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LivingAnywhere Commonsの第1号拠点、自然豊かな会津磐梯。コミュニティマネージャー蛯名さんインタビュー|地域や情報のハブ拠点をめざして

「LivingAnywhere Commons(以下、LAC)」は、現在全国に9拠点。その第1号拠点が「LivingAnywhere Commons会津磐梯」です。緑豊かな自然に囲まれており、後ろには磐梯山がそびえ立つという美しい立地も魅力の一つ。空き物件をイベントを通してリノベーションし、地下一階からテラス席までスタッフの方々のこだわりが詰まったワーケーション施設になります。

今回紹介する蛯名さんは、地域おこし協力隊として前任者からバトンを引き継ぎ、現在コミュニティーマネージャーとして活躍されています。そんな蛯名さんの経歴やLAC会津磐梯の魅力、これからの目標などについて、インタビューさせていただきました。

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LAC会津磐梯でコミュニティマネージャーをする蛯名さん

――蛯名さん、本日はよろしくお願いいたします。さっそくですが、蛯名さんの経歴を教えていただきたいです。

出身は福島県郡山市で、子供の頃からスキーやスノーボードで遊んでいました。会津磐梯山は昔から身近な場所だったんです。

その後、興味のあったPA(音響)の仕事や雪山でのリゾートバイトを経て、トレーナーという職につきました。

東京でトレーナーとして何年か働いた後、「体のことを考え直せる場所があればいいな」「磐梯山が好きだし、この近くで運動施設がないかな」と思うようになりました。その後磐梯町の地域おこし協力募集を発見し、応募して今に至ります。

ーーそうだったんですね。蛯名さんがされている「トレーナー」とはどんな仕事なのでしょうか。

一般的に、スポーツ選手のケアや、怪我をして理学療法士によるリハビリを受け終えた方のサポートを行う仕事です。私は現在、精神科クリニックに通院している子供の運動指導もしています。

昔雪山でリゾートバイトをしていた時に、「スノーボードは一回の怪我が大きいな」と感じていたんです。そんな時に、スノーボードの雑誌で「某有名な選手がトレーナーに見てもらった」という特集を読んで。「そんな職業があるんだ」と衝撃をうけて、体についての勉強を始めました。

このLAC会津磐梯拠点でも、トレーナーの経験を生かせるといいなと考えています。

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ーーそうだったんですね。磐梯町での地域おこし協力隊に参加したのは、どのような経緯だったのでしょうか。

トレーナーとして東京で働いていた際に、「満員電車で密着する」部分や、東京の「情報量が多くて五感をシャットアウトしないといけない」部分に馴染めないなと思ったんです。なので、「体のことを考え直せる場所がほしいな」と感じていました。

そんな場所を探していたら、たまたま会津磐梯エリアでの地域おこし協力隊がヒットして。磐梯山が好きだったから、周辺で過ごすのはすごくいいなと思いました。

地域おこし協力隊って、国の予算で自治体ごとに枠組みを決めて仕事をオファーするから、ばらつきがあるんです。例えば、何をするか決定しておらず「とりあえず来てください」という募集も他で見たことがあります。

磐梯町の地域おこし協力隊は、「民間の仕事をしてください」と記載してあり、何をすべきかが大体決まっていたので魅力的でしたね。

運動は「わざわざやるもの」ではない

ーー蛯名さんはLAC会津磐梯で、どんなことをしようと考えているんですか?

「体のことを考え直す機会」をイベントとして作れたらいいなと思っています。今の運動って「わざわざやるもの」になってると感じているんです。
体を動かすことは生きるために必然なのに、東京や都会では当たり前のものじゃなくなっている。

ーー私もずっとデスクワークなので、運動が「わざわざやるもの」になっているな...。自然に囲まれていて、虫の音や鳥の声が聞こえる場所で作業できる機会は中々ないので、磐梯町はすごく羨ましい環境です。

それですよ。磐梯町は視界がほぼ一面緑なんです。それが本当にいい。

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同じ景色でも、天気や季節の変化に合わせて段々田んぼが黄色くなったり、虫の音が変わったり、毎日変化があるんです。

「飽きないんですか?」って言われても、「いや、毎日違うから。毎日感動してるんですよ」って話をします。緑の色も毎日変わるし、芝も狩るとまた色が変わっていくんです。

ーー自然豊かで本当に気持ちがいいですよね。SNS断ちができそうな環境だなあと思いました。

なるほど、デジタルデトックス合宿やろうかなとも思ってます。ここにきたら、入り口でスマホとPCを一回預けてもらって(笑)

ご飯の時間も寝る時間も、お風呂の時間も決める。それ以外は各自瞑想やヨガをしたり、自由に過ごしてもらう。っていうのをやろうかなってね。

期間は一週間くらい。一週間やったら皆だいたい体調よくなるんです。

ーー参加したいです...!

ほんと?企画是非手伝ってください!(笑)
また詰めていきましょう!

自然を体感できる「ワーケーション」をしてほしい


ーー今話題の「ワーケーション」については、蛯名さんはどう考えていますか?

色んな使い方があるうちの一つだと思っています。

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ここに来ても、パソコンの前で夜までずーっと仕事している人もいる。もちろん周りの音とか視界とか、「周辺視」でパフォーマンスは変わるだろうなとは思います。

その過ごし方が悪いわけではないけど、いつもの延長をして帰るというのはちょっと勿体無い。人とのコミュニケーションもできないので、「その人の一部」にはなりにくいんじゃないかな。「ワーケーション」と言っても忙しいと結局仕事が大変なので、一週間くらいでゆっくりきた方がいいんじゃない?と思いますね。

ーー確かに、せっかく自然に囲まれている環境なので、勿体無いなとなりますね。

ダメじゃないんだけど、会津磐梯エリアの良さを体感しないで帰っちゃう印象です。ここはほんと静かなので、がっつり長文を書かなきゃいけない人とか、作家さんとかがこもるにもいいんじゃないかなと思うときはある。
ただそれもね、たまには出てふらっと散歩したり、運動してもらいたいですね。

LAC会津磐梯だからできること

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ーー蛯名さんが「これは会津磐梯エリアだからできることだ」と思うことはありますか?

「ここだから」って考えると、今3つ思い浮かぶんですよ。
私と、LIFULLやLivingAnywhere Commonsと、あと磐梯町。

磐梯町は去年町長が変わって、長年星野リゾートの支配人をされていた方になったんです。今までと違う人たちがどんどん集まって、自治体として新しいこともどんどんやっている。面白い波がすごくグイグイ来ていると思います。

ーー面白いことが起こりそうですね!自治体で行っている新しいことというのは、どんな内容なのでしょうか?

磐梯町は制度的にも風土的にも、子育て支援がすごく熱心なんです。移住者して来られた方がぼちぼちいることが理由の一つかな。

なので、最近仲間内で考えてる新しい構想についても、背中を押してくれているんです。

ーーそうなんですね。考えている構想とは、どんなものなのでしょうか。

磐梯山をまたいでいる磐梯町、猪苗代町、北塩原村の3町村の子供達で、新しい自治体「子供会議」を作ろうと思っています。

大人って色々なしがらみにとらわれて、新しい意見を言いにくいと思うんですけど、子供はそんなことないから面白そうだなと思っています。

ーー「子供会議」、すごく面白そうですね!

磐梯町に住んでいる子供たちは、割と大人の顔色伺いが上手というか。あんまりやんちゃな子がいない印象があります。だからこそ子供たちに、「やんちゃしていいよ」ということを伝えたい。

この前プロジェクトで中学生達とブレインストーミングをしたんです。ルールは「大人の顔色を伺ってはいけません」「実現できるかどうかは、絶対に考えてはいけません」だけ。
変わったアイディアがたくさん出てきて本当に面白かったですよ。

子供って生活環境に影響される部分が多いと思うんです。
子供たちの運動指導をする中で、「出来上がってしまった価値観を大人になって直すことは、本当に難しい」と感じています。

私は「体が色々な体験をして、子供がちゃんと発育・発達すること」を絶対に軸にしたいと思っています。「子供達の考え方の芽」を摘み取って欲しくない。「あれしちゃダメ、これしちゃダメ」というルールが、なるべくない場所を作っていきたいです。

磐梯町なら、そういう環境やカルチャーを作れそうだと思っています。

LAC会津磐梯拠点がこれから目指す姿

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ーーLAC会津磐梯の拠点が目標としていることはありますか?

ここ単体としては、地域のハブになりたいと考えています。
周りに猪苗代や喜多方、裏磐梯やスキー場などあるんですけど、ここだけ何も観光場所がないんです。

ーーちょうどここだけ、観光ルートから外れてしまっているんですね。

そうなんですよ。でも逆に言うと、色々な観光地の真ん中にあるんです。
こから30分圏内で、どこでもいけるんですよ。

ーーめちゃくちゃいいじゃないですか!

めちゃくちゃいいですよね!そうなの。言い方次第。

磐梯「町」って言う市町村の名前で言っちゃうと皆通り過ぎてるんだけど、観光客の方は絶対来てるんです。なので、「磐梯町」単体ではなくて、会津エリアや磐梯山エリアで遊んでもらうことを考えています。

ここは宿泊もできるけど、どちらかと言うと「情報が集約されている場所」として捉えてほしい。ここにくると色々な情報があるよ、この人とこの人を繋げるよ、ということをできるようにしたい。面白い人にいっぱいきてほしいですね。

他にも、自分のフィールドを生かして「フィジカルとしてのハブ」にもしたいなと思っています。

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ーー「フィジカルとしてのハブ」とは、どういうことでしょうか?

例えば、冬のスポーツはスノボ、夏のスポーツは登山や自転車ですよね。その人たちって、同じ場所に来てるのに一生すれ違わないんです。

でもその中間になる場所があれば交流が生まれるんじゃないかと思っています。そして「ちょっとそっちも楽しそうだな」って興味がわくんじゃないかなと。

ーーいいですね、広がっていきますね。

そう。人間の体って、ずっと同じことをしてると同じ引き出ししか出てこないんですよ。その「体の引き出し」が減ると、頭に入ってくる情報量も減ってしまう。

そしてゆくゆくは想像力が減ってしまうので、すごく勿体無いなと思うんです。

スノーボードだけやってるよりも、自転車もやったほうが体は敏感になるし受け取る情報量も多くなる。新しいものに触れる機会が多いと、体も新しいことをするじゃないですか。なるべくそれができる接点を増やしたいですね。

ーー磐梯町という土地と、蛯名さんのフィールドを生かした拠点になりそうですね。

そうですね。他にも、初心者とベテランを繋げることもできたらと思っています。

ーー初心者目線からだと、それはとても嬉しいです。

初めてのことって「いざ始めよう」としても、どこから始めたらいいか迷ってしまう。ね、マイナースポーツだと、特にそうじゃないですか?

昔は、特にスノーボードは上手な先輩の後ろをテケテケついていってたんです。だから技術的なことだけじゃなくて、ゴミを拾うとかマナーの悪い人に注意をするということを、先輩を見て学んでいたんですよね。

でも今って、別に先輩や知り合いがいなくてもできる。全体的に色んなものが分断してしまっている感じがするんです。

遠くと繋がるわりに近くと繋がってないから、そこのハブにもしていきたいです。

蛯名さんが考える地方創生とは

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ーー蛯名さんは、「地方創生」についてどう考えますか?

地域おこし協力隊できてから、そういう質問が増えましたね。
でも「地方創生」という意味を深掘りしてる人って、あまりいないんじゃないかなと思っています。

私個人としては、「ここに観光客が沢山来て、沢山お金を落としてもらっています」「全国的に目立ってめちゃくちゃ注目されます」というのが地方創生とは全く思っていません。

そういう方がいい人もいるんでしょうけど、「今後の地方のあり方=これが正解」って、絶対その場所によって違うじゃないですか。
だから、「注目される」っていう一つのゴールに向かって皆がそれぞれやっていくと、ただのパイの取り合いになってしまう。

人間だって一人一人のなかに多様性がありますよね。正解はその人の日常の数だけあるわけだから、それに合致したら来てもらえばいいし、しないんだったら来なきゃいい。全員が全員「磐梯町が良い」とは思ってないですよね。

もちろん人には来て欲しいし、ここ知らないって人たちには届けたほうがいいと思うけど、明日は明日でまた違うカラーのネットワークができる。

こうしてまいまいさんが来るだけでも、昨日とは空気が変わるわけですよ。

それが日々モチャモチャ形を変えて、その場その場で環境が出来上がればいいと思っています。レイヤーが増えて、メッシュのように混ざり合えればいいですね。

ーー各自が混ざりたいところで混ざり合って、「会津磐梯エリアならではの地方創生」っていう形を作れたらいいなということでしょうか。

そうですね。「地方創生」として経済的に大きな流れになることが「絶対にいい」とは思っていません。

例えばここだと、廃棄する野菜や食料をもらうんです。近くの住民の方からもらって「ありがとう」って返していく。それが経済じゃないですか。このサイクルは、大きくなる必要はないんじゃないかなと思っています。

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磐梯町に来てくれる人には、ただ来て帰るだけじゃなくて、何かしらその人のメッシュの一部になって帰ってもらえるといいなと思っています。そうしたら、またいずれ来てもらえる。

ーー「来た人の一部になること」が、蛯名さんの考える「地方創生」なんですね。

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LAC会津磐梯で過ごしてみて


たくさんの自然に囲まれており、羽を伸ばすにはぴったりの磐梯町。
LAC会津磐梯は空間が広く、作業をするのものんびりするのもとても快適な場所でした。

夕方になると、地域の人たちが野菜をくれたり一緒に夜ご飯を食べたりと交流も盛んで、明るい雰囲気の中楽しく過ごさせていただきました。

是非一度、LAC会津磐梯でのんびりワーケーションしてみませんか?

《ライター・まいまい

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