伝えすることが仕事ですが、今回はどちらかというとみんなで造るビールを監修する立場で、みんなにビールを造る楽しみとかクラフトビールの魅力に気づいてもらえることが目的だったので、目的の優先度が普段とは違って、コミュニティの人に喜んでもらえることを最優先していました。

正直造っているフェーズでは物がなかったので手に取れませんでしたが、実際ビールができて、今日から乾杯で、手に取って飲んでもらった後にコミュニケーションが生まれたり、次の話につながったり、何かが生まれるかを期待したいですね。

LACビールとこれから

▲LACビールを飲みながら、自然と弾む会話

──LACビールはどんなお料理と相性が良いですか

色々あるんですが、柑橘系の爽やかさが前菜系の料理と合いますし、肉料理や脂っこいものもさっぱりいただけて、ビールが進むみたいなところはあるかもしれないですね。

──今後LACビールをどうしていきたいですか。

僕が説明する場で飲んでいただくのが一番おいしく感じていただけると思うので、まずは10月に八ヶ岳の拠点を貸し切って開催予定のビアフェス「10月23日 LACオクトーバーフェスト八ヶ岳」でみんなに提供しようかなと思っています。

また今後は自分が造る側に回ることはないと思っていますが、LAC各拠点のそばにある醸造所でそれぞれのビールを造って、持ち回りじゃないですけど、毎年別の拠点でオリジナルビールが造られていて、それが日本全国のLACで飲めるみたいなことができたら、そのお手伝いができたらいいですね。

そこでしか飲めないビールがLACで飲めたら魅力だし、飲むことで生まれる自由さとか、面白さみたいなところについてこれからも発信していきたいですね。

▲LACビールについて解説するJUNKさん

──コミュニティのみんなで乾杯するために造られた、メンバーの想いが詰まったLACビール。一般には流通しないそうですのでLACのイベントなどでしか飲むことができない貴重なビールです。ビール好きの方もそうでない方も、見かけたらぜひお手に取ってみてください。

▲素材に"L" レモングラス、 "A" Aramis Hop、 "C" Cascade Hop を使用。ハウスイースト由来の柑橘系アロマと、レモングラスのさわやかさが感じられ、クラシカルなベルジャン・セゾンスタイルの落ち着きの中に、ほのかに香るAramis、Cascadeの華やかな香りが、心地よく飲みやすいビール。(AVB 5.5%)Kakegawa Farm Brewing

《ライター・住永敬一》


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?