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その32)時間と人数と体力がある世界

ベーシックインカムになって、時間と体力がある人が増えると、今まではできなかった新しいことができるようになります。いちばん考えられるのは、なにか楽しみながらできて、人の役に立つことだと思います。これは本能的なものだそうです。

昔、テレビで10人が無人島でサバイバルするとどうなるかというテレビ番組を観ました。そこではメンバーがそれぞれができることをどんどん始めて、小さな社会を作っていました。魚を取る人、家をつくる人、料理をする人、家具や寝床をつくる人。誰がリーダーというわけでもなくいろいろなものが揃っていってどんどん快適になっていったのです。テレビの脚色もあるとは思いますが、なかなか興味深いドキュメンタリーでした。

ベーシックインカムでの支出を食費や生活費は生活共同体で工夫すればかなり節約できます。そこで捻出したお金を好きなことや、やりたかったことに使うようになると思います。共同で何かを作り上げるのは日常茶飯事になります。人件費ゼロでエンタメの超大作を作るグループも現れるかもしれません。

自分たちが生産したものを持ち寄る市は間違いなく立つでしょう。ここではベーシックインカムと別に地域通貨が活躍しそうです。

介護も、要介護者と暮らす家族同士が協力し、そこに医療・福祉も協力して生活を営むケースが出てくるでしょう。育児も同様です。共通の問題を抱えるコミュニテイはベーシックインカムのお陰でかなり円滑に機能すると思います。介護はあるけど夢に向かって勉強したい人もこれで夢を追いやすくなるでしょう。

デジタル通貨と個人認証技術が発達するほど、住む場所も選ばない感じになります。費用をかけずに全国を渡り歩いて生活するのも楽しみの一つになるでしょう。食費がなんとかなって人同士のふれあいがあれば、人はどこでも生きられるのです。

一生かけて何かを達成するような、そういうチャレンジもできるでしょう。ギネスブックもずいぶん賑やかになるんじゃないでしょうか。究極の人生の暇つぶしという感じです。

個人での汎用ヒト型ロボットの所有は費用がかかるでしょう。逆に人は「人件費」がかからない存在になるので、タダでやりたい仕事をする・・・みたいになります。いろいろなタイプのボランティアが現れるかもしれません。

前の回で自治体の新しい掟が面倒くさいという話をしましたが、これも四六時中というわけではなく、恩恵がある範囲での協力体制という感じに落ち着けばさほどの負担にはならないと思います。

こうしてみると、ベーシックインカム社会は意外と活気がある世界のなるのではないでしょうか。

次回はベーシックインカムによって廃止されそうな医療・福祉政策を考えていきます。

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